Trend Micro Security

TSPY_ZBOT.TRW

2012年10月9日
 解析者: Cris Nowell Pantanilla   
 更新者 : Karl Dominguez

 別名:

Symantec: Trojan.Zbot ; Kaspersky: Trojan-Spy.Win32.Zbot.boag ; Mcafee: W32/Pinkslipbot.gen.ae

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要


スパイウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。 スパイウェアは、特定の銀行および金融機関のWebサイトで利用されるユーザ名やパスワードなどの個人情報を収集します。


  詳細

ファイルサイズ 173,568 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年5月23日

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

感染ポイント

スパイウェアは、以下のWebサイトからダウンロードされたファイルとして、コンピュータに侵入します。

  • http://{BLOCKED}og.ru/official6.exe

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\{random1}\{random}.exe - copy of itself
  • %Application Data%\{random2}\{random}.{random} - contains encrypted stolen data

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\{random1}
  • %Application Data%\{random2}

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • All processes

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{GUID of mount point of %Windows%} = %Application Data%\{random1}\{malware filename}.exe

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random}

スパイウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%Windows%\explorer.exe = %Windows%\explorer.exe:*:Enabled:Windows Explorer

情報漏えい

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}eet.ru/offline8.bin
  • http://{BLOCKED}m.ru/hutaroma.bin
  • http://{BLOCKED}oney.ru/tuvikola.bin
  • http://{BLOCKED}rush.ru/butsumin.bin
  • http://www.{BLOCKED}pt2.ru/qolored.bin
  • http://www.{BLOCKED}tomexixo.ru/vimedcer.bin

スパイウェアは、以下のWebサイトを対象とします。

  • https://*/todo/ping.php*
  • @*//www.svbconnect.com/security/challengeVerify.do
  • @*//ultrabranch.alaskausa.org/efs/servlet/efs/*password*
  • @*//ktt.key.com/ktt/cmd/validatePinForm
  • @*//ktt.key.com/ktt/cmd/logonFromKeyCom
  • @*ingdirect.com*
  • https://*secure.hsbcnet.com/*AUTH*
  • https://ibanka.seb.lv/ipc/login_ub*
  • https://i*.baltikums.*/stream.Baltikums*
  • https://www.commercial.hsbc.com.hk/1/2/!ut/p/kcxml/*
  • https://www.almubasher.com.sa/NewECorporate/p/login*
  • https://www*sampopank*/ibank/login*
  • https://i.rietumu.lv/*/login*
  • https://www.rbworld.lv/*
  • https://s2b.standardchartered.com/css/en/content.css
  • https://www.rbworld.lv/bankworld/*/LoginBrowser/login*
  • https://www.ab.lv/*
  • https://ebank.laiki.com/CommonUI/eBankBusinessUI/eBankingTransactions*
  • https://ebank.laiki.com/commonui/ebankcommonui/logonto.aspx
  • https://*bankofcyprus.com/*

スパイウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • Silicon Valley Bank
  • Alaska USA Federal Credit Union
  • KeyBank
  • ING Direct
  • HSBC
  • Ibanka
  • Baltikums Banka
  • Al Mubasher
  • Sampo Pank
  • Rietumu Banka
  • Rietumu BankWorld
  • Standard Chartered Bank
  • ABLV Bank
  • Marfin Laiki Bank
  • Bank of Cyprus

情報収集

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://{BLOCKED}ack.ru/ping32.php


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
初回 VSAPI パターンバージョン 8.174.01
初回 VSAPI パターンリリース日 2011年5月23日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.TRW」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
    • {random}

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {GUID of mount point of %Windows%} = %Application Data%\{random1}\{malware filename}.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %Windows%\explorer.exe = %Windows%\explorer.exe:*:Enabled:Windows Explorer

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
%Application Data%\{random1} 
%Application Data%\{random2}

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.TRW」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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