Trend Micro Security

TSPY_TRICKBOT.TIDACAN

2018年5月19日
 解析者: Wilbert Vidal   
 更新者 : Johnlery Triunfante

 別名:

Trojan.Win32.Inject.ajkwu (Kaspersky); Troj/Trickbo-CY (Sophos); Trojan:Win32/Skeeyah.A!rfn (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Application Data%\{folder name}\{malware name}.exe
    Where folder name can be one of the following:
    • DiskMonitor
    • mstools

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

スパイウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • svchost.exe

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\{folder name}
  • %Application Data%\{folder name}\Modules
  • %Application Data%\{folder name}\Modules\injectDll32_configs

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • {17 random hex characters}

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のファイルを改変します。

  • %Application Data%\Mozilla\Firefox\Profiles\{profile folder}\prefs.js
    Appends the following strings:
    • user_pref("browser.tabs.remote.autostart.2", false);
    • user_pref("browser.tabs.remote.autostart", false);
    • user_pref("network.http.spdy.enabled.http2", false);

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows Defender\Exclusions\Paths
%Application Data%\{folder name}\ = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\
Microsoft\Windows Defender\Exclusions\
Paths
%Application Data%\{folder name}\ = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Microsoft Antimalware\Exclusions\Paths
%Application Data%\{folder name}\ = 0

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings
EnableHTTP2 = 0

作成活動

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\{folder name}\config.conf
  • %Application Data%\{folder name}\FAQ
  • %Application Data%\{folder name}\README.md
  • %Application Data%\{folder name}\Modules\injectDll32 - encrypted dll
  • %Application Data%\{folder name}\Modules\systeminfo32 - encrypted dll
  • %Application Data%\{folder name}\Modules\injectDll32_configs\dinj - encrypted config file
  • %Application Data%\{folder name}\Modules\injectDll32_configs\dpost - encrypted config file
  • %Application Data%\{folder name}\Modules\injectDll32_configs\sinj - encrypted config file

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • wtfismyip.com

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.48.118:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.90.102:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.196.254:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.207.204:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.4.216:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.117.95:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.134.61:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.73.154:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.192.194:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.125.37:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.174.189:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.102.12:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.48.221:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.223.63:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.15.87:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.215.149:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.186.127:451
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.31.46:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.119.164:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.49.162:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.89.70:449
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.218.104:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.166.96:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.198.156:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.174.235:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.146.107:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.48.3:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.37.242:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.198.115:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.32.144:443


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.228.07
初回 VSAPI パターンリリース日 2018年5月3日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.229.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2018年5月4日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows Defender\Exclusions\Paths
    • %Application Data%\{folder name}\ = 0
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows Defender\Exclusions\Paths
    • %Application Data%\{folder name}\ = 0
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Microsoft Antimalware\Exclusions\Paths
    • %Application Data%\{folder name}\ = 0
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • EnableHTTP2 = 0

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %Application Data%\{folder name}

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_TRICKBOT.TIDACAN」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

以下の削除されたファイルをバックアップを用いて修復します。

※註:マイクロソフト製品に関連したレジストリキーおよびレジストリ値のみに修復されます。このマルウェアもしくはアドウェア等が同社製品以外のプログラムをも削除した場合には、該当プログラムを再度インストールする必要があります。

  • %Application Data%\Mozilla\Firefox\Profiles\{profile folder}\prefs.js


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