Trend Micro Security

WORM_IRCBOT.PHT

2012年10月8日
 解析者: Karl Dominguez   

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インスタントメッセンジャ(IM)を介した感染活動, ソーシャル・ネットワーキング・サイト(SNS)を介した感染活動

ワームは、リモートサイトから他のマルウェア、グレイウェアまたはスパイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。 ワームは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、レジストリ値を変更し、複数のシステムサービスを無効にします。これにより、システムに必要な機能が起動しません。

ワームは、このワームにより強制終了されるプロセスに関連するファイルを削除します。これにより、削除されたファイルに関連するプログラムおよびアプリケーションが無効となります。

ワームは、ユーザのInternet Explorer(IE)のスタートページを特定のWebサイトに変更します。これにより、特定のマルウェアを含むWebサイトが表示され、感染コンピュータは、さらなる脅威にさらされる恐れがあります。


  詳細

ファイルサイズ 61,440 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2010年11月11日
ペイロード サービスの無効, プロセスの強制終了, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

ワームは、リモートサイトから他のマルウェア、グレイウェアまたはスパイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

ワームは、以下の悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

  • http://{BLOCKED}raimg.com/photo.php?={random numbers}
  • http://{BLOCKED}otoon.com/photo.php?={random numbers}

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Windows%\nvsvc32.exe

(註:%Windows%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows9x、Me、XP、Server 2003の場合、"C:\Window"、WindowsNT および 2000の場合、"C:\WINNT" です。)

ワームは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Nvidia Drive Mon

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
NVIDIA driver monitor = %Windows%\nvsvc32.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
NVIDIA driver monitor = %Windows%\nvsvc32.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Terminal Server\
Install\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
NVIDIA driver monitor = %Windows%\nvsvc32.exe

他のシステム変更

ワームは、レジストリ値を変更し、以下のシステムサービスを無効化します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\wuauserv
Start = 4

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\MsMpSvc
Start = 4

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

ワームは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
{malware path and file name} = %Windows%\nvsvc32.exe:Enabled:NVIDIA driver monitor

プロセスの終了

ワームは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • wuauserv
  • MsMpSvc

ワームは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • msseces.exe

ワームは、このワームにより強制終了されるプロセスに関連するファイルを削除します。これにより、削除されたファイルに関連するプログラムおよびアプリケーションが無効となります。

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

ワームは、ユーザのIEのスタートページを以下のWebサイトに変更します。

  • http://{BLOCKED}ure.com

その他

このワームのコードから、ワームは、以下の機能を備えています。

  • It tries to connect to any of the following sites:
    • {BLOCKED}.{BLOCKED}.18.99
    • {BLOCKED}oshistory.info
    • {BLOCKED}e.pakibili.com
    • {BLOCKED}o.ic.ac.uk
    • {BLOCKED}e.lacoctelera.net
    • {BLOCKED}emccloskey.org
    • {BLOCKED}s.phoenix-cc.net
    • {BLOCKED}highered.com
    • {BLOCKED}lofaccountancy.com
    • {BLOCKED}ls.lww.com
    • {BLOCKED}s.0730ip.com
    • {BLOCKED}s.archivum.info
    • {BLOCKED}p.lvengine.com
    • {BLOCKED}astpost.org
    • {BLOCKED}rticles.com
    • {BLOCKED}rarticles.info
    • {BLOCKED}n.51.com
    • {BLOCKED}yle.com
    • {BLOCKED}e.info
    • {BLOCKED}r-uni-sw.eesp.ch
    • {BLOCKED}ationale.org
    • {BLOCKED}ed.com
    • {BLOCKED}k.com
    • {BLOCKED}etrafficspy.com
    • www.{BLOCKED}an.com
    • xxx.{BLOCKED}a.pl
  • If the connection is succesful, the malware joins the channel #!nn! to send and receive information from its IRC C&C server. The malware could also download additional files and is saved as follows:
    • %Windows%\ndl.dl
    • %Windows%\wibrf.jpg
    • %Windows%\wiybr.png
    • %Windows%\ntdl.dl
  • If the malware is not able to drop a copy of itself in %Windows% directory. It tries to drop a copy of itself as the following:
    • %Public%\nvsvc32.exe
    • %Program Files%\nvsvc32.exe

    (Note: %Public% is usually C:\Users\Public in Windows Vista and Windows 7. %Program Files% is the default Program Files folder, usually C:\Program Files.)
  • The malware is capable of sending messages in Facebook, Yahoo! Messenger and Windows Live containing a link pointing to a copy of itself:
    • Foto :D http://{BLOCKED}otoon.com/photo.php?={random numbers}
  • This malware also opens the page http://{BLOCKED}users.myspace.com/Browse/Browse.aspx


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
初回 VSAPI パターンバージョン 7.616.01
初回 VSAPI パターンリリース日 2010年11月12日
VSAPI OPR パターンバージョン 7.617.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2010年11月12日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「WORM_IRCBOT.PHT」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは Process Explorer に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • NVIDIA driver monitor = %Windows%\nvsvc32.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • NVIDIA driver monitor = %Windows%\nvsvc32.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Terminal Server\Install\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • NVIDIA driver monitor = %Windows%\nvsvc32.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • {malware path and file name} = %Windows%\nvsvc32.exe:Enabled:NVIDIA driver monitor

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\wuauserv
    • From: Start = 4
      To: Start = 2
  • InHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\MsMpSvc
    • From: Start = 4
      To: Start = 2

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
%Windows%\ndl.dl 
%Windows%\wibrf.jpg 
%Windows%\wiybr.png 
%Windows%\ntdl.dl

手順 6

Internet Explorer(IE)のスタートページおよび検索ページの設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「WORM_IRCBOT.PHT」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

以下のファイルをバックアップを用いて修復します。なお、マイクロソフト製品に関連したファイルのみ修復されます。このマルウェア/グレイウェア/スパイウェアが同社製品以外のプログラムをも削除した場合には、該当プログラムを再度インストールする必要があります。 msseces.exe


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