Trend Micro Security

WORM_DORKBOT.JBR

2012年11月20日
 解析者: Jaime Benigno Reyes   

 別名:

Trojan:Win32/Klibot.A (Microsoft), Generic.dx!bcvz (McAfee), Virus.Win32.CeeInject (Ikarus)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 リムーバブルドライブを介した感染活動, 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード, インスタントメッセンジャ(IM)を介した感染活動

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、実行後、自身を削除します。 ワームは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

ワームは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。


  詳細

ファイルサイズ 90,112 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年10月31日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動, 情報収集

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Profile%\Application Data\{random file name}.exe

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

ワームは、実行後、自身を削除します。

ワームは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Adobe Reader Speed Launcher = "%User Profile%\Application Data\{malware file name}.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Adobe Reader Speed Launcher = "%User Profile%\Application Data\{malware file name}.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Adobe Reader Speed Launcher = "%User Profile%\Application Data\{malware file name}.exe"

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下のフォルダを作成します。

  • {drive letter}:\AdobeReader

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {drive letter}:\AdobeReader\DSCI4930.jpg

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

上記INFファイルには、以下の文字列が含まれています。

;{garbage}
[autorun]
;{garbage}
action=Open folder to view files
;{garbage}
icon=shell32.dll,4
;{garbage}
open=AdobeReader\DSCI4930.jpg
;{garbage}
shell\Explore=Explore
;{garbage}
shell\Explore\command=AdobeReader\DSCI4930.jpg
;{garbage}
shell=Explore
;{garbage}
UseAutoPlay=1
;{garbage}

ワームは、以下のインスタントメッセンジャ(IM)を用いて、メッセージを送信します。このメッセージにはリンクが含まれており、リンク先のリモートサイトには、自身のコピーが組み込まれています。

  • Digsby
  • Mirc
  • MSN Messenger
  • Pidgin
  • Trillian
  • Windows Live Messenger
  • Windows Messenger
  • Xchat

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Update itself
  • Download other files
  • Perfrom Slowloris, UDP, and SYN flooding
  • Send MSN Messenger messages
  • Insert iframe tags into HTML files
  • Visit a Web page
  • Create processes
  • Block DNS
  • Redirect domains
  • Steal login credentials
  • Log in to FTP sites

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}o.{BLOCKED}ky.org/ngrs/gate.php
  • {BLOCKED}o.{BLOCKED}strz.org/ngrs/gate.php


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.510.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年11月6日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.511.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年11月7日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Adobe Reader Speed Launcher = "%User Profile%\Application Data\{malware file name}.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Adobe Reader Speed Launcher = "%User Profile%\Application Data\{malware file name}.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • Adobe Reader Speed Launcher = "%User Profile%\Application Data\{malware file name}.exe"

手順 4

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {removable drive letter}:\AdobeReader

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {removable drive letter}:\{folder name}.lnk

手順 6

「WORM_DORKBOT.JBR」が作成した AUTORUN.INF を検索し削除します。このファイルには、以下の文字列が含まれています。

[ 詳細 ]
  • ;{garbage}
  • [autorun]
  • ;{garbage}
  • action=Open folder to view files
  • ;{garbage}
  • icon=shell32.dll,4
  • ;{garbage}
  • open=AdobeReader\DSCI4930.jpg
  • ;{garbage}
  • shell\Explore=Explore
  • ;{garbage}
  • shell\Explore\command=AdobeReader\DSCI4930.jpg
  • ;{garbage}
  • shell=Explore
  • ;{garbage}
  • UseAutoPlay=1
  • ;{garbage}

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_DORKBOT.JBR」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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