Trend Micro Security

TROJ_SHARIK.YUYKD

2016年12月6日
 解析者: Michael Jay Villanueva   

 別名:

Troj.W32.Sharik.rlp!c (AegisLab); Trojan/Win32.Sharik (Antiy-AVL)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

マルウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 73,728 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2016年12月1日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\{random1}\{random2}.exe
  • %User Temp%\{random1}\{random2}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.. %User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • svchost.exe

マルウェアは、以下のフォルダの属性をシステムフォルダおよび隠しフォルダに設定します。これにより、自身のコンポーネントの検出および削除を避けます。

  • %Application Data%\{random1}
  • %User Temp%\{random1}

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.. %User Temp%フォルダは、ユーザの一時フォルダで、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。.)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • hashed computer name and volume serial number

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • explorer.exe
  • created svchost.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer\Run
{installed program name in the system} = "%Application Data%\{random1}\{random2}.exe

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{installed program name in the system} = "%Application Data%\{random1}\{random2}.exe

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer\Run
{installed program name in the system} = "%User Temp%\{random1}\{random2}.exe

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{installed program name in the system} = "%User Temp%\{random1}\{random2}.exe

マルウェアは、<User Startup>フォルダ内に、自身のコピーに誘導する以下のショートカットを作成します。これにより、Windows起動時に自身のコピーが自動実行されます。

  • %User Startup%\{random1}.lnk

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • http://www.msn.com

マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。 <ul>ハッシュ化されたコンピュータ名およびボリュームシリアル番号

マルウェアは自身の不正活動を実行する前に以下の確認を行います。

  • 以下のPEB構造のフラグがデバッグされていることを示していないこと。
    • IsDebugging
    • NtGlobalFlag
  • モジュールファイル名が文字列“sample”を含んでいないこと。
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall下のレジストリサブキーが以下のJoe Sandboxのフィンガプリントの可能性がある文字列を含んでいないこと。
    • AutoItv3
    • CCleaner
    • WIC
  • ボリュームシリアル番号が以下の値でないこと。
    • 0xCD1A40 (ThreatExpert)
    • 0x70144646 (Malwr)
  • HKEY_LOCAL_MACHINE\System\CurrentControlSet\Services\Disk\Enum 下のレジストリデータが以下の文字列を含んでいないこと。
    • qemu
    • virtual
    • vmware
    • xen
  • 以下のモジュールが読み込まれていないこと。
    • dbghelp
    • sbiedll

インストールされたパスは%Application Data%\{random1}\または%User Temp%\{random1}\ のいずれかです。

文字列 {random1} および{random2} は、ハッシュ化されたコンピュータ名から生成されます。

{random1} および{random2} は、ハッシュ化されたコンピュータ名から生成されます。

マルウェアは、自動実行のレジストリ値を1つだけ作成します。

マルウェアは、自身の自動実行レジストリを監視するスレッドを作成します。

マルウェアは、ウィンドウ“Shell_TrayWnd”を検索した後、このウィンドウに関連するプロセスを開き、自身のコードを実行します。通常、に“Shell_TrayWnd”に関連するプロセスは、“explorer.exe”です。マルウェアは、この不正活動を実行し、“explorer.exe”にコードを組み込みます。コードの組み込みに失敗した場合は、代わりに”svchost.exe“にコードを組み込みます。

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.175.138/81pRaeqJ0XF

マルウェアは、以下のHTTPリクエストを送信し、感染状況を報告します。


cmd={getload or grab or getproxy}
login={hashed computer name and volume serial number}
bits={value}
file={value}
run=ok
run=fail
sel={malware version/name}
ver={os version}
doubles=1
personal=ok
removed=ok
admin={value}
hash={value}

ただし、情報公開日現在、上述のWebサイトおよびHTTPリクエストにはアクセスできません。

マルウェアは、以下のレジストリ値で確認されるURLへアクセスし、ネットワーク監視ツールによる検知からC&Cサーバを隠ぺいして、ユーザを欺きます。

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall\{Installed Program}
HelpLink = ""{url related to installed program}

HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Uninstall\{Installed Program}
URLInfoAbout = "{url related to installed program}

マルウェアは、ルートキット機能を備えていません。

マルウェアは、脆弱性を利用した感染活動を行いません。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.800
初回 VSAPI パターンバージョン 12.932.05
初回 VSAPI パターンリリース日 2016年12月1日
VSAPI OPR パターンバージョン 12.933.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2016年12月2日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\Run
    • {installed program name in the system} = "%Application Data%\{random1}\{random2}.exe
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {installed program name in the system} = "%Application Data%\{random1}\{random2}.exe
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\Run
    • {installed program name in the system} = "%User Temp%\{random1}\{random2}.exe
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {installed program name in the system} = "%User Temp%\{random1}\{random2}.exe

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{random1}\{random2}.exe
  • %User Temp%\{random1}\{random2}.exe
  • %User Startup%\{random1}.lnk

手順 6

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\{random1}\
  • %User Temp%\{random1}\

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_SHARIK.YUYKD」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_SHARIK.YUYKD」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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