Trend Micro Security

WORM_IRCBOT.JPA

2011年4月1日
 解析者: Karl Dominguez   

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 Propagates via removable drives

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、リモートサイトから他の不正プログラムもしくはアドウェア等にダウンロードされ、コンピュータに侵入します。 ワームは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるようレジストリ値を追加します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。


  詳細

ファイルサイズ 136,192 bytes
タイプ PE
メモリ常駐 はい
発見日 2010年10月27日
ペイロード Compromises system security

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、リモートサイトから他の不正プログラムもしくはアドウェア等にダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

ワームは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %Application Data%\google_cache{random numbers}.tmp - non-malicious file
  • {drive letter}:\ProductInstall\FSA-5916-37591-2352322-634621321-6662355\Desktop.ini - non-malicious file

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 ""C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"" 、 Windows NTの場合 ""C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data""、Windows 98 および MEの場合、""C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"" です。)

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\lsass.exe

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 ""C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"" 、 Windows NTの場合 ""C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data""、Windows 98 および MEの場合、""C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"" です。)

ワームは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • MPoNvDde

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Local Security Authentication Server = %Application Data%\lsass.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Local Security Authentication Server = %Application Data%\lsass.exe

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下のフォルダを作成します。

  • {drive letter}:\ProductInstall
  • {drive letter}:\ProductInstall\FSA-5916-37591-2352322-634621321-6662355

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {drive letter}:\ProductInstall\FSA-5916-37591-2352322-634621321-6662355\Install.exe

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[AutoRun]
open=ProductInstall\FSA-5916-37591-2352322-634621321-6662355\Install.exe
icon=%System%\SHELL32.dll,4
action=Open folder to view files
shell\open\command=ProductInstall\FSA-5916-37591-2352322-634621321-6662355\Install.exe
shell\open\default=1

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、""C:\Windows\System""、Windows NT および 2000 の場合、""C:\WinNT\System32""、Windows XP および Server 2003 の場合、""C:\Windows\System32"" です。)

バックドア活動

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • syn.{BLOCKED}128.info

マルウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • 自身の更新
  • 自身の削除およびレジストリの変更
  • 追加ファイルのダウンロード
  • プロセスの強制終了
  • ファイルの実行


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900

手順 1

Windows ME および XPユーザは、パソコンから不正プログラムもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「WORM_IRCBOT.JPA」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  1. Windows 98/MEの場合、検出ファイルが、Windows のタスクマネージャに表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  2. 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Local Security Authentication Server = %Application Data%\lsass.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Local Security Authentication Server = %Application Data%\lsass.exe

手順 4

「WORM_IRCBOT.JPA」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
[AutoRun]
open=ProductInstall\FSA-5916-37591-2352322-634621321-6662355\Install.exe
icon=%System%\SHELL32.dll,4
action=Open folder to view files
shell\open\command=ProductInstall\FSA-5916-37591-2352322-634621321-6662355\Install.exe
shell\open\default=1

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\google_cache{random numbers}.tmp

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {drive letter}:\ProductInstall
  • {drive letter}:\ProductInstall\FSA-5916-37591-2352322-634621321-6662355

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「WORM_IRCBOT.JPA」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。ただし、念のため、隔離されたファイルを削除してください。詳しくは、こちらをご確認下さい。


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