Trend Micro Security

TrojanSpy.Win32.TRICKBOT.TIGOCFF

2019年12月25日
 解析者: John Rey Canon   

 別名:

Trojan:Win32/TrickBot.CD!MTB (Microsoft); Trojan.Win32.Trickbot (Ikarus); Win32/TrickBot.CX (ESET-NOD32)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 417,792 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2019年12月20日

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のフォルダを追加します。

  • %Application Data%\taskhealth

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System%\Tasks\Task Health Application

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

スパイウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\taskhealth\{Malware Filename}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Local AppWizard-Generated Applications

HKEY_CURRENT_USER\Software\Local AppWizard-Generated Applications\
Sketch

HKEY_CURRENT_USER\Software\Local AppWizard-Generated Applications\
Sketch\Recent File List

HKEY_CURRENT_USER\Software\Local AppWizard-Generated Applications\
Sketch\Settings

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document\DefaultIcon

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document\shell

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document\shell\open

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document\shell\open\
command

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document\shell\print

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document\shell\print\
command

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document\shell\printto

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document\shell\printto\
command

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
.skh

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
.skh\ShellNew

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document
{Default} = Sketch Document

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document\DefaultIcon
{Default} = {Malware Filename}.exe,1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document\shell\open\
command
{Default} = {Malware Filename}.exe "%1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document\shell\print\
command
{Default} = {Malware Filename}.exe /p "%1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
Sketch.Document\shell\printto\
command
{Default} = {Malware Filename}.exe /pt "%1" "%2" "%3" "%4"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
.skh
{Default} = Sketch.Document

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\
.skh\ShellNew
NullFile = ""


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.576.06
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年12月23日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.577.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年12月24日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

「TrojanSpy.Win32.TRICKBOT.TIGOCFF」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

スケジュールされたタスクを削除する

タスク削除の手順に含まれる{タスク名} - {実行するタスク}には以下が当てはまります。

  • Task Name: Task Health Application
  • Task to be run: %Application Data%\taskhealth\{Malware Filename}.exe

Windows 2000、Windows XP、Windows Server 2003の場合:

  1. [スタート]→[プログラム]→[アクセサリ]→[システムツール]→[スケジュールされたタスク]をクリックして、スケジュールされたタスクを開きます。
  2. 上記の{タスク名} を、[名前]の欄に入力します。
  3. 入力した{タスク名} 持つファイルを右クリックします。
  4. [プロパティ]をクリックします。 [実行]フィールドで、表示されている{実行するタスク}を確認します。
  5. 上記の{実行するタスク}と文字列が一致するタスクを削除します。

Windows Vista、Windows 7、Windows Server 2008、Windows 8、Windows 8.1、およびWindows Server 2012の場合:

  1. Windowsタスクスケジューラを開きます。
    • Windows Vista、Windows 7、Windows Server 2008の場合、[スタート]をクリックし、[検索]フィールドに「taskchd.msc」と入力してEnterキーを押します。
    • Windows 8、Windows 8.1、Windows Server 2012の場合、画面の左下隅を右クリックし、[実行]をクリックし、「taskchd.msc」と入力してEnterキーを押します。
  2. 左側のパネルで、[タスクスケジューラライブラリ]をクリックします。
  3. 中央上部のパネルで、上記の{タスク名}を[名前]の欄に入力します。
  4. 中央下部のパネルで、[アクション]タブをクリックします。 [詳細]の欄で、{実行するタスク}を確認します。
  5. 文字列が一致するタスクを削除します。

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document
    • {Default} = Sketch Document
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document\DefaultIcon
    • {Default} = {Malware Filename}.exe,1
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document\shell\open\command
    • {Default} = {Malware Filename}.exe "%1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document\shell\print\command
    • {Default} = {Malware Filename}.exe /p "%1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document\shell\printto\command
    • {Default} = {Malware Filename}.exe /pt "%1" "%2" "%3" "%4"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\.skh
    • {Default} = Sketch.Document
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\.skh\ShellNew
    • NullFile = ""

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software
    • Local AppWizard-Generated Applications = ""
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Local AppWizard-Generated Applications
    • Sketch = ""
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Local AppWizard-Generated Applications
    • Sketch\Recent File List = ""
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Local AppWizard-Generated Applications
    • Sketch\Settings = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes
    • Sketch.Document = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document
    • DefaultIcon = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document
    • shell = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document\shell
    • open = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document\shell\open
    • command = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document\shell
    • print = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document\shell\print
    • command = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document\shell
    • printto = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\Sketch.Document\shell\printto
    • command = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes
    • .skh = ""
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Classes\.skh
    • ShellNew = ""

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。  
  • %System%\Tasks\Task Health Application
  • %Application Data%\taskhealth\{Malware Filename}.exe

手順 8

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\taskhealth

手順 9

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TrojanSpy.Win32.TRICKBOT.TIGOCFF」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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