Trend Micro Security

VBS_JENXCUS.MJN

2015年7月2日
 解析者: Donald Adrian Castillo   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 物理ドライブまたはリムーバブルドライブ経由による侵入, インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。 ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

ワームは、不正リモートユーザからリモートで受信する特定のコマンドを実行します。これにより、感染コンピュータおよび同コンピュータ上の情報は危険にさらされることとなります。

ワームは、感染コンピュータから特定の情報を収集します。


  詳細

ファイルサイズ 70, 619 bytes
タイプ VBS
メモリ常駐 はい
発見日 2015年6月27日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システム情報の収集

侵入方法

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\{Malware Filename}.vbs
  • %User Startup%\{Malware Filename}.vbs

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.. %User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Malware Filename} = "wscript.exe //B %Appication Data%\{Malware Filename}.vbs""

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Malware Filename} = "wscript.exe //B %Appication Data%\{Malware Filename}.vbs""

ワームは、Windows起動時に自動実行されるよう<スタートアップ>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\{Malware Filename}.vbs

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)

他のシステム変更

ワームは、インストールの過程で、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Malware Filename}
(Default) = "{"true" or "false"} - {Installation Date}"

感染活動

ワームは、すべてのリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • {Removable Drive Letter}:\{Malware Filename}.vbs

バックドア活動

ワームは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • excecute - executes file
  • update - update and restart itself
  • uninstall - uninstall itself
  • send - download and run a file from C&C server
  • site-send - download and run a file
  • recv - send a file to C&C server
  • enum-driver - send list of drives
  • enum-faf - enumerate folders and files contained in a directory
  • enum-process - list running processes, its corresponding process ID and its location
  • cmd-shell - perform remote shell
  • delete - delete files and folders
  • exit-process - terminates process
  • sleep - sleeps process

ワームは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • http://mse3.{BLOCKED}ties.com:1003/is-ready
  • http://mse3.{BLOCKED}ties.com:1003/is-sending
  • http://mse3.{BLOCKED}ties.com:1003/is-recving

情報漏えい

ワームは、感染コンピュータから以下の情報を収集します。

  • Volume serial number of logical drives
  • Antivirus products installed
  • Current user name
  • Computer name
  • OS version


  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 11.754.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年6月26日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.755.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年6月26日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「VBS_JENXCUS.MJN」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Malware Filename}
    • (Default) = "{"true" or "false"} - {Installation Date}"

手順 6

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {Malware Filename} = "wscript.exe //B %Appication Data%\{Malware Filename}.vbs""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {Malware Filename} = "wscript.exe //B %Appication Data%\{Malware Filename}.vbs""

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{Malware Filename}.vbs
  • %User Startup%\{Malware Filename}.vbs
  • {Removable Drive Letter}:\{Malware Filename}.vbs
  • {Removable Drive Letter}:\{Filename or Folder name}.LNK

手順 8

  1. コマンドプロンプトを起動します。
    • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:
      [スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、cmd と入力し、Enter を押します。
    • Windows Vista、7、Server 2008 の場合:
      [スタート]をクリックし、検索入力欄に cmd と入力し、Enter を押します。
    • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
      [スタート]-[プログラムとファイルの検索]に cmd と入力し、Enter を押します。画面の左下隅を右クリックし、[コマンド プロンプト]を選択します。
      cmd は半角英数字で入力する必要があります(大文字/小文字は区別されません)。
  2. コンソールウィンドウに以下を入力します。
  3. ATTRIB [+R | -R] [+A | -A ] [+S | -S] [+H | -H] [+I | -I] [ドライブ:][パス][ファイル名] [/S [/D] [/L]]

    各コマンドの意味は以下のとおりです。
    +:属性の設定
    -:属性の解除
    R:読み取り専用属性
    A:アーカイブ属性
    S:システムファイル属性
    H:隠しファイル属性
    I:非インデックス対象ファイル属性
    [drive:][path][filename]
    [ドライブ:][パス][ファイル名]:attribで処理するファイルの指定
    /S:現在のフォルダとすべてのサブフォルダ内で一致するファイルの処理
    /D:フォルダも処理
    /L:Symbolic Link(シンボリックリンク)のターゲットに対するシンボリックリンク属性での動作

    コマンド例:
    Dドライブ内のサブフォルダを含むすべてのフォルダおよびファイルの隠しファイル属性を解除する場合。
    • ATTRIB -H D:\* /S /D
  4. 他のドライブやディレクトリ内のフォルダおよびファイルに対して、手順 3.)を繰り返してください。

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「VBS_JENXCUS.MJN」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください