Trend Micro Security

TSPY_URSNIF.TIBAIBM

2018年5月29日
 解析者: Johnlery Triunfante   

 別名:

Trojan-Spy.Win32.Ursnif.ynr (Kaspersky); Trojan:Win32/Tiggre!rfn (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 1,008,640 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2018年4月5日
ペイロード ファイルの作成, URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe
    where:
    {string1} = first four letters of a dll file under System directory
    {string2} = last four letters of a dll file under System directory

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\{random folder name}\{random filename}.bat ← used to delete itself; deleted afterwards

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

スパイウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • explorer.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{string1}{string2} = "%Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}\
Vars

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}\
Files

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}\
Config

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}\
Run

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings
EnableSPDY3_0 = "0"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
{UID} = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
{Value Name} = "{data}"
where {Value Name} may be any of the following:

  • Main
  • Block
  • Temp
  • Client
  • Ini
  • Keys
  • Scr
  • LastTask
  • LastConfig
  • CrHook
  • OpHook
  • Exec
  • TorClient
  • TorCrc
  • Install

作成活動

スパイウェアは、収集した情報を保存するために以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\{random filename}.bin
  • %User Temp%\{random filename}.bin1 → contains the list of computer or network resources

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • Computer Name
  • Digital Certificates
  • Cookies
  • Keyboard Logs
  • Clipboard Logs
  • Captured Screenshot
  • Email Credentials
  • Running processes and services
  • Installed device drivers
  • Installed Programs
  • System Information (Please see notes for more details)
  • IP Address

情報収集

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • https://{BLOCKED}oma.com/images/{random path}.bmp

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • https://{BLOCKED}oma.com/images/{random path}.gif

<補足>
インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe
    ※{string1} = システムディレクトリにあるDLLファイル名の最初の4文字
    {string2} = システムディレクトリにあるDLLファイル名の末尾の4文字

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。このファイルは、自身を削除するために利用され、後に削除されます。

  • %User Temp%\{ランダムなフォルダ名}\{ランダムなファイル名}.bat

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

  • HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\ Software\Microsoft\{GUID} {UID} = "{hex value}"
  • HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\ Software\Microsoft\{GUID} {Value Name} = "{data}" HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\ Software\Microsoft\{GUID} {Value Name} = "{data}"
    ※{Value Name} には、以下のいずれかがあてはまります。
    • Main
    • Block
    • Temp
    • Client
    • Ini
    • Keys
    • Scr
    • LastTask
    • LastConfig
    • CrHook
    • OpHook
    • Exec
    • TorClient
    • TorCrc
    • Install

作成活動

スパイウェアは、収集した情報を保存するために以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\<ランダムなファイル名>.bin
  • %User Temp%\<ランダムなファイル名>.bin1 ← コンピュータあるいはネットワークリソース一覧が含まれる

(註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • コンピュータ名
  • デジタル証明書
  • クッキー情報
  • キー入力操作情報
  • クリップボードの記録
  • スクリーンショットの取得
  • Eメールの認証情報
  • 実行中のプロセスおよびサービス
  • インストールされたデバイスドライバ
  • インストールされたプログラム
  • コンピュータ情報(詳細は「その他」を参照してください)
  • IPアドレス

その他

  • 窃取した情報をファイルに保存およびアップロード
  • インターネット閲覧の監視
  • 対象のプロセスのAPIをフック
  • Mozilla FirefoxのSPDYプロトコルの無効化
  • スパイウェアは、プラグ アンド プレイ デバイスで以下の文字列を確認することで、自身が仮想環境またはサンドボックス下で実行されているかを確認し、確認された場合は自身を終了します。
    • vbox
    • qemu
    • vmware
    • virtual hd
  • 情報収集を目的とした以下のコマンドの実行
    • systeminfo.exe
    • tasklist.exe /SVC
    • driverquery.exe
    • reg.exe query    ""HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall""
    • cmd /C "net view >> "%User Temp%\{random filename}.bin1"
    • cmd /C nslookup 127.0.0.1 >>"%User Temp%\{random filename}.bin1" %User Temp%\{random filename}.bin1 & del %User Temp%\{random filename}.bin1"

    (註:%User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

    その他

    スパイウェアは、自身が仮想マシンまたはサンドボックスで実行されていることを確認した場合、次のメッセージボックスを表示します。

    ファイル”systeminfo.exe”は、以下のコンピュータの情報を返します。

    • ホスト名
    • オペレーティングシステム(OS)の名称、バージョン、 製造元
    • 環境設定およびビルドタイプ
    • 登録されている所有者および組織
    • 製品ID
    • 最初にOSがインストールされた日
    • システム起動時間
    • コンピュータの製造元、モデルおよびタイプ
    • プロセッサ
    • BIOS バージョン
    • Windows およびシステム のディレクトリ
    • 起動デバイス
    • システムおよび入力ロケール
    • タイムゾーン
    • 総メモリ容量および利用可能なメモリ容量
    • 仮想メモリの情報 (最大、利用可能、使用中)
    • ページ ファイルの場所
    • ドメイン
    • ログオンサーバ
    • ホットフィックス
    • ネットワークカード


      対応方法

    対応検索エンジン: 9.850
    初回 VSAPI パターンバージョン 14.174.04
    初回 VSAPI パターンリリース日 2018年4月6日
    VSAPI OPR パターンバージョン 14.175.00
    VSAPI OPR パターンリリース日 2018年4月7日

    手順 1

    Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

    手順 2

    このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

    手順 3

    Windowsをセーフモードで再起動します。

    [ 詳細 ]

    手順 4

    このレジストリ値を削除します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
      • {string1}{string2} = "%Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe"
    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
      • EnableSPDY3_0 = "0"

    手順 5

    このレジストリキーを削除します。

    [ 詳細 ]

    警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
    レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
    レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

    • In HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\Software\Microsoft
      • {GUID}

    手順 6

    以下のファイルを検索し削除します。

    [ 詳細 ]
    コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
    • %User Temp%\{random filename}.bin
    • %User Temp%\{random filename}.bin1
    • %User Temp%\{random folder name}\{random filename}.bat
  • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:

    1. [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
    2. [ファイル名のすべてまたは一部]に以下のファイル名を入力してください。
      • %User Temp%\{random filename}.bin
      • %User Temp%\{random filename}.bin1
      • %User Temp%\{random folder name}\{random filename}.bat
    3. [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
    4. 検索が終了したら、ファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    5. 残りのファイルに対して、マルウェアのコンポーネントファイルの削除の手順 2.)から4 .)を繰り返してください。

  • Windows Vista、7、Server 2008、8、8.1 および Server 2012 の場合:

    1. Windowsエクスプローラ画面を開きます。
      • Windows Vista、7 および Server 2008 の場合:
        • [スタート]-[コンピューター]を選択します。
      • Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合:
        • 画面の左下隅を右クリックし、[エクスプローラー]を選択します。
    2. [コンピューターの検索]に、以下を入力します。
      • %User Temp%\{random filename}.bin
      • %User Temp%\{random filename}.bin1
      • %User Temp%\{random folder name}\{random filename}.bat
    3. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    4. 残りのファイルに対して、マルウェアのコンポーネントファイルの削除の手順 2.)から4 .)を繰り返してください。
      註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。
  • 手順 7

    コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_URSNIF.TIBAIBM」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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