Trend Micro Security

WORM_INJECT.VQ

2012年10月9日
 解析者: Cris Nowell Pantanilla   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。


  詳細

ファイルサイズ 331,776 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年5月3日

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Profile%\Application Data\GoogleChrome\svchost.exe
  • %User Profile%\Application Data\Microsoft\csrss.exe

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer\Run
csrss = "%User Profile%\Application Data\Microsoft\csrss.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
WindowsDefender = "%User Profile%\Application Data\GoogleChrome\svchost.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
csrss = "%User Profile%\Application Data\Microsoft\csrss.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
Explorer\Run
csrss = "%User Profile%\Application Data\Microsoft\csrss.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
csrss = "%User Profile%\Application Data\Microsoft\csrss.exe"

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Userinit = "%System%\userinit.exe,%User Profile%\Application Data\Microsoft\csrss.exe"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"%System%\userinit.exe,"」となります。)

感染活動

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[autorun]
sHelleXeCUte=SYsteM.exe
ICoN=%wINDIR%\SYSTem32\shELL32.dLl,4
sheLl\OpEN\coMManD=SYSTEM.exe
sHeLL\EXPLore\ComMAnD=SYSTEM.exe
USeAUTOplAY=1

その他

ワームは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://www.maxmind.com/app/locate_my_ip

ワームは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • {BLOCKED}.no-ip.org


  対応方法

対応検索エンジン: 9.200

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「WORM_INJECT.VQ」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは Process Explorer に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\Run
    • csrss = "%User Profile%\Application Data\Microsoft\csrss.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • WindowsDefender = "%User Profile%\Application Data\GoogleChrome\svchost.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • csrss = "%User Profile%\Application Data\Microsoft\csrss.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\Explorer\Run
    • csrss = "%User Profile%\Application Data\Microsoft\csrss.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • csrss = "%User Profile%\Application Data\Microsoft\csrss.exe"

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Userinit = "%System%\userinit.exe,%User Profile%\Application Data\Microsoft\csrss.exe"
      To: Userinit = "%System%\userinit.exe,"

手順 5

「WORM_INJECT.VQ」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
[autorun]
sHelleXeCUte=SYsteM.exe
ICoN=%wINDIR%\SYSTem32\shELL32.dLl,4
sheLl\OpEN\coMManD=SYSTEM.exe
sHeLL\EXPLore\ComMAnD=SYSTEM.exe
USeAUTOplAY=1

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「WORM_INJECT.VQ」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください