Trend Micro Security

WORM_IPPEDO.B

2014年7月5日
 解析者: Rhena Inocencio   

 別名:

Worm:AutoIt/Ippedo.A (Microsoft), Trojan.Win32.AutoIt.cfo (Kaspersky), Win32/Autoit.JW worm, Win32/Autoit.JW worm (ESET), Trj/Autoit.gen (Panda)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成, リムーバブルドライブを介した感染活動

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 136,443 bytes
タイプ Other
メモリ常駐 はい
発見日 2014年6月26日

侵入方法

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System Root%\Google\googleupdate.a3x

(註:%System Root%フォルダは、標準設定では "C:" です。また、オペレーティングシステムが存在する場所です。)

ワームは、以下のフォルダを作成します。

  • %System Root%\Skypee
  • %System Root%\Google

(註:%System Root%フォルダは、標準設定では "C:" です。また、オペレーティングシステムが存在する場所です。)

ワームは、感染コンピュータ上のメモリに以下のプロセスを確認すると、自身を終了します。

  • combination of the following processes:
    • avp.exe, zonealarm.exe and avguard.exe
    • tcpview.exe, procmon.exe and nod32kui.exe
    • kavmm.exe, procmon.exe and fsbwsys.exe
    • vmacthlp.exe, avp.exe and kavsvc.exe
  • VBoxService.exe
  • VBoxTray.exe
  • guninraik.exe
  • SbieSvc.exe
  • VMwareTray.exe
  • VMwareUser.exe
  • VMwareService.exe
  • VMwareUser.exe
  • FortiTracer.exe
  • vmacthlp.exe
  • vmtoolsd.exe
  • BehaviorDumper.exe
  • FakeHTTPServer.exe
  • FakeServer.exe
  • FakeHTTPServer.exe
  • FakeHTTPServer.exe
  • FakeHTTPServer.exe
  • FakeHTTPServer.exe

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Windows Update = "%System Root%\Google\Windowsupdate.lnk"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Windows Update = "%System Root%\Google\Windowsupdate.lnk"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
AdopeUpdate = "%System Root%\Google\GoogleUpdate.lnk"

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
JavaUpdate = "%System Root%\Google\GoogleUpdate.lnk"

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
NewJavaInstall = "%System Root%\Google\AutoIt3.exe /AutoIt3ExecuteScript %System Root%\Google\googleupdate.a3x"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
AdopeFlash = "%System Root%\Google\AutoIt3.exe /AutoIt3ExecuteScript %System Root%\Google\googleupdate.a3x"

ワームは、Windows起動時に自動実行されるよう<Common Startup>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • GoogleUpdate.lnk
  • Windows Update.lnk

他のシステム変更

ワームは、以下のファイルを削除します。

  • googleupdate.vbs

ワームは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「{user-defined}」となります。)

感染活動

ワームは、すべての物理ドライブおよびリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {drive}:\Skypee\googleupdate.a3x

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Restart malware
  • Insert script to HTML
  • Update copy
  • Display message box
  • Access a URL specified by remote user
  • Execute command through cmd.exe
  • Download arbitrary files
  • Shutdown
  • Restart
  • Logoff
  • Standby

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}ou.{BLOCKED}o.org:86

情報漏えい

ワームは、以下の情報を収集します。

  • Malware ID
  • Computer name
  • User name
  • Country
  • OS Version
  • OS Architecture (32bit/64bit)
  • Active window title
  • Installed AV application

その他

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、感染コンピュータの位置情報を取得します。

  • http://www.geoplugin.net/json.gp


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 10.886.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年6月26日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.887.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年6月27日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

この「WORM_IPPEDO.B」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)

     
    • LNK_IPPEDO.B

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: ShowSuperHidden = "0"
      To: ShowSuperHidden = "{user-defined}"

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Windows Update = "%System Root%\Google\Windowsupdate.lnk"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Windows Update = "%System Root%\Google\Windowsupdate.lnk"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • JavaUpdate = "%System Root%\Google\GoogleUpdate.lnk"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • AdopeUpdate = "%System Root%\Google\GoogleUpdate.lnk"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • NewJavaInstall = "%System Root%\Google\AutoIt3.exe /AutoIt3ExecuteScript %System Root%\Google\googleupdate.a3x"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • AdopeFlash = "%System Root%\Google\AutoIt3.exe /AutoIt3ExecuteScript %System Root%\Google\googleupdate.a3x"

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {drive}:\Skypee
  • %System Root%\Google

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_IPPEDO.B」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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