Trend Micro Security

WORM_DISTTRACK.C

2017年1月23日
 解析者: RonJay Kristoffer Caragay   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: はい
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 共有ネットワークフォルダを介した感染活動, インターネットからのダウンロード

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。

ワームは、作成されたファイルを実行します。


  詳細

ファイルサイズ 1,349,632 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2016年11月19日
ペイロード ハードディスクの破損, ファイルの削除

侵入方法

ワームは、ネットワーク共有フォルダを経由してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %System%\ntssrvr32.exe

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

ワームは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %Temp%\key8854321.pub ← contains Public Key

(註:%Temp%フォルダは、一時的にファイルが保存されるフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、 "C:\Windows\Temp" です。.)

ワームは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %System%\netinit.exe ← detected as TROJ_DISTTRACK.C; used to Report Infection
  • %System%\{random filename}.exe ← detected as TROJ_WIPMBR.C; used to wipe MBR
      where {random filename} is any of the following:
    • caclsrv
    • certutl
    • clean
    • ctrl
    • dfrag
    • dnslookup
    • dvdquery
    • event
    • findfile
    • gpget
    • ipsecure
    • iissrv
    • msinit
    • ntfrsutil
    • ntdsutl
    • power
    • rdsadmin
    • regsys
    • sigver
    • routeman
    • rrasrv
    • sacses
    • sfmsc
    • smbinit
    • wcscript
    • ntnw
    • netx
    • fsutl
    • extract

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

ワームは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。

感染活動

ワームは、以下の共有フォルダ内に自身のコピーを作成します。

  • ADMIN$
  • C$\WINDOWS
  • D$\WINDOWS
  • E$\WINDOWS

作成活動

ワームは、作成されたファイルを実行します。

その他

ワームは、以下のサービスを追加し、実行します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\NtsSrv
Start = "2"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\NtsSrv
ImagePath = "%System%\ntssrvr32.exe LocalService" or "{malware path and filename} LocalService"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\NtsSrv
DisplayName = "Microsoft Network Realtime Inspection Service"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\NtsSrv
DependOnService = "RpcSs"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\NtsSrv
DependOnGroup = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\NtsSrv
ObjectName = "LocalSystem"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\NtsSrv
Description = "Helps guard against time change attempts targeting known and newly discovered vulnerabilities in network time protocols"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\LanmanWorkstation
DependOnGroup = ""

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\LanmanWorkstation
DependOnService = NtsSrv


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 12.906.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2016年11月18日
VSAPI OPR パターンバージョン 12.907.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2016年11月19日

手順 2

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

この「WORM_DISTTRACK.C」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)

     
    • TROJ_DISTTRACK.C
    • TROJ_WIPMBR.C

手順 6

以下のレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • NtsSrv

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Temp%\key8854321.pub

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「WORM_DISTTRACK.C」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 9

以下のレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\LanmanWorkstation
    • DependOnGroup = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\LanmanWorkstation
    • DependOnService = NtsSrv


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください

関連マルウェア