Trend Micro Security

TSPY_ZBOT.THOIBDAI

2018年10月1日
 解析者: Augusto II Remillano   

 別名:

Win32/Zbot

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

スパイウェアは、感染コンピュータや感染ユーザから特定の情報を収集します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。 スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 345,600 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2018年9月19日
ペイロード ファイルの作成, URLまたはIPアドレスに接続, システムのレジストリの変更, 情報収集, システム情報の収集, ファイルのダウンロード, ファイルの実行

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{second deepest directory path}\{random filename}

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Local\{GUID}
  • Global\{GUID}

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random registry key name}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\PhishingFilter

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\PhishingFilter
EnabledV8 = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings
WarnonBadCertRecving = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings
EnableSPDY3_0 = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random registry key name}
{random registry entry name} = "{hex value}"

作成活動

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\tmp{random}.bat - Used to delete initially executed copy of itself
  • %Application Data%\{deepest directory path}\{random filename 1}.{random file extension 1}
  • %Application Data%\{deepest directory path}\{random filename 2}.{random file extension 2}

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

情報漏えい

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}y.su/anime.jpg
  • http://{BLOCKED}p.su/girls.jpg

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • Data on cookie files (URLs)
  • Email-related information such as account names, email addresses, passwords, server data, and server port
  • Email information stored in the user's Windows Address Book (WAB) file
  • Online banking credentials
  • Personal digital certificate

スパイウェアは、上述のFTPクライアントおよびファイルマネージャのいずれかから、以下のアカウント情報を収集します。

  • FAR Manager FTP
  • FTPWare
  • Total Commander

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • http://{BLOCKED}x.ru/

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。

<補足>
インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{2番目に深いディレクトリパス}\{ランダムなファイル名}

作成活動

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\tmp{ランダム}.bat - 最初に実行したコピーを削除するために使用される
  • %Application Data%\{もっとも深いディレクトリのパス}\{ランダムなファイル名 1}.{ランダムなファイル拡張子 1}
  • %Application Data%\{もっとも深いディレクトリのパス}\{ランダムなファイル名 2}.{ランダムなファイル拡張子2}

情報漏えい

スパイウェアが収集する情報は以下のとおりです。

  • Cookie ファイル内のデータ(URL情報)
  • アカウント名やEメールアドレス、パスワード、サーバのデータ、サーバのポートといったEメールに関連する情報
  • ユーザのWindowsアドレス帳ファイル(拡張子WAB)内に保存されているEメール情報
  • オンライン銀行の認証情報
  • 個人用デジタル証明書

その他

スパイウェアは、以下を実行します。

  • 環境設定ファイルの受信
    ※この環境設定ファイルは、自身のコピーの更新版をダウンロードするURLおよび収集された情報の送信先のURLを含む場合があります。また、この環境設定ファイルは、スパイウェアが情報を収集する標的となる、オンライン銀行および金融関連WebサイトのURL情報を含んでいることがあります。なお、環境設定ファイルの内容が変更されれば、監視するWebサイトのリストも変更される可能性があります。
  • スパイウェアが使用するランダムなファイル名(random filename )は、感染コンピュータの%Application Data%ディレクトリにあるファイル名をコピーして名付けられます。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.530.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2018年9月27日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.531.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2018年9月28日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 5

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.THOIBDAI」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 6

インストールの過程で追加された以下のファイル/フォルダ/レジストリキーや値には、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。そのため、ユーザがシステム情報のバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前のデータと比較することで追加されたファイル/フォルダ/レジストリキーや値を確認することが可能となります。なお、追加されたコンポーネントは、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。

  • %Application Data%\{deepest directory path}\{random filename 1}.{random file extension 1}
  • %Application Data%\{deepest directory path}\{random filename 2}.{random file extension 2}
  • %User Temp%\tmp{random}.bat
  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\{random registry key name}
  • HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\{random registry key name}<br>{registry entry name} = "{hex value}"


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