Trend Micro Security

TROJ_TRACUR.SMWX

2012年10月9日
 解析者: Kathleen Notario   

 別名:

Trojan.Gen.2 (Symantec); Mal/Tracur-C (Sophos)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。


  詳細

ファイルサイズ 539,648 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年7月19日
ペイロード プロセスの強制終了

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System%\{random file name}32.dll - also detected as TROJ_TRACUR.SMWX
  • %System%\1243398548 - non-malicious file

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\{random file name}32.exe

(註:%System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\{random service name}32
ImagePath = "%System%\{random file name}32.exe"

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{random CLSID}\
InprocServer32
(default) = "%System%\{random file name}32.dll"

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加し、自身をBrowser Helper Object(BHO)として登録します。これにより、Internet Explorer(IE)が起動するとマルウェアが自動実行されます。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Browser Helper Objects\{random CLSID}

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main
XMLHTTP_UUID_Default = "{hex values}"

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Microsoft\Internet Explorer\Main
XMLHTTP_UUID_Default = "{hex values}"

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\.fsharproj

HKEY_CLASSES_ROOT\Hrkkdxtnkr

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{random CLSID}

HKEY_CLASSES_ROOT\Software\Hrkkdxtnkr

HKEY_CURRENT_USER\Software\Hrkkdxtnkr

HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\
Hrkkdxtnkr

プロセスの終了

マルウェアは、感染コンピュータ上で以下のプロセスが常駐されていることを確認した場合、そのプロセスを終了します。

  • chrome.exe


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
初回 VSAPI パターンバージョン 8.299.00
初回 VSAPI パターンリリース日 2011年7月19日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 3

追加されたランダムなCLSIDキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

手順 4

このマルウェアが追加したランダムなサービスキーの削除を削除します。

  1. 最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。検出したマルウェアのパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。
  2. 「レジストリエディタ」を起動します。
    [スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、regedit と入力し、[OK]をクリックします。
    ※regedit は半角英数字で入力する必要があります(大文字/小文字は区別されません)。
  3. [CTRL]+[F]で[検索]ダイアログボックスを表示します。
  4. 検索ダイアログボックス内に、上記で検出したマルウェアのファイル名を入力し、[次を検索]をクリックします。
    (註:ダイアログボックス内のチェックボックスは、[データ]のみがチェックされていることを確認してから[次を検索]をクリックしてください。)
  5. find.

  6. 上記で確認したマルウェアのファイル名が確認できた場合、右パネルに以下のレジストリ値が存在することを確認します。

    ImagePath = <上記で確認したマルウェアのパス名およびファイル名>

  7. このレジストリ値が確認できた場合、左側のパネルで、このレジストリ値が属するサービスキーを検索します。
  8. 左側のパネルで検索したサービスキー上で右クリックし、[削除]を選択します。
  9. [レジストリをすべて検索しました]というダイアログボックスが表示されるまで、手順2.)から6.)を繰り返してください。
  10. レジストリエディタを閉じてください。

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • XMLHTTP_UUID_Default = {hex values}
  • In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • XMLHTTP_UUID_Default = {hex values}

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CLASSES_ROOT
    • .fsharproj
  • In HKEY_CLASSES_ROOT
    • Hrkkdxtnkr
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID
    • {random CLSID}
  • In HKEY_CLASSES_ROOT\Software
    • Hrkkdxtnkr
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software
    • Hrkkdxtnkr
  • In HKEY_USERS\.DEFAULT\Software
    • Hrkkdxtnkr

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System%\1243398548

手順 8

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Profile%\Application Data\Mozilla\Firefox\Profiles\{random}.default\extensions\{random CLSID for Firefox}
  • %Application Data%\Google\Chrome\User Data\Default\Default\{random folder name}

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_TRACUR.SMWX」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


ご利用はいかがでしたか? アンケートにご協力ください

関連マルウェア