Trend Micro Security

TSPY_ZBOT.YYJR

2014年4月10日
 解析者: Christopher Daniel So   

 別名:

Trojan-Spy.Zbot (Ikarus), Win32/Spy.Zbot.AAU trojan (ESET)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 Eメールを介したスパム活動, インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このスパイウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

スパイウェアは、Starbucksからとされるスパムメッセージに関連しています。

スパイウェアは、大量送信されたスパムメールに添付されて、コンピュータに侵入します。 スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、作成されたファイルを実行します。

スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 434,688 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2014年4月3日
ペイロード ファイルの作成, ファイルのダウンロード

侵入方法

スパイウェアは、大量送信されたスパムメールに添付されて、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Temp%\{random folder}\{random file name}.exe

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Temp%\{random folder}

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成したスパイウェア)を終了し、侵入したコンピュータ内で作成した自身のコピーの方を実行します。

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random string} = "%User Temp%\{random folder}\{random file name}.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random key}

スパイウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile
DisableNotifications = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\
List
8648:UDP = "8648:UDP:*:Enabled:UDP 8648"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\
List
5469:TCP = "5469:TCP:*:Enabled:TCP 5469"

作成活動

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System%\drivers\{random file name 2}.sys - detected by Trend Micro as RTKT_NECURS.BGSG

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

スパイウェアは、作成されたファイルを実行します。

その他

スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。

スパイウェアが作成する以下のファイルは、「RTKT_NECURS.BGSG」として検出します。

  • %System%\drivers\{random file name 2}.sys

スパイウェアは、ランダムに生成されたドメインを含むURLから、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 10.704.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年4月3日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.705.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年4月4日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

この「TSPY_ZBOT.YYJR」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.YYJR」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

不明なレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
    • {random key}

手順 6

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random string} = "%User Temp%\{random folder}\{random file name}.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile
    • DisableNotifications = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\List
    • 8648:UDP = "8648:UDP:*:Enabled:UDP 8648"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\List
    • 5469:TCP = "5469:TCP:*:Enabled:TCP 5469"

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\{random folder}

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.YYJR」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

註:

このスパイウェアがインストールの過程で追加する以下のレジストリキーには、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\{random key}

そのため、ユーザがデータのバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前データと比較することでこのスパイウェアによって追加された{random key}を確認することが可能となります。なお、追加されたキー「{random key}」は、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。


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