Trend Micro Security

TSPY_ZBOT.US

2013年10月11日
 解析者: Alvin Bacani   

 別名:

VirTool:Win32/DelfInject.gen!AC (Microsoft); Trojan-Spy.Win32.Zbot.dwu (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要


スパイウェアは、ルートキット機能を備えており、自身に関連したプロセスおよびファイルを隠匿し、ユーザによる検出および削除を避けます。


  詳細

ファイルサイズ 397,312 bytes
メモリ常駐 はい
発見日 2009年4月7日
ペイロード 情報収集

感染ポイント

スパイウェアは、以下のWebサイトからダウンロードされたファイルとして、コンピュータに侵入します。

  • http://www.{BLOCKED}ad.info/ldrzif2.exe

インストール

スパイウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %System%\wsnpoem\audio.dll - used to save the gathered information
  • %System%\wsnpoem\video.dll - copy of the encrypted downloaded file

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • winlogon.exe
  • svchost.exe

スパイウェアは、以下のフォルダの属性をシステムフォルダおよび隠しフォルダに設定します。これにより、自身のコンポーネントの検出および削除を避けます。

  • %System%\wsnpoem

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • __SYSTEM__91C38905__

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\ CurrentVersion\Winlogon
Userinit = %System%\Userinit.exe,%System%\ntos.exe,

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"%System%\Userinit.exe,"」となります。)

他のシステム変更

スパイウェアは、インストールの過程で以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Network
UID = {computer name}_{random numbers}

ルートキット機能

スパイウェアは、ルートキット機能を備えており、自身に関連したプロセスおよびファイルを隠匿し、ユーザによる検出および削除を避けます。

情報漏えい

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://www.{BLOCKED}ad.info/cfgzif2.bin

環境設定ファイルは、以下の情報を含んでいます。

  • URL to download an updated copy of itself
  • URL to send stolen data
  • list of targeted bank-related Web sites to monitor from which it steals information

情報収集

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://www.{BLOCKED}ad.info/z2/s.php


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
VSAPI OPR パターンバージョン 5.883.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2009年4月7日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.US」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

回復コンソールを使用して、TSPY_ZBOT.US として検出されるファイルを確認し、削除します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Network
    • UID = {computer name}_{random numbers}

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\ CurrentVersion\Winlogon
    • From: Userinit = %System%\Userinit.exe,%System%\ntos.exe,
      To: Userinit = %System%\Userinit.exe,

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System%\wsnpoem

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.US」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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