Trend Micro Security

WORM_INJECT.AZ

2013年8月9日
 解析者: Nikko Tamana   

 別名:

W32/Injector.GWQE!tr (Fortinet), Trojan-Dropper.Win32.Injector (Ikarus), Trojan-Dropper.Win32.Injector.gwqe (Kaspersky), Win32/Agent.NLQ worm (NOD32)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 フラッシュドライブを介した感染活動, インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 261,838 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2013年1月9日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの作成

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd\_E39msnmsgrskype.exe
  • %Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd\_E39msnmsgrskypess.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

ワームは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\_E39{random values}.exe
  • %Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd\_E39winitinet32.dll
  • %Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd\_E39winitinet32ss.dll
  • %Application Data%\Microsoft\Libraries\bystvu.dll
  • %Application Data%\Microsoft\Libraries\dpupula.dll
  • %Application Data%\Microsoft\Libraries\dz5_65.dll
  • %Application Data%\Microsoft\Libraries\hkchwp65.dll
  • %Application Data%\Microsoft\Libraries\pwoswhwp.dll
  • %Application Data%\Microsoft\Libraries\rlyuls65.dll
  • %Application Data%\Microsoft\Libraries\uakss.dll
  • %Application Data%\Microsoft\Libraries\Ulahwp65.dll
  • %Application Data%\Microsoft\Libraries\zolss65.dll

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

ワームは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\Microsoft\Libraries
  • %Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
_ZZZZAdobe Flash Accelerator = "%Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd\_E39msnmsgrskype.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
_ZZZZAdobe Flash Accelerator = "%Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd\_E39msnmsgrskype.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WindowsNT\CurrentVersion\Windows
Run = %Application Data%\_ZZZZCertifiededd\_E39msnmsgrskypess.exe

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリ値を変更し、隠しファイル属性のファイルを非表示にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {Drive Letter}:\RemovebleDrive.exe

その他

ワームは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • http://{BLOCKED}0.com/tmp/final.jpg
  • http://api.{BLOCKED}ia.com/

マルウェアは、リムーバブルドライブ内にショートカットファイル(拡張子LNK)を作成し、ファイルが開かれるとリムーバブルドライブ内でマルウェアのコピーが実行されます。そして、リムーバブルドライブのルートに存在するすべてのファイルを非表示にします。

マルウェアは、フォルダまたはテキストファイルのアイコンを用いて、作成されたショートカットファイルを開くようユーザを誘導します。以下のショートカットファイルが、リムーバブルドライブ内に作成されます。

  • Family Photos.lnk
  • Message.txt.lnk
  • My Girlfriend Images.lnk
  • My Passwords.txt.lnk
  • Sexy Photos.lnk
  • <リムーバブルドライブのルートに存在するフォルダ名>.lnk
  • <リムーバブルドライブのルートに存在するファイル名>.lnk

  •   対応方法

    対応検索エンジン: 9.300
    初回 VSAPI パターンバージョン 9.650.03
    初回 VSAPI パターンリリース日 2013年1月11日
    VSAPI OPR パターンバージョン 9.651.00
    VSAPI OPR パターンリリース日 2013年1月12日

    手順 1

    Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

    手順 2

    このマルウェアは、通常モードまたはセーフモード下での検出および削除手順では、マルウェアを完全に削除することができない場合があります。そのため、以下の方法で Windows の回復コンソールを使用し、コンピュータを再起動してください。

