Trend Micro Security

TSPY_TINECUF.ANB

2014年8月25日
 解析者: Rika Joi Gregorio   

 別名:

TrojanDownloader:Win32/Injector.gen!W(Microsoft), Win32/TrojanDownloader.Agent.NKE trojan(Eset), Downloader(Symantec)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

スパイウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

スパイウェアは、ダウンロードしたファイルを実行します。 ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 10,317 bytes
タイプ EXE, DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2014年2月7日
ペイロード ファイルのダウンロード

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %Windows%\Downloaded Program Files\ZipExt32.dll - also detected as TSPY_TINECUF.ANB

(註:%Windows%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、"C:\Windows" です。)

スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\7ztmp.bat - used to delete itself

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %System Root%\tmp.hiv - will be deleted afterwards

(註:%System Root%フォルダは、標準設定では "C:" です。また、オペレーティングシステムが存在する場所です。)

スパイウェアのDLLコンポーネントは、以下のプロセスに組み込まれます。

  • explorer.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{35CEC8A3-2BE6-11D2-8773-92E220524140}\
InProcServer32
(Default) = "%Windows%\Downloaded Program Files\ZipExt32.dll"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\ShellServiceObjectDelayLoad
ZipExt32 = "{35CEC8A3-2BE6-11D2-8773-92E220524140}"

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{35CEC8A3-2BE6-11D2-8773-92E220524140}

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{35CEC8A3-2BE6-11D2-8773-92E220524140}\
InProcServer32

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{35CEC8A3-2BE6-11D2-8773-92E220524140}
(Default) = "ZipExt32"

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{35CEC8A3-2BE6-11D2-8773-92E220524140}\
InProcServer32
ThreadingModel = "Both"

感染活動

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

スパイウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

ダウンロード活動

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、ファイルをダウンロードします。

  • http://www.{BLOCKED}63.com/mm/cfg2.txt
  • http://ww{BLOCKED}8.{BLOCKED}3.com/mm/cfg2.txt
  • http://www.{BLOCKED}63.com/u319.exe
  • http://mm.{BLOCKED}63.com/u319.exe

スパイウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %System Root%\z.ini
  • %User Temp%\wsctny1.exe
  • %User Temp%\wsctny2.exe

(註:%System Root%フォルダは、標準設定では "C:" です。また、オペレーティングシステムが存在する場所です。. %User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、ダウンロードしたファイルを実行します。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • OS Version
  • Computer Name

情報収集

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://www.{BLOCKED}63.com/mm/dg1/log.asp?isnew=-1&LocalInfo={OS Version}&szHostName={Computer Name}&tmp3=tmp3
  • http://ww38.{BLOCKED}63.com/mm/dg1/log.asp?isnew=-1&LocalInfo={OS Version}&szHostName={Computer Name}&tmp3=tmp3

その他

スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。

スパイウェアが、収集する情報は以下の通りです。

  • オペレーティングシステム(OS)のバージョン
  • コンピュータ名

スパイウェアが作成する以下のコンポーネントファイルは、「TSPY_TINECUF.ANB」として検出されます。

  • %Windows%\Downloaded Program Files\ZipExt32.dll

スパイウェアが作成し、実行する以下のファイルは、自身を削除するために利用されます。

  • %User Temp%\7ztmp.bat

スパイウェアが作成した以下の無害なファイルは、後に削除されます。

  • %System Root%\tmp.hiv

スパイウェアは、ファイル"%Windows%\Downloaded Program Files\ZipExt32.dll"がすでに存在する場合、これを以下のファイル名に改称します。

  • %Windows%\Downloaded Program Files\Ext32.dat

スパイウェアがこの不正活動を行う前、"%Windows%\Downloaded Program Files\Ext32.dat"を初めに削除します。

スパイウェアは、コンピュータ上で"avp.exe"が実行中の場合、"%System Root%\sysret.dat"(「RTKT_RETYS.ANB」として検出)を作成し、実行します。

スパイウェアは、自身のダウンロード活動を行う前にキャッシュから以下のファイルを削除します。

  • %System Root%\z.ini
  • cfg.txt

スパイウェアは、ファイル"%User Temp%\wsctny1.exe"および"%User Temp%\wsctny2.exe"がすでに存在する場合、自身のダウンロード活動を行う前に以下のファイル名に改称します。
改称前:

  • %User Temp%\wsctny1.exe
改称後:
  • %User Temp%\wsctny1.tmp

改称前:
  • %User Temp%\wsctny2.exe
改称後:
  • %User Temp%\wsctny1.tmp~

スパイウェアは、以下のダウンロードされたファイルを実行後、削除します。

  • %User Temp%\wsctny1.exe
  • %User Temp%\wsctny2.exe

スパイウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

スパイウェアは、ルートキット機能を備えていません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 10.596.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年2月9日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.597.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年2月10日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「TSPY_TINECUF.ANB」 が作成またはダウンロードした不正なファイルを削除します。(註:以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。)

  • RTKT_RETYS.ANB

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID
    • {35CEC8A3-2BE6-11D2-8773-92E220524140}

手順 6

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\ShellServiceObjectDelayLoad
    • ZipExt32 = "{35CEC8A3-2BE6-11D2-8773-92E220524140}"

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System Root%\z.ini
  • %User Temp%\wsctny1.exe
  • %User Temp%\wsctny2.exe
  • %User Temp%\wsctny1.tmp
  • %User Temp%\wsctny1.tmp~
  • %System Root%\tmp.hiv
  • %User Temp%\7ztmp.bat

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_TINECUF.ANB」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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