Trend Micro Security

TrojanSpy.MSIL.NEGASTEAL.FAB

2020年2月12日
 解析者: Karen Ivy Titiwa   

 別名:

HEUR:Trojan.MSIL.Crypt.gen (KASPERSKY); Trojan.GenericKD.32994568 (BITDEFENDER)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、特定のレジストリ値を追加し、タスクマネージャを無効にします。これにより、通常はタスクマネージャを介して行うスパイウェアのプロセスの終了が実行できなくなります。 スパイウェアは、タスクマネージャやレジストリエディタ、フォルダオプションを無効にします。

スパイウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。


  詳細

ファイルサイズ 483,328 bytes
タイプ , EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2020年1月28日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のフォルダを追加します。

  • %AppDataLocal%\nrAUcY -> this is where component and dropped files are stored

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %AppDataLocal%\nrAUcY\nrAUc.exe → copy of this malware
  • %AppDataLocal%\nrAUcY\nrAUc.vbs → contains command to execute the dropped exe file
  • %AppDataLocal%\nrAUcY\nrAUcYEQU.hta → contains command to execute the vbs file
  • %Application Data%\S_{random}_{date}.jpeg → screenshot

(註:%AppDataLocal%フォルダは、ローカルアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。. %Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

スパイウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • InstallUtil.exe

自動実行方法

スパイウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
nrAUc = %AppDataLocal%\nrAUcY\nrAUcYEQU.hta

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\
Microsoft\Windows\System
DisableCMD = 1

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoRun = 1

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoControlPanel = 1

スパイウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
EnableLUA = 0

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableRegistryTools = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\SystemRestore
DisableSR = 1

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加し、タスクマネージャを無効にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableTaskMgr = 1

スパイウェアは、以下のレジストリ値を追加し、タスクマネージャやレジストリエディタ、フォルダオプションを無効にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableTaskMgr = 1

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoFolderOptions = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoFolderOptions = 1

ダウンロード活動

スパイウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正なファイルをダウンロードして実行します。

  • http://{BLOCKED}m.com

スパイウェアは、以下のファイル名でダウンロードしたファイルを保存します。

  • %User Temp%\nqY

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • UserName
  • ComputerName
  • OSFullName
  • Processor Name
  • Amount of PhysicalMemory
  • Username and password from the following applications
    • Opera Browser
    • Yandex Browser
    • 360 Browser
    • Iridium Browser
    • Comodo Dragon
    • Cool Novo
    • Chromium
    • Torch Browser
    • 7Star
    • Amigo
    • Brave
    • CentBrowser
    • Chedot
    • Coccoc
    • Elements Browser
    • Epic Privacy
    • Kometa
    • Orbitum
    • Sputnik
    • Uran
    • Vivaldi
    • Citrio
    • Liebao Browser
    • Sleipnir 6
    • QIP Surf
    • Coowon

スパイウェアは、ユーザのキー入力操作情報を記録し、情報を収集します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.676.04
初回 VSAPI パターンリリース日 2020年2月10日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.677.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2020年2月11日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

     
    • Troj.Win32.TRX.XXPE50FFF033

手順 2

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

「TrojanSpy.MSIL.NEGASTEAL.FAB」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 6

メモリ上で実行されているプロセスを終了します。

[ 詳細 ]

註:検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。
  • %User Temp%\nqY

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %AppDataLocal%\nrAUcY\nrAUc.exe
  • %AppDataLocal%\nrAUcY\nrAUc.vbs
  • %AppDataLocal%\nrAUcY\nrAUcYEQU.hta
  • %Application Data%\S_{random}_{date}.jpeg
  • %User Temp%\nqY

手順 8

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %AppDataLocal%\nrAUcY

手順 9

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • nrAUc = %AppDataLocal%\nrAUcY\nrAUcYEQU.hta
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • DisableTaskMgr = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • NoFolderOptions = 1
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • NoFolderOptions = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Policies\Microsoft\Windows\System
    • DisableCMD = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • NoRun = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • NoControlPanel = 1

手順 10

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • EnableLUA = from 0 to {default}
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • DisableRegistryTools = from 1 to {default}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\SystemRestore
    • DisableSR = from 1 to {default}

手順 11

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TrojanSpy.MSIL.NEGASTEAL.FAB」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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