    •Windows 2000、XP および Server 2003 の場合

    1. Windows のインストール CD を使用して、コンピュータを再起動します。
    2. [セットアップへようこそ] 画面で、修復の R キーを押します。 (註: Windows2000 の場合、R キーを入力後 C キーを入力し、[修復オプション]から[回復コンソール]を選択します。)
    3. キーボードを選択します。
    4. 修復する Windows がインストールされているドライブを選択します(通常は 1 を選択します)。
    5. 管理者のパスワードを入力し、Enter を押します。管理者パスワードがない場合は、何も入力せずに Enter を押します。
    6. コマンドプロンプトに、以下のコマンドを入力し、Enter を押してください。
      SET AllowAllPaths = TRUE
      cd “%Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd”
      del E39msnmsgrskypess.exe
      del E39msnmsgrskype.exe
      del E39winitinet32.dll
      del E39winitinet32ss.dll
    7. コマンドプロンプトに exit と入力し、コンピュータを再起動してください。

    •Windows Vista および 7 の場合

    1. Windows のインストール DVD を使用して、コンピュータを再起動します。
    2. 再起動するかどうかの確認画面が表示されたら、いずれかのキーを入力し、表示される指示に従います。
    3. Windows のインストールDVDによっては、インストールする言語の選択が必要になる場合があります。 Windows のインストール画面で、言語、ロケール情報およびキーボードの種類と入力方法を選択します。[コンピュータを修復する]をクリックします。
    4. コンピュータを修復します。[次へ]-[コンピューターの修復]をクリックします。
    5. [システム回復オプション]で、[Windows の起動に伴う修復用の回復ツールを使用します。修復するオペレーティングシステムを選択してください。]を選択し、該当のオペレーティングシステムを選びます。そして[次へ]をクリックします。
    6. [スタートアップ修復]画面が表示された場合、[キャンセル]-[はい]-[完了]をクリックします。
    7. [システム回復オプション]メニューで、[コマンドプロンプト]をクリックします。
    8. 以下のコマンドを入力し、Enter を押します。
      cd “%Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd”
      del E39msnmsgrskypess.exe
      del E39msnmsgrskype.exe
      del E39winitinet32.dll
      del E39winitinet32ss.dll

      ※Windows 7 の場合、すべてのローカルドライブは、通常よりひとつ多く割り当てられています。例:C:ドライブは、D:ドライブとなります。
    9. コマンドプロンプトに exit と入力し、Enter を押して、コマンドプロンプトを閉じます。
    10. [再起動]をクリックしてコンピュータを通常どおり再起動してください。

    手順 3

    Windowsをセーフモードで再起動します。

    [ 詳細 ]

    手順 4

    このレジストリ値を削除します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
      • _ZZZZAdobe Flash Accelerato r= %Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd\_E39msnmsgrskypess.exe
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
      • _ZZZZAdobe Flash Accelerator = %Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd\_E39msnmsgrskypess.exe
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\WindowsNT\CurrentVersion\Windows
      • Run = %Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd\_E39msnmsgrskypess.exe
    RESTORE
  • 「レジストリエディタ」を閉じます。
  • 手順 5

    変更されたレジストリ値を修正します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
      • From: ShowSuperHidden = "0"
        To: ShowSuperHidden = "1"

    手順 6

    以下のファイルを検索し削除します。

    [ 詳細 ]
    コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
    • %Application Data%\_E39{random values}.exe
    • %Application Data%\Microsoft\Libraries\bystvu.dll
    • %Application Data%\Microsoft\Libraries\dpupula.dll
    • %Application Data%\Microsoft\Libraries\dz5_65.dll
    • %Application Data%\Microsoft\Libraries\hkchwp65.dll
    • %Application Data%\Microsoft\Libraries\pwoswhwp.dll
    • %Application Data%\Microsoft\Libraries\rlyuls65.dll
    • %Application Data%\Microsoft\Libraries\uakss.dll
    • %Application Data%\Microsoft\Libraries\Ulahwp65.dll
    • %Application Data%\Microsoft\Libraries\zolss65.dll

    手順 7

    以下のフォルダを検索し削除します。

    [ 詳細 ]
    フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
    • %Application Data%\Microsoft\Libraries
    • %Application Data%\Microsoft\_ZZZZCertifiededd

    手順 8

    コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_INJECT.AZ」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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