Trend Micro Security

WORM_DORKBOT.KK

2012年10月9日
 解析者: Karl Dominguez   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 リムーバブルドライブを介した感染活動, インスタントメッセンジャ(IM)を介した感染活動

感染経路:リムーバブルドライブを介した感染活動およびインスタントメッセンジャ(IM)を介したスパム活動

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ワーム マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した ワーム )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 79,854 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年7月19日
ペイロード 情報収集, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Profile%\Application Data\{random characters}.exe

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{malware file name} = "%User Profile%\Application Data\{malware file name}.exe"

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下のフォルダを作成します。

  • {drive letter}:\RECYCLER

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {drive letter}:\RECYCLER\{random characters}.exe

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

[AutoRun]
;{garbage characters}
shellexecute=RECYCLER\{malware file name}.exe
;{garbage characters}
icon=shell32.dll,7
;{garbage characters}
shell\open\command=RECYCLER\{malware file name}.exe
;{garbage characters}
action=Open folder to view files
;{garbage characters}
shell\explore\command=RECYCLER\{malware file name}.exe
;{garbage characters}
useautoplay=1

ワームは、以下のインスタントメッセンジャ(IM)を用いて、メッセージを送信します。このメッセージにはリンクが含まれており、リンク先のリモートサイトには、自身のコピーが組み込まれています。

  • Windows Live Communicator
  • MSN Messenger
  • Pidgin
  • Xchat
  • mIRC

バックドア活動

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • ng.{BLOCKED}oan.com
  • ng.{BLOCKED}opperz11.com
  • ng.{BLOCKED}ousez11.com
  • ng.{BLOCKED}allone.com
  • ng.{BLOCKED}ketbaby.com

その他

ワームは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://api.wipmania.com/

ワーム は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した ワーム )を削除します。

ワームは、感染したコンピュータのインターネット使用状況を監視します。ユーザが以下の文字列を含むWebサイトを閲覧した場合、ワームは、ユーザの認証情報を収集します。

  • *officebanking.cl/*login.asp*
  • *secure.logmein.*/*logincheck*
  • *megaupload.*/*login
  • loginUserPassword
  • loginUserName
  • *loginUserPassword=*
  • *fileserve.*/login*
  • session[password]
  • session[username_or_email]
  • *password]=*
  • *twitter.com/sessions
  • *:2086/login*
  • *:2083/login*
  • Password
  • EmailName
  • *&Password=*
  • *.alertpay.*/*login.aspx
  • txtPassword
  • txtEmail
  • *&txtPassword=*
  • *.moneybookers.*/*login.pl
  • *runescape*/*weblogin*
  • *dyndns*/account*
  • *&password=*
  • *no-ip*/login*
  • *steampowered*/login*
  • quick_password
  • quick_username
  • username
  • *hackforums.*/member.php
  • email
  • *facebook.*/login.php*
  • *login.yahoo.*/*login*
  • passwd
  • login
  • *passwd=*
  • *login.live.*/*post.srf*
  • TextfieldPassword
  • TextfieldEmail
  • *TextfieldPassword=*
  • *gmx.*/*FormLogin*
  • *Passwd=*
  • FLN-Password
  • FLN-UserName
  • *FLN-Password=*
  • *fastmail.*/mail/*
  • *pass=*
  • *bigstring.*/*index.php*
  • screenname
  • *screenname.aol.*/login.psp*
  • password
  • loginId
  • *password=*
  • *aol.*/*login.psp*
  • Passwd
  • Email
  • *service=youtube*
  • *google.*/*ServiceLoginAuth*
  • login_password
  • login_email
  • *login_password=*
  • *paypal.*/webscr?cmd=_login-submit*

ワームは、以下のWebサイトにおいて用いられるユーザ認証情報を収集します。

  • AlertPay
  • AOL
  • BigString
  • DynDNS
  • Facebook
  • Fastmail
  • FileServe
  • Gmail
  • Hackforums
  • LogMeIn
  • Megaupload
  • Moneybookers
  • No-IP
  • OfficeBanking
  • PayPal
  • Runescape
  • Steam
  • Twitter
  • Yahoo
  • YouTube

ワームは、以下のバックドア機能を備えます。

  • Domain Name System (DNS)のブロック
  • プロセスの追加
  • 他のファイルのダウンロード
  • "iframe" タグをHTMLファイルに埋め込む
  • IRCチャンネルへの参加
  • FTPサイトへのログイン
  • UDPフラッドやSYNフラッド、Slowloris攻撃の実行
  • 「Reverse Socks4」プロキシサーバの実行
  • インスタントメッセンジャ「MSNメッセンジャー」のメッセージの送信
  • ログイン認証情報の収集
  • 自身の更新
  • Webサイトの閲覧
  • 以下のシステムファイルの変更
    • ipconfig.exe
    • verclsid.exe
    • regedit.exe
    • rundll32.exe
    • cmd.exe
    • regsvr32.exe

