Trend Micro Security

TSPY_DYRE.MAP

2015年8月31日
 解析者: Mar Philip Elaurza   

 別名:

Infostealer.Dyre (Symantec), Win32/Battdil.AN (ESET-NOD32), Upatre-FACE!856B40083E51 (McAfee), TrojanDownloader:Win32/Upatre (Microsoft)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、実行後、自身を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 460,288 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2015年8月27日

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • %Windows%\{random letters}.exe

(註:%Windows%フォルダは、Windowsが利用するフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows" です。.)

スパイウェアは、以下の通常のプロセスにスレッドを組み込みます。

  • %System%\svchost.exe

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

自動実行方法

スパイウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\googleupdate
ImagePath = %Windows%\{random filename}.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\googleupdate
Display Name = Google Update Service

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\googleupdate
Start = 2

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Lsa
LimitBlankPasswordUse = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"1"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Terminal Server
fSingleSessionPerUser = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"1"」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Terminal Server
fDenyTSConnections = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"1"」となります。)

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • google.com
  • stun.iptel.org

スパイウェアは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.51.81:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.205.69:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.191.206:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.238.189:443
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.224.118:443

スパイウェアは、実行後、自身を削除します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 11.884.00
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年8月28日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.885.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年8月29日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\googleupdate
    • ImagePath = %Windows%\{random filename}.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\googleupdate
    • Display Name = Google Update Service
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\googleupdate
    • Start = 2

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Lsa
    • From: LimitBlankPasswordUse = "0"
      To: LimitBlankPasswordUse = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server
    • From: fSingleSessionPerUser = "0"
      To: fSingleSessionPerUser = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server
    • From: fDenyTSConnections = "0"
      To: fDenyTSConnections = "1"

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_DYRE.MAP」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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