Trend Micro Security

TrojanSpy.Win32.AVEMARIA.E

2019年4月30日
 解析者: Earle Maui Earnshaw   

 別名:

Trojan.Win32.Crypt (Ikarus); Trojan:Win32/Casdet!rfn(Microsoft); Trojan-Spy.Win32.AveMaria.we(Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

スパイウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。


  詳細

ファイルサイズ 307,200 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 なし
発見日 2019年4月24日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Temp%\ellocnak.xml
  • %Application Data%{9 Random Characters}.exe -> detected as Trojan.Win32.MIMIKATZ.ADY
  • %System%\dismcore.dll -> detected as Trojan.Win32.ANTIAV.AB

スパイウェアは、以下の無害なファイルを作成します。

  • %User Temp%\nss3.dll
  • %User Temp%\mozglue.dll
  • %User Temp%\softokn3.dll
  • %User Temp%\msvcp140.dll
  • %User Temp%\vcruntime140.dll
  • %User Temp%\freebl3.dll

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • %System%\cmd.exe
  • powershell add-MpPreference -executionPath C:\
  • "%System%\dism.exe" /online /norestart /apply-unattend:"%User Temp%\ellocnak.xml" -> executed via DISM Dll hijacking vulnerability for UAC bypass

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.. %User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000、XP、Server 2003の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • %System%\cmd.exe

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

他のシステム変更

スパイウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
AllowMultipleTSSessions = 0

スパイウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Terminal Server
fDenyTSConnections = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Terminal Server\Licensing Core
EnableConcurrentSessions = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Terminal Server\AddIns\
Clip Redirector
Name = RDPCLip

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\Terminal Server\AddIns\
Clip Redirector
Type = 3

バックドア活動

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • {BLOCKED}eys.{BLOCKED}dns.com
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.123.196

ダウンロード活動

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.225.104/dll/upnp.exe

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスして自身のコンポーネントファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.225.104/dll/sogtokn3.dll
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.225.104/dll/msvcp140.dll
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.225.104/dll/mozglue.dll
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.225.104/dll/vcruntime140.dll
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.225.104/dll/freebl3.dll
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.225.104/dll/nss3.dll

情報漏えい

スパイウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。

その他

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • https://google.com


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 14.958.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2019年4月24日
VSAPI OPR パターンバージョン 14.959.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2019年4月25日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • AllowMultipleTSSessions = "0"

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server
    • From: fDenyTSConnections = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server
    • To: fDenyTSConnections = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server\Licensing Core
    • From: EnableConcurrentSessions = "0"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Terminal Server\Licensing Core
    • To: EnableConcurrentSessions = "1"

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Temp%\nss3.dll
  • %User Temp%\mozglue.dll
  • %User Temp%\softokn3.dll
  • %User Temp%\msvcp140.dll
  • %User Temp%\vcruntime140.dll
  • %User Temp%\freebl3.dll
  • %User Temp%\ellocnak.xml
  • %Application Data%\{9 Random Characters}.exe
  • %System%\dismcore.dll

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TrojanSpy.Win32.AVEMARIA.E」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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