Trend Micro Security

TSPY_BEBLOH.WPD

2013年5月23日
 解析者: Nikko Tamana   

 別名:

Trojan:Win32/Bublik.B (Microsoft), Mal/Ramnit-FS (Sophos), W32/Bebloh.J!tr (Fortinet), Win32/Spy.Bebloh.J trojan (NOD32), Trojan.Bebloh (Norton)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 Eメールを介したスパム活動, Eメールを介した感染活動

スパイウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。 スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。 スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 485,376 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2013年4月16日
ペイロード 情報収集, URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアもしくはグレイウェア、または不正リモートユーザによるスパムメールに添付され、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • {Malware Path}\OTTObestellung.pdf - Non-malicious

スパイウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %User Temp%\Adobe.exe - Also detected as TSPY_BEBLOH.WPD

(註:%User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\{random filename}.exe

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

スパイウェアは、すべての実行中プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • 6A57BEED

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
userinit.exe
Debugger = "%System%\{random filename}.exe"

他のシステム変更

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
5.0\203E7401
Default = "{XOR encrypted configuration file URLs}"

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
5.0\203E7401

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
userinit.exe

スパイウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Zones\3
1609 = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Cache\Paths
Directory = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\Temporary Internet Files\Content.IE5"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%Temporary Internet Files%\Content.IE5」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Cache\Paths\path1
CachePath = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\Temporary Internet Files\Content.IE5\Cache1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache1」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Cache\Paths\path2
CachePath = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\Temporary Internet Files\Content.IE5\Cache2"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Cache\Paths\path3
CachePath = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\Temporary Internet Files\Content.IE5\Cache3"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache3」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Internet Settings\
Cache\Paths\path4
CachePath = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\Temporary Internet Files\Content.IE5\Cache4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache4」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Hardware Profiles\0001\Software\
Microsoft\windows\CurrentVersion\
Internet Settings
ProxyEnable = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Hardware Profiles\Current\Software\
Microsoft\windows\CurrentVersion\
Internet Settings
ProxyEnable = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_CONFIG\Software\Microsoft\
windows\CurrentVersion\Internet Settings
ProxyEnable = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Explorer\Shell Folders
Cookies = "%System%\config\systemprofile\Cookies"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%System Root%\Documents and Settings\NetworkService\Cookies」となります。)

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Explorer\Shell Folders
Cache = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\Temporary Internet Files"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%System Root%\Documents and Settings\NetworkService\Local Settings\Temporary Internet Files」となります。)

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Windows\CurrentVersion\
Explorer\Shell Folders
History = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\History"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%System Root%\Documents and Settings\NetworkService\Local Settings\History」となります。)

感染活動

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

ダウンロード活動

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスして自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}c.com
  • http://{BLOCKED}ar.net
  • http://{BLOCKED}ti.net

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • IP Address
  • OS Version
  • Socks Port
  • UAC Configuration
  • Hardware ID
  • Email addresses in WAB

情報の送信先

収集された情報は、以下のWebサイトにアップロードされます。

  • http://{BLOCKED}.125.134/smp/inx.php

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • www.google.com

ただし、情報公開日現在、このWebサイトにはアクセスできません。

スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。

スパイウェアが作成する無害なファイルは以下のとおりです。

  • <不正プログラムのパス>\OTTObestellung.pdf

スパイウェアは、作成するこのスパイウェアとして検出されるファイルは以下のとおりです。

  • %User Temp%\Adobe.exe

スパイウェアが収集する情報は以下のとおりです。

  • IPアドレス
  • オペレーティングシステム(OS)の種類
  • SOCKSポート
  • UAC(ユーザーアカウント制御)設定
  • ハードウェアのID
  • Windows のアドレス帳(WAB)内のEメールアドレス

作成された自身のコピーが利用するファイル名は、ランダムな文字列と組み合わされた以下の文字列を含む可能性があります。

  • def
  • dns
  • exec
  • hlp
  • logon
  • mem
  • mixer
  • mon
  • pack
  • play
  • setup
  • srv
  • user
  • video
  • win

また、ファイル名として単純にランダムな文字列の組み合わせを利用することもあります。

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.932.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2013年5月21日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.933.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2013年5月22日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「TSPY_BEBLOH.WPD」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\5.0\203E7401
    • Default = {XOR encrypted configuration file URLs}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\userinit.exe
    • Debugger = %System%\{random filename}.exe

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\5.0
    • 203E7401

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • {Malware Path}\OTTObestellung.pdf

手順 7

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Zones\3
    • From: 1609 = "0"
      To: 1609 = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Cache\Paths
    • From: Directory = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\Temporary Internet Files\Content.IE5"
      To: Directory = "%Temporary Internet Files%\Content.IE5"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Cache\Paths\path1
    • From: CachePath = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\Temporary Internet Files\Content.IE5\Cache1"
      To: CachePath = "%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Cache\Paths\path2
    • From: CachePath = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\Temporary Internet Files\Content.IE5\Cache2"
      To: CachePath = "%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache2"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Cache\Paths\path3
    • From: CachePath = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\Temporary Internet Files\Content.IE5\Cache3"
      To: CachePath = "%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache3"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Internet Settings\Cache\Paths\path4
    • From: CachePath = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\Temporary Internet Files\Content.IE5\Cache4"
      To: CachePath = "%Temporary Internet Files%\Content.IE5\Cache4"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Hardware Profiles\0001\Software\Microsoft\windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • From: ProxyEnable = "0"
      To: ProxyEnable = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Hardware Profiles\Current\Software\Microsoft\windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • From: ProxyEnable = "0"
      To: ProxyEnable = "1"
  • In HKEY_CURRENT_CONFIG\Software\Microsoft\windows\CurrentVersion\Internet Settings
    • From: ProxyEnable = "0"
      To: ProxyEnable = "1"
  • In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Shell Folders
    • From: Cookies = "%System%\config\systemprofile\Cookies"
      To: Cookies = "%System Root%\Documents and Settings\NetworkService\Cookies"
  • In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Shell Folders
    • From: Cache = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\Temporary Internet Files"
      To: Cache = "%System Root%\Documents and Settings\NetworkService\Local Settings\Temporary Internet Files"
  • In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Shell Folders
    • From: History = "%System%\config\systemprofile\Local Settings\History"
      To: History = "%System Root%\Documents and Settings\NetworkService\Local Settings\History"

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TSPY_BEBLOH.WPD」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください