Trend Micro Security

TrojanSpy.MSIL.GOLROTED.BABDC

2020年2月11日
 解析者: Patrick Noel Collado   

 別名:

Backdoor:MSIL/Bladabindi!rfn (Microsoft); HEUR:Trojan-Spy.MSIL.AveMaria.gen (Kaspersky)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: スパイウェア/情報窃取型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

スパイウェアは、感染コンピュータや感染ユーザから特定の情報を収集します。 スパイウェアは、特定のオンラインゲームに関連するユーザ名やパスワードといった個人情報を収集します。


  詳細

ファイルサイズ 1,046,528 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2020年1月19日
ペイロード ファイルの作成

侵入方法

スパイウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

スパイウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\WindowsUpdate.exe
  • %Application Data%\pid.txt
  • %Application Data%\pidloc.txt

(註:%Application Data%フォルダは、現在ログオンしているユーザのアプリケーションデータフォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data" です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

自動実行方法

スパイウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Windows Update = %Application Data%\WindowsUpdate.exe

他のシステム変更

スパイウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
Hidden = 1

情報漏えい

スパイウェアは、以下の情報を収集します。

  • Bitcoin wallet
  • List of AV Products
  • List of Firewall Products
  • Language
  • OS Name
  • OS Version
  • OS Platform
  • Computer Name
  • Processor ID

スパイウェアは、以下のオンラインゲームに関連するユーザ名やパスワードといった個人情報を収集します。

  • Minecraft credentials
  • RuneScape Bank Pins

スパイウェアは、以下のブラウザから、ユーザ名、パスワードやホスト名といった保存された情報を収集します。

  • Internet Explorer
  • Opera
  • Firefox
  • Chrome
  • Safari
  • SeaMonkey

スパイウェアは、保存されている以下のEメール認証情報を収集します。

  • Thunderbird Mail
  • Eudora
  • MS Outlook
  • Outlook Express
  • IncrediMail
  • Internet Account Manager
  • Windows Mail
  • Windows Live Mail
  • Yahoo! Mail
  • Group Mail Free
  • Netscape Mail
  • Hotmail/MSN
  • Gmail

情報収集

スパイウェアは、以下のファイル内に収集した情報を保存します。

  • %User Temp%\wallet.dat <- file that holds the user's bitcoin currency
  • %User Temp%\holdermail.txt <- contains the stolen email credentials
  • %User Temp%\holderwb.txt <-contains the stolen information from web browsers

(註:%User Temp%フォルダは、現在ログオンしているユーザの一時フォルダです。Windows 2000(32-bit)、XP、Server 2003(32-bit)の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"です。また、Windows Vista、7、8、8.1、2008(64-bit)、2012(64-bit)、10(64-bit)の場合、通常 "C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

スパイウェアは、SMTPを用いて、自身が収集した情報を以下のEメールアドレスに送信します。

  • {BLOCKED}y@brightsteelfactory.com

その他

スパイウェアは、以下を実行します。

  • The email has the following characteristics:
    • Uses any of the following strings as it's subject:
      • HawkEye Keylogger | BitCoin Stealer | {Computer Name} | {Processor ID}
      • HawkEye Keylogger | MineCraft Stealer | {Computer Name} | {Processor ID}
      • HawkEye Keylogger | RuneScape Stealer | {Computer Name} | {Processor ID}
      • HawkEye Keylogger | Keylog Records | {Computer Name} | {Processor ID}
      • HawkEye Keylogger | Execution Confirmed | {Computer Name} | {Processor ID}
      • HawkEye Keylogger | Stealer Records | {Computer Name} | {Processor ID}
    • The email body contains the stolen information
    • The email uses 5PZK@M8dou@H as the password


  対応方法

対応検索エンジン: 9.850
初回 VSAPI パターンバージョン 15.670.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2020年2月7日
VSAPI OPR パターンバージョン 15.671.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2020年2月8日

手順 1

トレンドマイクロの機械学習型検索は、マルウェアの存在を示す兆候が確認された時点で検出し、マルウェアが実行される前にブロックします。機械学習型検索が有効になっている場合、弊社のウイルス対策製品はこのマルウェアを以下の機械学習型検出名として検出します。

手順 2

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 4

「TrojanSpy.MSIL.GOLROTED.BABDC 」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Windows Update = %Application Data%\WindowsUpdate.exe

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: Hidden = 1
      To: Hidden = {User Preference}

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\WindowsUpdate.exe
  • %User Temp%\SysInfo.txt
  • %Application Data%\pid.txt
  • %Application Data%\pidloc.txt
  • %User Temp%\wallet.dat
  • %User Temp%\holdermail.txt
  • %User Temp%\holderwb.txt

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TrojanSpy.MSIL.GOLROTED.BABDC 」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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