Trend Micro Security

TrojanSpy.MSIL.REDLINE.YJDIM

2023年9月28日
 解析者: Neljorn Nathaniel Aguas   

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

スパイウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。


  詳細

ファイルサイズ 713980912 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2023年9月13日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの作成, システム情報の収集, 情報収集, システムのレジストリの変更

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %ProgramData%\MuteApps\MDOH.exe ← Dropped copy of itself with different file size
  • %ProgramData%\MuteApps\uninstall.dat ← Contains the response received from the contacted URL in HTML format
  • %Application Data%\screen.jpg ← Contains the captured screen from the affected system
  • %User Temp%\tmp1B7E.tmp.bat ← Contains a batch code that executes the dropped %ProgramData%\MuteApps\MDOH.exe after 3 seconds

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 . %Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。. %User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • powershell runas -Command Add-MpPreference -ExclusionPath '{Malware Path}\{Malware File Name}
  • -o xmr-eu1.nanopool.org:14433 -u 46P7ufDSCru9nnoVhSdPMRGHGuxnFrwTRP2kBa6ZyinnUpMWgTVEPqgTQXUgYEPc7CNKqgVLQFSJAWCSL3HuRVStS4G7cBX --tls --coin monero --max-cpu-usage=50 --donate-level=1 -opencl
  • cmd /c schtasks /create /f /sc MINUTE /mo 5 /RL HIGHEST /tn "MDOH" /tr "%ProgramData%\MuteApps\MDOH.exe"

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 )

スパイウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • MDOH

感染活動

スパイウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

スパイウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

ルートキット機能

スパイウェアは、ルートキット機能を備えていません。

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • CPU Information
  • GPU Information
  • RAM Information
  • OS Information
  • Computer Name
  • Username
  • System Locale
  • Region
  • Installed Anti-Virus Products
  • Running Processes
  • Screen Resolution
  • Screen Capture

情報収集

スパイウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.{BLOCKED}.241/BEBRIK.php

その他

スパイウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\MDOH

スパイウェアは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.{BLOCKED}.241/SOSORRY.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.{BLOCKED}.241/EOK.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.{BLOCKED}.241/TOKYO.php
  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.{BLOCKED}.241/CHECK.php

スパイウェアは、以下を実行します。

  • It creates the following scheduled task:
    • Name: MDOH
    • Trigger: Daily (After triggered, repeat every 5 minutes indefinitely)
    • Action: cmd /c %ProgramData%\MuteApps\MDOH.exe
  • It steals browser data from:
    • Opera
    • Mozilla Firefox
  • It sends the stolen information depending on the following intervals:
    • 15 seconds
    • 30 seconds
    • Random number of seconds
  • It uses XMRig to mine the following cryptocurrency coins in the affected system:
    • Monero
    • Raven
    • Verus
  • It uses binary padding to inflate its file size and its dropped %ProgramData%\MuteApps\MDOH.exe file

(註:%ProgramData%フォルダは、マルチユーザーシステムにおいて任意のユーザがプログラムに変更を加えることができるプログラムファイルフォルダのバージョンです。これには、すべてのユーザのアプリケーションデータが含まれます。Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\ProgramData" です。Windows Server 2003(32-bit)、2000(32-bit)、XPの場合、通常 "C:\Documents and Settings\All Users" です。 )

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。

<補足>
インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %ProgramData%\MuteApps\MDOH.exe ← 異なるファイルサイズで自身のコピーを作成する
  • %ProgramData%\MuteApps\uninstall.dat ← 問い合わせたURLから受信した応答をHTML形式で格納する
  • %Application Data%\screen.jpg ← 影響を受けたコンピュータからキャプチャしたスクリーン画面を含む
  • %User Temp%\tmp1B7E.tmp.bat ← 作成された「%ProgramData%\MuteApps\MDOH.exe」を3秒後に実行するバッチコードを含む

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • CPU情報
  • GPU情報
  • RAM情報
  • オペレーティングシステム(OS)情報
  • コンピュータ名
  • ユーザ名
  • システムロケール
  • 地域
  • インストールされているウイルス対策製品
  • 実行中のプロセス
  • 画面解像度
  • スクリーンキャプチャ

その他

スパイウェアは、以下を実行します。

  • 以下のスケジュールされたタスクを作成します。
    • タスク名: MDOH
    • トリガ: 毎日(トリガ後、5分毎に無期限に繰り返す)
    • アクション: cmd /c %ProgramData%\MuteApps\MDOH.exe
  • 以下からブラウザデータを収集します。
    • Opera
    • Mozilla Firefox
  • 収集した情報を以下の間隔で送信します。
    • 15秒
    • 30秒
    • ランダムな秒数
  • 暗号資産(仮想通貨)採掘ツール「XMRig」を使って、影響を受けるコンピュータ内で以下の暗号資産を採掘します。
    • Monero
    • Raven
    • Verus
  • バイナリパディングを使用して自身のファイルおよび作成されたファイル「%ProgramData%\MuteApps\MDOH.exe」のサイズを大きくします。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 18.704.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2023年9月18日
VSAPI OPR パターンバージョン 18.705.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2023年9月19日

手順 1

Windows 7、Windows 8、Windows 8.1、および Windows 10 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

セーフモード時のスケジュールタスクの削除方法

  1. セーフモードのまま、以下の{タスク名}-{実行するタスク}のリストを使用し、以下のステップで確認する必要があります。
    • Task Name: MDOH
    • Task to be run: cmd /c %ProgramData%\MuteApps\MDOH.exe
  2. Windows 7 および Server 2008 (R2) をご使用の場合は、[スタート] > [コンピューター] をクリックします。
    • Windows 8、8.1、10、Server 2012をご使用の場合は、画面左下で右クリックし、「ファイルエクスプローラ」をクリックします。
  3. PCの検索欄に、次のように入力します。
    • System%\Tasks\{タスク名}
  4. ファイルを選択し、SHIFT+DELETEキーを押して削除します。
  5. レジストリエディタを開き、以下を実行してください。
    • Windows 7およびServer 2008(R2)をご使用の場合は、[スタート]ボタンをクリックし、[検索]入力フィールドに「regedit」と入力し、Enterキーを押します。
    • Windows 8、8.1、10、およびServer 2012(R2)をご使用の場合は、画面の左下隅を右クリックし、[実行]をクリックして、テキストボックスに「regedit」と入力します。
  6. レジストリエディタウィンドウの左パネルで、以下をダブルクリックします。
    • HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Schedule>TaskCache>Tree>{タスク名}
  7. 作成されたエントリを探し、レジストリ値のデータをメモする。
    • ID={タスクデータ}
  8. データを記録した後、レジストリキーを削除します。
    • HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Schedule>TaskCache>Tree>{タスク名}
  9. レジストリエディタウィンドウの左パネルで、以下をダブルクリックします。
    • HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows NT>CurrentVersion>Schedule>TaskCache>Tasks
  10. 左側のパネルで、手順6で配置したTask Dataと同じ名前のレジストリキーを探して削除します。
    • ={タスクデータ}
  11. レジストリエディタを閉じます。

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\
    • MDOH

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %ProgramData%\MuteApps\MDOH.exe
  • %ProgramData%\MuteApps\uninstall.dat
  • %Application Data%\screen.jpg
  • %User Temp%\tmp1B7E.tmp.bat

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %ProgramData%\MuteApps

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TrojanSpy.MSIL.REDLINE.YJDIM」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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