Trend Micro Security

TSPY_ZBOT.KXV

2013年8月21日
 解析者: Mark Joseph Manahan   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 Eメールを介したスパム活動, インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

スパイウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。 スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、実行後、自身を削除します。 スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

スパイウェアは、ランダムなポートを開きます。

スパイウェアは、Internet Explorer(IE)のゾーン設定を変更します。

スパイウェアは、Webサイトにアクセスし、ファイルをダウンロードします。これにより、感染コンピュータ上に他のマルウェアがダウンロードまたは作成されます。 スパイウェアは、ダウンロードしたファイルを実行します。

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。


  詳細

使用ポート Random, Port 80
ファイルサイズ 215,552 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年7月6日
ペイロード システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Profile%\Application Data\{random folder name 1}\{random file name}.exe

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。)

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Profile%\Application Data\{random folder name 2}\{random file name 2}.{3 random alphabetic character extension name} - encrypted data

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Temp%\tmp{random}
  • %User Profile%\Application Data\{random folder name 1}
  • %User Profile%\Application Data\{random folder name 2}

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。. %User Profile% フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>" です。)

スパイウェアは、実行後、自身を削除します。

スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{GUID} = "%User Profile%\Application Data\{random folder name 1}\{random file name}.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Privacy
CleanCookies = "0"

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Privacy

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random}

スパイウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%Windows%\EXPLORER.EXE = "%Windows%\EXPLORER.EXE:*:Enabled:Windows Explorer"

感染活動

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

スパイウェアは、ランダムなポートを開き、不正リモートユーザが感染コンピュータに接続できるようにします。接続されると、不正リモートユーザは、感染コンピュータ上でのコマンド実行が可能となります。

プロセスの終了

スパイウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • wuauserv - Windows Update AutoUpdate Service
  • wscsvc - Windows Security Center Service

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

スパイウェアは、IEのゾーン設定を変更します。

ダウンロード活動

スパイウェアは、Webサイトにアクセスし、以下のファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}k.nl/foto/{2 random letters}.exe

スパイウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %User Temp%\tmp{random}\{2 random letter}.exe -detected as TROJ_INJECTR.KD

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、ダウンロードしたファイルを実行します。

情報漏えい

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}ion.ru/square.php

その他

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

スパイウェアが作成する以下のファイルは、暗号化されたデータを含みます。

  • %User Profile%\Application Data\<ランダムなフォルダ名2>\<ランダムなファイル名2>.<ランダムなアルファベット3文字の拡張子>

スパイウェアは、感染コンピュータ上で確認した以下のサービスを終了します。

  • wuauserv - Windows Update の自動更新サービス
  • wscsvc - Windows セキュリティ センターのサービス

スパイウェアが保存する以下のファイルは、「TROJ_INJECTR.KD」として検出されます。

  • %User Temp%\tmp<ランダム>\<ランダムな2文字>.exe

スパイウェアは、ルートキット機能を備えていません。

スパイウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 9.240.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年7月6日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.241.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年7月7日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「TSPY_ZBOT.KXV」 が作成またはダウンロードした不正なファイルを削除します。

    • TROJ_INJECTR.KD

手順 3

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.KXV」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer
    • Privacy

手順 6

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {GUID} = "%User Profile%\Application Data\{random folder name 1}\{random file name}.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %Windows%\EXPLORER.EXE = "%Windows%\EXPLORER.EXE:*:Enabled:Windows Explorer"

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Profile%\Application Data\{random folder name 1}
  • %User Profile%\Application Data\{random folder name 2}
  • %User Temp%\tmp{random}

手順 8

Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.KXV」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

註:

このスパイウェアがインストールの過程で追加する以下のレジストリキーには、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\{random}

そのため、ユーザがデータのバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前データと比較することでこのスパイウェアによって追加された{random}を確認することが可能となります。なお、追加されたキー「{random}」は、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。


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