Trend Micro Security

TrojanSpy.Win64.EMOTET.YJCE2

2022年6月9日
 解析者: Mc Justine De Guzman   

 別名:

Trojan:Win64/Emotetcrypt.JN!MTB (MICROSOFT)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。 スパイウェアは、リモートサイトから他の不正プログラムにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

スパイウェアは、不正リモートユーザからのコマンドを実行し、感染コンピュータを改ざんします。

スパイウェアは、上記で作成されたフォルダ内にダウンロードしたファイルを保存します。

スパイウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 545,280 bytes
タイプ DLL
メモリ常駐 はい
発見日 2022年5月28日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, システム情報の収集, ファイルの作成

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、リモートサイトから以下の不正プログラムによりダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • If executed with administrator rights:
    • %System%\{Random Characters}\{Random Characters}.{3 Random Characters}
  • If executed without administrator rights:
    • %AppDataLocal%\{Random Characters}\{Random Characters}.{3 Random Characters}

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • If executed with administrator rights:
    • %System%\regsvr32.exe "%System%\{Random Characters}\{Random Characters}.{3 Random Characters}"
  • If executed without administrator rights:
    • %System%\regsvr32.exe "%AppDataLocal%\{Random Characters}\{Random Characters}.{3 Random Characters}"

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • If executed with administrator rights:
    • %System%\{Random Characters}
  • If executed without administrator rights:
    • %AppDataLocal%\{Random Characters}

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

自動実行方法

スパイウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\{File Name of Copy} → If executed with admin rights
ImagePath = %System%\regsvr32.exe "%System%\{Random characters}\{File Name of Copy}

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run → If executed without admin rights
{File Name of Copy} = %System%\regsvr32.exe "%AppDataLocal%\{Random characters}\{File Name of Copy}

バックドア活動

スパイウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • Download and run module or executable file
  • Download and execute code in memory
    • Process Listing

ダウンロード活動

スパイウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • For Download and run module command:
    • {Malware Installation Folder Path}\{random characters}.dll
  • For Download and run executable file:
    • {Malware Installation Folder Path}\{random characters}.exe

スパイウェアは、上記で作成されたフォルダ内にダウンロードしたファイルを保存します。

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • Computer Name
  • OS Version
  • Process Architecture
  • Volume Serial Number
  • Windows Version
  • Process ID
  • Malware Path
  • Running processes
  • System Information

その他

スパイウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した スパイウェア )を削除します。

スパイウェアは、以下を実行します。

  • コマンドを受信し、収集した情報を暗号化してCookieヘッダーに格納し、HTTP/HTTPS GETで以下のURLに送信します。
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.0.12:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.124.41:7080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.28.199:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.45.86:4143/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.111.200:7080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.247.144:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.20.155:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.142.56:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.188.93:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.115.99:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.201.15:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.251.154:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.246.206:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.42.236:80/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.112.196:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.8.30:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.193.249:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.89.58:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.7.5:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.109.124:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.166.162:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.226.45:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.212.130:7080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.215.74:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.232.124:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.222.11:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.201.2:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.152.127:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.0.91:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.135.165:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.117.186:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.98.99:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.99.3:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.88.10:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.2.232:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.20.25:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.140.238:7080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.116.246:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.146.25:7080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.35.198:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.225.142:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.17.99:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.227.137:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.242.26:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.28.102:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.76.89:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.222.101:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.82.211:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.253.162:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.150.244:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.30.83:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.98.206:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.131.28:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.115.35:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.28.33:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.66.193:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.163.214:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.24.231:80/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.196.120:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.46.182:443/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.66.124:8080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.21.73:7080/{ランダムな文字列}
    • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.226.206:443/{ランダムな文字列}

<補足>
インストール

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下として自身のコピーを作成し、実行します。

  • 管理者権限ありで実行された場合:
    • %System%\{ランダムな文字列}\{ランダムな文字列}.{ランダムな3文字}
  • 管理者権限なしで実行された場合:
    • %AppDataLocal%\{ランダムな文字列}\{ランダムな文字列}.{ランダムな3文字}

スパイウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • 管理者権限ありで実行された場合:
    • %System%\regsvr32.exe "%System% {ランダムな文字列}\{ランダムな文字列}.{ランダムな3文字}
  • 管理者権限なしで実行された場合:
    • %System%\regsvr32.exe "%AppDataLocal%\ {ランダムな文字列}\{ランダムな文字列}.{ランダムな3文字}

スパイウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • 管理者権限ありで実行された場合:
    • %System%\{ランダムな文字列}
  • 管理者権限なしで実行された場合:
    • %AppDataLocal%\{ランダムな文字列}

バックドア活動

スパイウェアは、不正リモートユーザからの以下のコマンドを実行します。

  • モジュールコマンドまたは実行ファイルをダウンロードして実行する
  • メモリ内にコードをダウンロードして実行する
    • プロセスの一覧表示

ダウンロード活動

スパイウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • モジュールコマンド:
    • {スパイウェアのインストール先フォルダのパス}\{ランダムな文字列}.dll
  • 実行ファイル:
    • {スパイウェアのインストール先フォルダのパス}\{ランダムな文字列}.exe

スパイウェアは、上記で作成されたフォルダ内にダウンロードしたファイルを保存します。

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • コンピュータ名
  • OSのバージョン
  • プロセスアーキテクチャ
  • ボリュームシリアルナンバー
  • Windowsのバージョン
  • プロセスID
  • マルウェアパス
  • 実行中のプロセス
  • システム情報


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 17.610.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2022年6月6日
VSAPI OPR パターンバージョン 17.611.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2022年6月7日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF056

手順 2

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\{File name of dropped file}
    • ImagePath = %System%\regsvr32.exe %System%\{random characters}\{File Name of Copy}

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\services\{File Name of Copy}

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System%\{Random characters}\{Random characters}.{3 random characters}
  • %AppDataLocal%\{Random characters}\{Random characters}.{3 random characters}
  • {Malware Installation Folder Path}\{random characters}.dll
  • {Malware Installation Folder Path}\{random characters}.exe

手順 8

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System%\{Random characters}
  • %AppDataLocal%\{Random characters}

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TrojanSpy.Win64.EMOTET.YJCE2」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください