Trend Micro Security

TSPY_ZBOT.HQ

2011年3月3日
 解析者: jasperma   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要


トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。これは、携帯機器向け情報収集型不正プログラム「ZBOT」を利用し、ユーザの携帯機器からショート・メッセージ・サービス(SMS)を収集することでオンライン銀行の二要素認証を回避する不正プログラム「ZBOT」です。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。 スパイウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

スパイウェアは、ランダムにポートを開き、不正リモートユーザが感染コンピュータに接続できるようにします。接続されると、不正リモートユーザは、感染コンピュータ上でのコマンド実行が可能となります。

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。


  詳細

使用ポート Random
ファイルサイズ 122,880 bytes
タイプ PE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年3月2日
ペイロード ファイルのダウンロード, システムセキュリティへの感染活動

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\{random folder name 1}\{random file name}.exe - copy of itself
  • %Application Data%\{random folder name 2}\{random file name} - contains encrypted stolen data

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\{random folder name 1}
  • %Application Data%\{random folder name 2}

(註:%Application Data%フォルダは、 Windows 2000、XP、Server 2003 の場合 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" 、 Windows NTの場合 "C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Application Data"、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Application Data" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

  • ctfmon.exe
  • Dwm.exe
  • explorer.exe
  • rdpclip.exe
  • taskeng.exe
  • taskhost.exe
  • wscntfy.exe

スパイウェアは、プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{GUID} = "%Application Data%\{random folder name 1}\{random file name}.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random characters}

スパイウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%Windows%\EXPLORER.EXE = "%Windows%\EXPLORER.EXE:*:Enabled:Windows Explorer"

バックドア活動

スパイウェアは、ランダムにポートを開き、不正リモートユーザが感染コンピュータ上にアクセスするのを可能にします。接続されると、不正リモートユーザは、感染コンピュータ上でコマンドを実行します。

情報漏えい

スパイウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}snow.ru/ajax.jsp?v=5

マルウェアは、感染コンピュータから以下の情報を収集します。

  • 個人証明書
  • FTP認証情報
  • インターネットのセッションクッキー
  • Flashプレイヤの情報

その他

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

マルウェアは、感染コンピュータのIEの使用状況を監視します。マルウェアは、ユーザがアドレスバーまたはタイトルバーに特定の文字列を含む銀行関連のWebサイトを閲覧した場合、偽のログインページが表示されるWebサイトを作成します。


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
初回 VSAPI パターンバージョン 7.870.01
初回 VSAPI パターンリリース日 2011年3月2日
VSAPI OPR パターンバージョン 7.871.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2011年3月2日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
    • {random characters}

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {GUID} = "%Application Data%\{random folder name 1}\{random file name}.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %Windows%\EXPLORER.EXE = "%Windows%\EXPLORER.EXE:*:Enabled:Windows Explorer"

手順 5

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{random folder name 1}
  • %Application Data%\{random folder name 2}

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.HQ」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_ZBOT.HQ」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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