Trend Micro Security

TSPY_ZBOT.SMS

2013年6月12日
 更新者 : Michael Cabel

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。 スパイウェアは、特定の銀行および金融機関のWebサイトで利用されるユーザ名やパスワードなどの個人情報を収集します。

スパイウェアは、銀行または金融関連機関のリストから情報を収集します。

スパイウェアは、"Outpost Personal Firewall" および "ZoneLabs Firewall Client" に関連する以下のプロセスの存在を確認します。

  • outpost.exe
  • zlclient.exe

上記のプロセスのいずれかの存在を確認すると、スパイウェアは、そのプロセスを終了します。これにより、確実に自身を実行します。また、スパイウェアは、ルートキット機能を備えており、ユーザから自身のプロセスとファイルを隠ぺいします。


  詳細

ファイルサイズ 832,000 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2013年4月13日
ペイロード ファイルのダウンロード, プロセスの強制終了, ファイルおよびプロセスの隠ぺい

侵入方法

スパイウェアは、以下のリモートサイトからダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

  • http://{BLOCKED}-info.com/zeus/zeus.exe

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\twex.exe

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

スパイウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %System%\twain32\local.ds - copy of the encrypted downloaded file
  • %System%\twain32\user.ds - used to save the gathered information

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %System%\twain32

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • __SYSTEM__64AD0625__

スパイウェアは、以下のプロセスに自身を組み込み、システムのプロセスに常駐します。

  • SVCHOST.EXE
  • WINLOGON.EXE

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Userinit = "%System%\userinit.exe, %System%\twex.exe,"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"%System%\userinit.exe,"」となります。)

他のシステム変更

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Network
UID = "{Computer name}_{Random numbers}"

スパイウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile
EnableFirewall = 0

情報漏えい

スパイウェアは、感染したコンピュータ上でInternet Explorer(IE)の使用状況を監視します。スパイウェアは、特にIEのアドレスバーまたはタイトルバー情報を監視しますが、ユーザが銀行関連Webサイトを閲覧しそのサイトのアドレスバーまたはタイトルバーに以下の文字列が含まれていた場合、正規Webサイトを装った偽のログインページを作成します。

  • https://banking.*.de/cgi/ueberweisung.cgi/*
  • https://internetbanking.gad.de/banking/*
  • https://www.citibank.de/*/jba/mp#/SubmitRecap.do
  • https://www.vr-networld-ebanking.de/ebanking*Action=*
  • https://finanzportal.fiducia.de/ebanking*Action=*
  • https://finanzportal.fiducia.de/ebbg2/portal?token=*
  • https://onlinebanking.norisbank.de/norisbank/*.do?method=*
  • https://www.dresdner-privat.de/servlet/*
  • https://brokerage.comdirect.de/servlet/*TAN*
  • https://www.telebank.ru/web/front/login.x/*TAN*
  • https://i.bank24.ru/confirm/payment.*TAN*
  • https://www.ipko.pl/ikd*
  • http://feedback.ebay.com/ws/eBayISAPI.dll?ViewFeedback&*
  • https://onlinebanking.norisbank.de/norisbank/login.do?method=login*
  • http://www.caixatarragona.es/esp/sec_20/codigos.html
  • https://www.in-biz.it*
  • https://www.gbw2.it/cbl/jspPages/form_login_AV.jsp*
  • https://www.nwolb.com/help.aspI
  • https://online.wellsfargo.com/signon
  • https://passport.yandex.ru/passport?mode=remember&idkey=0Es1228829227mDuyYAXJl
  • http://help.yandex.ru/passport/?id=990390
  • https://img.yandex.net/i/setup/i-help.gif
  • http://feedback.ebay.com/ws/eBayISAPI.dll?ViewFeedback&*
  • https://onlinebanking.norisbank.de/norisbank/login.do?method=login*

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}-info.com/zeus/cfg.bin

スパイウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • Caixa Tarragona
  • Citibank
  • Comdirect
  • Dresdner
  • Ebay
  • Fiducia
  • GAD
  • IS Bank
  • Natwest
  • Volksbanken Raiffeisenbanken
  • Wells Fargo
  • Yandex

攻撃対象

スパイウェアは、銀行または金融関連機関のリストから情報を収集します。

情報収集

スパイウェアは、以下のファイル内に収集した情報を保存します。

  • %System%\twain32\user.ds

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://{BLOCKED}-info.com/zeus/s.php

その他

スパイウェアは、"Outpost Personal Firewall" および "ZoneLabs Firewall Client" に関連する以下のプロセスの存在を確認します。

  • outpost.exe
  • zlclient.exe

上記のプロセスのいずれかの存在を確認すると、スパイウェアは、そのプロセスを終了します。これにより、確実に自身を実行します。また、スパイウェアは、ルートキット機能を備えており、ユーザから自身のプロセスとファイルを隠ぺいします。

ハッシュ値情報

スパイウェアは、以下のMD5ハッシュ値を含んでいます。

  • 698195c0f8988e3a00963cbbb21e449c
  • bb90e4eeba0251b218c15833ba04ea52

スパイウェアは、以下のSHA1ハッシュ値を含んでいます

  • 00b6baadccee6ef3410f2b4632576e2281a42dec
  • 9b2ea98933a5f5fb6109cd5937ef6b604cd4eeb3


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
初回 VSAPI パターンバージョン 6.492.01
初回 VSAPI パターンリリース日 2009年9月30日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

回復コンソールを使用して、TSPY_ZBOT.SMS として検出されるファイルを確認し、削除します。

[ 詳細 ]

手順 3

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Userinit = %System%\userinit.exe, %System%\twex.exe,
      To: Userinit  = %System%\userinit.exe,

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Network
    • UID = {Computer name}_{Random numbers}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\ Services\SharedAccess\Parameters\ FirewallPolicy\StandardProfile
    • EnableFirewall = 0

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System%\twain32

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.SMS」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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