Trend Micro Security

TSPY_BANCOS.QSPN

2011年7月21日
 解析者: Roland Marco Dela Paz   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 感染確認数:
 システムへの影響:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要


トレンドマイクロは、このスパイウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

スパイウェアは、感染コンピュータ上でInternet Explorer(IE)およびMozilla Firefoxの使用状況を監視し、アドレスバーまたはタイトルバーにスペインを拠点とする特定の金融機関に関連する文字列を含んでいるかどうかを確認します。

スパイウェアは、実行されると、特定のWebサイトへアクセスします。このWebサイトは、スパイウェアが自身のインストールを通知する先のURL情報を含んでいます。情報公開日現在、スパイウェアがアクセスするこのWebサイトは、改ざんされたURLに誘導します。スパイウェアがインストールを通知するために送信するHTTPリクエストは、特定のデータを含んでいます。

スパイウェアは、リモートサイトから他のマルウェアまたはグレイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 2,191,360 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年7月19日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

スパイウェアは、リモートサイトから以下のマルウェアまたはグレイウェアにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

  • TROJ_BANLOD.QSPN

スパイウェアは、以下のリモートサイトからダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

  • http://www.{BLOCKED}rett.no/////mazda.exe
  • http://www.{BLOCKED}rett.no/mazda.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
SIMP = "{malware path and file name}"

情報漏えい

スパイウェアは、感染したコンピュータ上でInternet Explorer(IE)の使用状況を監視します。スパイウェアは、特にIEのアドレスバーまたはタイトルバー情報を監視しますが、ユーザが銀行関連Webサイトを閲覧しそのサイトのアドレスバーまたはタイトルバーに以下の文字列が含まれていた場合、正規Webサイトを装った偽のログインページを作成します。

  • Banco Popular
  • Bankinter
  • Caixa
  • Cajasol
  • Wester Union

情報収集

スパイウェアは、以下のファイル内に収集した情報を保存します。

  • C:\updspapi.dll

情報の送信先

スパイウェアは、収集した情報を以下のEメールアドレスに送信します。

  • {BLOCKED}berto2015@gmail.com

その他

IEの使用状況を監視する以外に、スパイウェアは、Mozilla Firefoxの使用状況も監視します。上述の金融機関は、すべてスペインを拠点としているものです。

スパイウェアは、実行されると、以下のWebサイトにアクセスします。このWebサイトは、スパイウェアが自身のインストールを通知する先のURL情報を含んでいます。

  • http://{BLOCKED}s:81/images/cancel.txt

情報公開日現在、スパイウェアがアクセスするこのWebサイトは、改ざんされたURLに誘導します。

  • http://www.{BLOCKED}k.im/images/stories/dudley.php
  • http://{BLOCKED}be/cms/images/smilies/envio.php
  • http://{BLOCKED}ividad2011.es/cms//images/M_images/dlilype.php

スパイウェアがインストールを通知するために送信するHTTPリクエストは、以下のデータを含んでいます。

  • remetente=planet@sexo.com&destino={BLOCKED}rlos636@gmail.com&titulo=Registradora%20Eletronica: {computer name}&texto=Prezado Cliente!


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
初回 VSAPI パターンバージョン 8.300.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2011年7月20日
VSAPI OPR パターンバージョン 8.301.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2011年7月20日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「TSPY_BANCOS.QSPN」 を作成またはダウンロードする不正なファイルを削除します。

手順 3

「TSPY_BANCOS.QSPN」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは Process Explorer に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • SIMP = "{malware path and file name}"

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • C:\updspapi.dll

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TSPY_BANCOS.QSPN」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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