ワームは、ユーザが以下の文字列を含むWebサイトへアクセスすることを妨害します。

  • avast.
  • avira.
  • bitdefender.
  • bullguard.
  • clamav.
  • comodo.
  • emsisoft.
  • eset.
  • f-secure.
  • fortinet.
  • garyshood.
  • gdatasoftware.
  • heck.tc
  • iseclab.
  • jotti.
  • kaspersky.
  • lavasoft.
  • malwarebytes.
  • mcafee.
  • norman.
  • norton.
  • novirusthanks.
  • onecare.live.
  • onlinemalwarescanner.
  • pandasecurity.
  • precisesecurity.
  • sophos.
  • sunbeltsoftware.
  • symantec
  • threatexpert.
  • trendmicro.
  • virscan.
  • virus.
  • virusbuster.nprotect.
  • viruschief.
  • virustotal.
  • webroot.

ワームは、自身を隠ぺいしたり、自身の不正活動を実行したりするために以下のAPIをフックします。

  • CopyFileA
  • CopyFileW
  • CreateFileA
  • CreateFileW
  • DeleteFileA
  • DeleteFileW
  • DnsQuery_A
  • DnsQuery_W
  • GetAddrInfoW
  • HttpSendRequestA
  • HttpSendRequestW
  • InternetWriteFile
  • LdrEnumerateLoadedModules
  • LdrGetDllHandle
  • LdrGetProcedureAddress
  • LdrLoadDll
  • MoveFileA
  • MoveFileW
  • NtEnumerateValueKey
  • NtQueryDirectoryFile
  • NtQueryInformationProcess
  • NtQueryInformationThread
  • NtQuerySystemInformation
  • NtQueryVirtualMemory
  • PR_Write
  • RegCreateKeyExA
  • RegCreateKeyExW
  • RtlAnsiStringToUnicodeString
  • URLDownloadToFileA
  • URLDownloadToFileW

ワームは、リムーバブルドライブ内の自身のコピーへのショートカットファイルを作成します。作成されたショートカットファイルは、リムーバブルドライブ内のフォルダ名をファイル名として利用します。そして既存のフォルダを隠しファイルの属性に設定することで、作成したリンクファイルがクリックされるように誘導します。


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
初回 VSAPI パターンバージョン 8.298.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2011年7月19日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「WORM_DORKBOT.KK」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {malware file name} = "%User Profile%\Application Data\{malware file name}.exe"

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {drive letter}:\RECYCLER

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {drive letter}:\{folder name}.lnk

手順 7

「WORM_DORKBOT.KK」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
[AutoRun]
;{garbage characters}
shellexecute=RECYCLER\{malware file name}.exe
;{garbage characters}
icon=shell32.dll,7
;{garbage characters}
shell\open\command=RECYCLER\{malware file name}.exe
;{garbage characters}
action=Open folder to view files
;{garbage characters}
shell\explore\command=RECYCLER\{malware file name}.exe
;{garbage characters}
useautoplay=1

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_DORKBOT.KK」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

Attrib コマンドを使用したファイル属性の変更

手順1,コマンドプロンプトを起動します。

  • Windows 2000 および Windows XP、Windows Server 2003の場合
    [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。「cmd」と入力し、Enter キーを押します。
  • Windows Vista および Windows 7の場合
    [スタート] ボタンをクリックします。インプットボックスを開き、「cmd」と入力し、Enter キーを押します。

手順2,コンソールウィンドウに以下を入力します。

ATTRIB [+R | -R] [+A | -A ] [+S | -S] [+H | -H] [+I | -I][ドライブ:][パス][ファイル名] [/S [/D] [/L]]


註)
+:属性を設定する
-:属性を解除する
R:読み取り専用属性
A:アーカイブ属性
S:システムファイル属性
H:隠しファイル属性
I:非インデックス対象ファイル属性
[ドライブ:][パス][ファイル名]:attrib で処理するファイルを指定する
/S:現在のフォルダーとすべてのサブフォルダーの一致するファイルを処理する
/D:フォルダも処理する
/L:Symbolic Link のターゲットに対する Symbolic Linkの属性で動作する

コマンド例)
ATTRIB –H D:\* /S /D
[Dドライブ内のサブフォルダを含むすべてのファイルおよびフォルダの隠しファイル属性を解除する]

手順3,他のドライブやディレクトリ内のフォルダおよびファイルに対して、この「Attrib コマンドを使用したファイル属性の変更」の手順2を繰り返してください。


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