Trend Micro Security

TSPY_ZBOT.FIFI

2013年5月14日
 解析者: Rika Joi Gregorio   

 別名:

PWS-Zbot-FAZB(McAfee), Win32/Spy.Zbot.AAU trojan(Eset)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成

スパイウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

スパイウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。


  詳細

ファイルサイズ 235,008 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2013年5月9日

侵入方法

スパイウェアは、以下のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

  • TROJ_ARTIEF.FIFI

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{random folder}\{random}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\Microsoft\Address Book\{user name}.wab

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\tmp{random}.bat - Used to delete its initially executed copy (Already detected as BAT_VOBFUS.SM)

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\{random folder}
  • %Application Data%\Microsoft\Address Book

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • Global\{GUID}
  • Local\{GUID}

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{GUID} = "%Application Data%\{random folder}\{random}.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4\Wab File Name

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
{random}
{random} = "{random}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4
OlkContactRefresh = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4
OlkFolderRefresh = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
WAB\WAB4\Wab File Name
(Default) = "%Application Data%\Microsoft\Address Book\{user name}.wab"

スパイウェアは、以下のレジストリ値を作成し、Windowsのファイアウォールを回避します。

bypass firewall HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\
List
21047:UDP = "21047:UDP:*:Enabled:UDP 21047"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\
List
21814:TCP = "21814:TCP:*:Enabled:TCP 21814"

感染活動

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

スパイウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

その他

スパイウェアが作成し実行するファイルは以下のとおりです。

    %User Temp%\tmp{random}.bat - 最初に実行された自身のコピーの削除に利用される(「BAT_VOBFUS.SM」として検出済み)

スパイウェアがダウンロードする環境設定ファイルには、スパイウェアが自身のコピーの更新版ファイルをダウンロードしてくるURLや収集した情報を送信するURLが含まれている 可能性があります。また、この環境設定ファイルには、スパイウェアが情報収集をするために標的とする銀行や金融関連のWebサイトのURLも含まれていることが考えられます。

スパイウェアは、侵入したコンピュータから以下の情報を収集します。

  • Cookieファイル内の情報(URL)
  • Eメールに関連する情報(アカウント名、Eメールアドレス、パスワード、サーバの情報、サーバのポート)
  • ユーザのWindowsアドレス帳ファイル(拡張子WAB)内に保存されたEメールの情報

スパイウェアは、ランダムに生成されたIPアドレスにアクセスします。

スパイウェアは、以下の拡張子を持つランダムなドメイン名にDNSクエリを送信します。

  • .info
  • .com
  • .biz
  • .org
  • .net
  • .ru

スパイウェアは、以下の形式を持つランダムなドメイン名にアクセスします。

  • <擬似乱数の文字列>.<拡張子名>

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.908.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年5月9日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.909.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年5月10日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「TSPY_ZBOT.FIFI」を作成またはダウンロードする不正なファイルを削除します。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
    • {random}
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft
    • WAB

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {GUID} = "%Application Data%\{random folder}\{random}.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\List
    • 21047:UDP = "21047:UDP:*:Enabled:UDP 21047"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\GloballyOpenPorts\List
    • 21814:TCP = "21814:TCP:*:Enabled:TCP 21814"

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{random folder}
  • %Application Data%\Microsoft\Address Book

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\tmp{random}.bat

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_ZBOT.FIFI」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

註:

このスパイウェアがインストールの過程で追加する以下のレジストリキーには、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\{random}

そのため、ユーザがデータのバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前データと比較することでこのスパイウェアによって追加された{random}を確認することが可能となります。なお、追加されたキー「{random}」は、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。


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