Trend Micro Security

TSPY_TRICKLOAD.RZ

2017年8月7日
 解析者: Joselyn Canuela   

 別名:

Trojan.Win32.Inject.wnkh (Kaspersky), Trojan.Trickybot (Symantec), Trojan:Win32/Totbrick (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 386,048 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2017年7月18日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\winapp\{random filename}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

スパイウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • svchost.exe

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\winapp\Modules\injectDll32_configs
  • %Application Data%\winapp
  • %Application Data%\winapp\Modules

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

スパイウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • Created svchost.exe

自動実行方法

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System%\Tasks\services update

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

この「スケジュールされたタスク」により、以下の時間ごとにスパイウェアが実行されます。

  • minute

ダウンロード活動

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、ファイルをダウンロードします。

  • http://www.download.{BLOCKED}update.com/msdownload/update/v3/static/trustedr/en/authrootstl.cab

スパイウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %Application Data%\winapp\client_id
  • %Application Data%\winapp\config.conf
  • %Application Data%\winapp\group_tag
  • %Application Data%\winapp\Modules\injectDll32
  • %Application Data%\winapp\Modules\systeminfo32
  • %Application Data%\winapp\Modules\injectDll32_configs\dinj
  • %Application Data%\winapp\Modules\injectDll32_configs\dpost
  • %Application Data%\winapp\Modules\injectDll32_configs\sinj

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • https://wtfismyip.com

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.178.114:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.178.145:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.84.2:447
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.206.187:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.82.174:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.170.155:447
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.218.117:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.161.204:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.169.106:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.158.250:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.30.30:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.113.75:447
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.146.77:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.201.149:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.208.202:447
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.210.150:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.114.233:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.92.199:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.165.16:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.165.31:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.136.55:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.4.216:447
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.68.140:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.121.250:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.91.27:443


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 13.544.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2017年7月20日
VSAPI OPR パターンバージョン 13.545.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2017年7月21日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\winapp

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System%\Tasks\services update

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_TRICKLOAD.RZ」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください