Trend Micro Security

VBS_GROUCH.A

2012年10月8日
 解析者: Karl Dominguez   
 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: ワーム
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 リムーバブルドライブを介した感染活動, Ｅメールを介した感染活動

ワームは、大量送信されたスパムメールに添付されて、コンピュータに侵入します。 ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、Ｅメールのキャッシュ、アドレス帳および受信箱から特定のＥメールアドレスを収集します。

  詳細

ファイルサイズ 23,004 bytes
タイプ VBS
メモリ常駐 はい
発見日 2003年3月13日
ペイロード ファイルの変更

侵入方法

ワームは、大量送信されたスパムメールに添付されて、コンピュータに侵入します。

ワームは、リムーバブルドライブを介してコンピュータに侵入します。

ワームは、ネットワーク共有フォルダを経由してコンピュータに侵入します。

インストール

ワームは、以下のファイルを作成します。

  • %System%\WinGrc32.dll - detected as WM_GROUCH.A

(註：%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

ワームは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\MSGrc32.vbs
  • %System%\SiteLinks.vbs
  • %System%\Readme.vbs
  • %System%\Mp3Sites.vbs
  • %System%\{random characters}.vbs
  • %Startup%\{random characters}.vbs

(註：%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

自動実行方法

ワームは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
MSGrc32 = Wscript.exe %System%\MSGrc32.vbs %1

他のシステム変更

ワームは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Zed/[rRlf]\
Grouch\1.0
RndCopy = {file name of copy in %Startup% folder}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Zed/[rRlf]\
Grouch\1.0\NormalTemplate
(Default) = {day of infection}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Office\{Application Version}\Word\
Security
Level = 1

HKEY_CURRENT_USER\Software\Zed/[rRlf]\
Grouch\1.0
(Default) = VBS/Grouch by Zed/[rRlf]

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Office\{Application Version}\Word\
Security
AccessVBOM = 1

ワームは、インストールの過程で、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Zed/[rRlf]

HKEY_CURRENT_USER\Software\Zed/[rRlf]\
Grouch

HKEY_CURRENT_USER\Software\Zed/[rRlf]\
Grouch\1.0

HKEY_CURRENT_USER\Software\Zed/[rRlf]\
Grouch\1.0\NormalTemplate

HKEY_CURRENT_USER\Software\Zed/[rRlf]\
Grouch\1.0\Outlook

HKEY_CURRENT_USER\Software\Zed/[rRlf]\
Grouch\1.0\Outlook\
RecordContacts

感染活動

ワームは、ピアツーピア（P2P）ネットワーク上で使用される以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。

  • %Program files%\Kazaa\My Shared Folder
  • C:\Kazaa\My Shared Folder
  • C:\My Downloads
  • %Program files%\KaZaA Lite\My Shared Folder
  • %Program files%\Bearshare\Shared
  • %Program files%\Edonkey2000
  • %Program files%\Morpheus\My Shared Folder
  • %Program files%\Grokster\My Grokster
  • %Program files%\ICQ\Shared Files

ワームは、すべての物理ドライブおよびリムーバブルドライブ内に以下として自身のコピーを作成します。

  • [drive]:\Saved Document (day of execution}.vbs

ワームは、Ｅメールのキャッシュ、アドレス帳および受信箱から特定のＥメールアドレスを収集します。

マルウェアは、P2Pのネットワークに使用される以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。

マルウェアは、P2Pフォルダに作成した自身のコピーに以下のファイル名を使用します。

  • 1000 Porn Sites.vbs
  • Hacking made easy.vbs
  • How to make a virus.vbs
  • Hot Links.vbs
  • How to make a bomb.vbs
  • Email Propagation

マルウェアは、Eメールのキャッシュ、アドレス帳および受信箱からEメールアドレスを収集します。

マルウェアは、Microsoft Outlookのアドレス帳で確認した宛先に、自身のコピーを添付した下記内容のメールを送信して感染活動を行います。

件名: Check this out
本文: Check out these web links, I know you like these sites! ;)
添付ファイル: SiteLinks.vbs


件名: The File
本文: Hello, Here is that file that everyone was asking me for. Don't let anyone else see i
t, please, because it contains some pretty naughty stuff ;)
添付ファイル: SiteLinks.vbs


件名: Readme File
本文: Hello, I am running a bit late. Just read the Readme file for more information.
添付ファイル: Readme.vbs

マルウェアは、システムの日付が5月9日の場合は下記の形式のメールを送信します。

件名: Fwd: Free Music!
本文: Hello! Go to these sites that I'm sending to you now. You can get basically any music file or Music video file that you want! Enjoy! ＜コンピュータ名＞
添付ファイル: Mp3Sites.vbs

マルウェアは、送信したメールを削除します。

マルウェアは、すべてのアドレスのリストを以下のレジストリキーに記録します。

キー：
HKEY_CURRENT_USER\Software\Zed/[rRlf]\Grouch\
1.0\Outlook\RecordContacts\

その他

マルウェアは、以下のレジストリキーの存在を確認することで、Microsoft Word の全文書対象のテンプレート "Normal.dot" が既に感染しているかを確認します。

場所：
HKEY_CURRENT_USER\Software\Zed/[rRlf]\Grouch\1.0\NormalTemplate
値：
（既定） = "＜感染日＞"

感染したドキュメントファイルは、トレンドマイクロ製品では、「WM_GROUCH.A」として検出します。

マルウェアは、システムの日付が5月9日の場合、以下のフォルダ内のすべてのファイルを削除します。

  • %Windows%

その際、マルウェアは、以下のメッセージを表示します。


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
初回 VSAPI パターンバージョン 1.483.24
初回 VSAPI パターンリリース日 2003年3月13日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

この「VBS_GROUCH.A」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。

    •  WM_GROUCH.A

手順 3

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告：レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\
    • Zed/rRlf]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告：レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • MSGrc32 = Wscript.exe %System%\MSGrc32.vbs %1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\{Application Version}\Word\Security
    • Level = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\{Application Version}\Word\Security
    • AccessVBOM = 1

手順 5

最新のバージョン（エンジン、パターンファイル）を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「VBS_GROUCH.A」と検出したファイルはすべて削除してください。 註=検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。ただし、念のため、隔離されたファイルを削除してください。詳しくは、こちらをご確認下さい。

手順 6

ファイルをバックアップを用いて修復します。マイクロソフト製品に関連したファイルのみに修復されます。このマルウェアが同社製品以外のプログラムをも削除した場合には、該当プログラムを再度インストールする必要があります。


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