Trend Micro Security

TSPY_ZBOT.YUYAED

2015年7月12日
 解析者: RonJay Kristoffer Caragay   
 更新者 : Sammy Chua

 別名:

Trojan:Win32/Bulta!rfn (Microsoft); Trojan-Spy.Win32.Zbot.vobj (Kaspersky); Mal/Zbot-TV (Sophos);

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

スパイウェアは、Internet Explorer(IE)のゾーン設定を変更します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。


  詳細

ファイルサイズ 274,234 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2015年7月9日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\tmp{random}.bat ← use to delete its initially executed copy and this component file itself

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

スパイウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %Application Data%\{random existing folder 2}\{random file name 2}.tmp
  • %Application Data%\{random existing folder 3}\{random file name 3}.{random extension}

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\{random existing folder 1}\{random file name 1}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Local\{GUID}
  • Global\{GUID}

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random file name 1}.exe = "%Application Data%\{random existing folder}\{random file name 1}.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random key}

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings
WarnonBadCertRecving = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings
EnableSPDY3_0 = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Lockdown_Zones\0
1609 = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random key}
{random} = "{hex values}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile
DisableNotifications = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%Windows%\explorer.exe = %Windows%\explorer.exe:Enabled:Windows Explorer

感染活動

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

スパイウェアは、IEのゾーン設定を変更します。

ダウンロード活動

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスして自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • {BLOCKED}y.su/anime.jpg
  • {BLOCKED}p.su/girls.jpg

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • yandex.ru

スパイウェアが作成する以下のファイルは、最初に実行されたコピーおよび自身のコンポーネントファイルを削除するために利用されるファイルです。

  • %User Temp%\tmp{random}.bat

スパイウェアは、1つ以上の以下のレジストリキーを追加する可能性があります。スパイウェアは、"%SystemRoot%\myapp.exe"がコンピュータ内に存在する場合は、自身を終了します。

  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\{random key}

環境設定ファイルに含まれる情報は、以下のとおりです。

  • 自身のコピーの更新版をダウンロードするURL
  • スパイウェアが収集した情報の送信先URL
  • 情報の収集元となる対象とするオンライン銀行や金融関連WebサイトのURL

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 11.734.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年6月16日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.735.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年6月17日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random file name 1}.exe = "%Application Data%\{random existing folder}\{random file name 1}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • WarnonBadCertRecving = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • EnableSPDY3_0 = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Lockdown_Zones\0
    • 1609 = "0"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\{random key}
    • {random} = "{hex values}"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile
    • DisableNotifications = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %Windows%\explorer.exe = %Windows%\explorer.exe:Enabled:Windows Explorer

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\tmp{random}.bat

手順 6

Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.YUYAED」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

インストールの過程で追加された以下のファイル/フォルダ/レジストリキーや値には、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。そのため、ユーザがシステム情報のバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前のデータと比較することで追加されたファイル/フォルダ/レジストリキーや値を確認することが可能となります。なお、追加されたコンポーネントは、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。

  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\{random key}
    • {random} = "{random values}"
  • %Application Data%\{random existing folder 2}\{random file name 2}.tmp
  • %Application Data%\{random existing folder 3}\{random file name 3}.{random extension}


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