Trend Micro Security

Worm.Win32.WANNACRY.RGN

2024年5月3日
 解析者: John Rainier Navato   

 別名:

Trojan.Ransom.WannaCryptor.H (BITDEFENDER)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要


感染経路 ソフトウェアの脆弱性を利用した感染活動

ワームは、バックドア活動の機能を備えていません。

ワームは、作成されたファイルを実行します。

ワームは、情報収集する機能を備えていません。

ワームは、特定の脆弱性を利用した感染活動を実行します。


  詳細

ファイルサイズ 3,723,264 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2024年4月29日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの実行

侵入方法

ワームは、以下の方法でコンピュータに侵入します。

自動実行方法

ワームは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.0
Type = "16"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.0
Start = "2"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.0
ErrorControl = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.0
ImagePath = "{initial malware file path} -m security"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.0
DisplayName = "Microsoft Security Center (2.0) Service"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.0
ObjectName = "LocalSystem"

ワームは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\mssecsvc2.0

ワームは、以下のサービスを開始します。

  • Service Name: mssecsvc2.0
    Display Name: Microsoft Security Center (2.0) Service
    Path to Executable: "{Initial Malware File Path} -m security"

バックドア活動

ワームは、バックドア活動の機能を備えていません。

ルートキット機能

ワームは、ルートキット機能を備えていません。

作成活動

ワームは、以下のファイルを作成します。

ワームは、作成されたファイルを実行します。

情報漏えい

ワームは、情報収集する機能を備えていません。

その他

ワームは、以下を実行します。

  • It connects to http://www.{BLOCKED}sodp9ifjaposdfjhgosurijfaewrwergwea.com. It is initially used as a kill switch for infection, however on this variant, it will still continue with its routine regardless of the connection.
  • It scans the following to check for open port 445:
    • Local Area Network
    • Randomly-generated IP addresses over the Internet
  • If it finds a host on the Local Area Network or the Internet with open port 445, it will attempt to exploit MS17-010 vulnerability to drop and execute a copy of itself to the remote host.
  • It uses the following file path for its dropped copies on the remote hosts.
    • %Windows%\mssecsvc.exe
  • It checks for the presence of the file %Windows%\tasksche.exe. If the file exists, it will rename the file using the following name %Windows%\qeriuwjhrf.
  • It executes %Windows%\tasksche.exe with /i parameter.

ワームは、以下の脆弱性を利用して感染活動を実行します。

<補足>
侵入方法

ワームは、以下の方法でコンピュータに侵入します。

自動実行方法

ワームは、以下のサービスを開始します。

  • サービス名: mssecsvc2.0
    表示名: Microsoft Security Center (2.0) Service
    実行ファイルへのパス: "{初期のマルウェアファイルパス} -m security"

作成活動

ワームは、以下のファイルを作成します。

ワームは、作成されたファイルを実行します。

その他

ワームは、以下を実行します。

  • 下記URLに接続します。当初、この通信は感染活動のキルスイッチに使用されていましたが、本亜種は、通信結果に関わらず自身の不正活動を続行します。
    • http://www.{BLOCKED}sodp9ifjaposdfjhgosurijfaewrwergwea.com
  • 下記を対象としてポート番号445を開放しているホストを検索します。
    • ローカル・エリア・ネットワーク
    • インターネット上でランダムに生成されたIPアドレス
  • ローカル・エリア・ネットワークまたはインターネット上でポート番号445を開放しているホストを発見した場合、脆弱性「MS17-010」を突いて、自身のコピーを当該ホストに作成し実行を試みます。
  • リモートホストの下記ファイルパスに自身のコピーを作成します。
    • %Windows%\mssecsvc.exe
  • %Windows%\tasksche.exe」のファイルが存在するか確認します。存在する場合、ファイル名を「%Windows%\qeriuwjhrf」に改称します。
  • パラメータ「/i」を指定して「%Windows%\tasksche.exe」を実行します。

ワームは、以下の脆弱性を利用して感染活動を実行します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 19.316.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2024年5月3日
VSAPI OPR パターンバージョン 19.317.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2024年5月4日

手順 1

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「Worm.Win32.WANNACRY.RGN」 が作成またはダウンロードした不正なファイルを削除します。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このマルウェアのサービスを無効にします。

[ 詳細 ]
    • mssecsvc2.0

手順 6

不明なレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services
    • mssecsvc2.0

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Windows%\tasksche.exe
  • %Windows%\mssecsvc.exe

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Worm.Win32.WANNACRY.RGN」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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