Trend Micro Security

Worm.VBS.AUTORUN.BKL

2019年6月27日
 解析者: John Donnie Celestre   

 別名:

Worm:VBS/Autorun.T (MICROSOFT); VBS/AutoRun.BQ worm (NOD32)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要


ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。


  詳細

ファイルサイズ 8,432 bytes
タイプ VBS
メモリ常駐 はい
発見日 2019年6月27日

侵入方法

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Windows%\:Microsoft Office Update for Windows XP.sys
  • %User Profile%\Documents\database.mdb

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.. %User Profile%フォルダは、現在ログオンしているユーザのプロファイルフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>" です。)

ワームは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\auto.exe
  • %User Temp%\rad{5 random chars}.tmp
  • %User Temp%\v.doc
  • %User Temp%\Yuyun.Q

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Explorer = Wscript.exe //e:VBScript "%User Profile%\Documents\database.mdb"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
WinUpdate = Wscript.exe //e:VBScript "%Windows%\:Microsoft Office Update for Windows XP.sys"

他のシステム変更

ワームは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableRegistrytools = 1

感染活動

ワームは、すべての物理ドライブおよびリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • Thumbs.db

ワームは、ユーザが感染コンピュータ上のドライブへアクセスすると自身のコピーが自動実行するように、"AUTORUN.INF" を作成します。

マルウェアは、感染コンピュータ上にフォルダやファイルに偽装したショートカットファイル(拡張子「LNK」)を作成して自身のコピーへ誘導します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.200.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年6月27日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.201.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年6月28日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Explorer = Wscript.exe //e:VBScript "%User Profile%\Documents\database.mdb"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • WinUpdate = Wscript.exe //e:VBScript "%Windows%\:Microsoft Office Update for Windows XP.sys"

手順 5

不明なレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{11111111-2222-3333-4444-555555555555}
    • Yuyun_Cantix
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{11111111-2222-3333-4444-555555555555}\DefaultIcon
    • shell32.dll,48
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{11111111-2222-3333-4444-555555555555}\ShellFolder\Attributes
    • 0
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\explorer\Desktop\NameSpace\{11111111-2222-3333-4444-555555555555}
    • ""

手順 6

レジストリエディタおよびタスクマネージャ、フォルダオプションの機能を有効にします。

[ 詳細 ]
この手順により、このワームが無効にした他のアプリケーションまたはプログラムの機能も有効になります。

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\auto.exe
  • %User Temp%\rad{5 random chars}.tmp
  • %User Temp%\v.doc
  • %User Temp%\Yuyun.Q
  • %Windows%\:Microsoft Office Update for Windows XP.sys
  • %User Profile%\Documents\database.mdb
  • {Infected Folder Path}\\Baca AQ.rtf
  • {Infected Folder Path}\\My name is Yuyun.rtf

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「Worm.VBS.AUTORUN.BKL」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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