Trend Micro Security

TSPY_URSNIF.THOIBEAN

2018年11月8日
 解析者: Augusto II Remillano   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 1,357,824 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2018年10月30日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe
    • {string1} = first four letters of a dll file under %System% directory
    • {string2} = last four letters of a dll file under %System% directory

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\{random folder name}\{random filename}.bat = used to delete originally executed copy of itself. Deleted afterwards

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • explorer.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{string1}{string2} = %Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}\
Vars

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}\
Files

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}\
Config

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
{UID} = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
Main = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
Block = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
Temp = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
Client = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
Ini = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
Keys = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
Install = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
LastTask = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
LastConfig = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
CrHook = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
OpHook = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
Exec = "{hex value}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\
Software\Microsoft\{GUID}
NetCfg = "{hex value}"

作成活動

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\{random filename}.bin
  • %User Temp%\{random filename}.bin1

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • System information
  • Keyboard logs
  • Browser cookies
  • Email credentials
  • Clipboard logs
  • Installed software
  • List of computers and devices on the network
  • IP address
  • Currently running processes
  • Installed drivers

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • https://{BLOCKED}heck.com/images/{random path}.{jpeg | gif | bmp}
  • https://{BLOCKED}la.com/images/{random path}.{jpeg | gif | bmp}

スパイウェアは、以下を実行します。

  • 窃取した情報をファイルに保存およびアップロード
  • インターネット閲覧の監視
  • 対象のプロセスのAPIをフック
  • SPDYプロトコルの無効化
  • 以下のコマンドを実行
    • cmd /C "systeminfo.exe > %User Temp%\{ランダムなファイル名}.bin1"
    • cmd /C "net view >> %User Temp%\{ランダムなファイル名}.bin1"
    • cmd /C "nslookup 127.0.0.1 >> %User Temp%\{ランダムなファイル名}.bin1"
    • cmd /C "tasklist.exe /SVC >> %User Temp%\{ランダムなファイル名}.bin1"
    • cmd /C "driverquery.exe >> %User Temp%\{ランダムなファイル名}.bin1"
    • cmd /C "reg.exe query "HKLM\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall" /s >> %User Temp%\{ランダムなファイル名}.bin1"
    • cmd /U /C "type %User Temp%\{ランダムなファイル名}.bin1 > %User Temp%\{ランダムなファイル名}.bin & del %User Temp%\{ランダムなファイル名}.bin1"

    • makecab.exe /F "%User Temp%\{ランダムなファイル名}.bin

(注:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.596.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2018年10月30日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.597.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2018年10月31日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\AppDataLow\Software\Microsoft
    • {GUID}

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {string1}{string2} = %Application Data%\{string1}{string2}\{string1}{string2}.exe

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\\{random folder name}\\{random filename}.bat
  • %User Temp%\\{random filename}.bin
  • %User Temp%\\{random filename}.bin1

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_URSNIF.THOIBEAN」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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