TSPY_BANCOS.QSPN
Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003
- マルウェアタイプ: スパイウェア
- 破壊活動の有無: なし
- 暗号化: はい
- 感染報告の有無: はい
概要
トレンドマイクロは、このスパイウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。
スパイウェアは、感染コンピュータ上でInternet Explorer(IE)およびMozilla Firefoxの使用状況を監視し、アドレスバーまたはタイトルバーにスペインを拠点とする特定の金融機関に関連する文字列を含んでいるかどうかを確認します。
スパイウェアは、実行されると、特定のWebサイトへアクセスします。このWebサイトは、スパイウェアが自身のインストールを通知する先のURL情報を含んでいます。情報公開日現在、スパイウェアがアクセスするこのWebサイトは、改ざんされたURLに誘導します。スパイウェアがインストールを通知するために送信するHTTPリクエストは、特定のデータを含んでいます。
スパイウェアは、リモートサイトから他のマルウェアまたはグレイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。
詳細
侵入方法
スパイウェアは、リモートサイトから以下のマルウェアまたはグレイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。
- TROJ_BANLOD.QSPN
スパイウェアは、以下のリモートサイトからダウンロードされ、コンピュータに侵入します。
- http://www.{BLOCKED}rett.no/////mazda.exe
- http://www.{BLOCKED}rett.no/mazda.exe
自動実行方法
スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
SIMP = "{malware path and file name}"
情報漏えい
スパイウェアは、感染したコンピュータ上でInternet Explorer(IE)の使用状況を監視します。スパイウェアは、特にIEのアドレスバーまたはタイトルバー情報を監視しますが、ユーザが銀行関連Webサイトを閲覧しそのサイトのアドレスバーまたはタイトルバーに以下の文字列が含まれていた場合、正規Webサイトを装った偽のログインページを作成します。
- Banco Popular
- Bankinter
- Caixa
- Cajasol
- Wester Union
情報収集
スパイウェアは、以下のファイル内に収集した情報を保存します。
- C:\updspapi.dll
情報の送信先
スパイウェアは、収集した情報を以下のEメールアドレスに送信します。
- {BLOCKED}berto2015@gmail.com
その他
IEの使用状況を監視する以外に、スパイウェアは、Mozilla Firefoxの使用状況も監視します。上述の金融機関は、すべてスペインを拠点としているものです。
スパイウェアは、実行されると、以下のWebサイトにアクセスします。このWebサイトは、スパイウェアが自身のインストールを通知する先のURL情報を含んでいます。
- http://{BLOCKED}s:81/images/cancel.txt
情報公開日現在、スパイウェアがアクセスするこのWebサイトは、改ざんされたURLに誘導します。
- http://www.{BLOCKED}k.im/images/stories/dudley.php
- http://{BLOCKED}be/cms/images/smilies/envio.php
- http://{BLOCKED}ividad2011.es/cms//images/M_images/dlilype.php
スパイウェアがインストールを通知するために送信するHTTPリクエストは、以下のデータを含んでいます。
- remetente=planet@sexo.com&destino={BLOCKED}rlos636@gmail.com&titulo=Registradora%20Eletronica: {computer name}&texto=Prezado Cliente!
対応方法
手順 1
Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 3
「TSPY_BANCOS.QSPN」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。
- 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは Process Explorer に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
セーフモードについては、こちらをご参照下さい。 - 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。
手順 4
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- SIMP = "{malware path and file name}"
- SIMP = "{malware path and file name}"
手順 5
以下のファイルを検索し削除します。
- C:\updspapi.dll
手順 6
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_BANCOS.QSPN」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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