Trend Micro Security

TROJ_ROPEST.A

2014年7月21日
 解析者: Al Victor de Leon   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。 マルウェアは、他のマルウェアまたはグレイウェアのパッケージとともにコンポーネントとして、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、Internet Explorer(IE)のゾーン設定を変更します。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 31,493,632 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2014年7月16日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, 情報収集

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、他のマルウェアまたはグレイウェアのパッケージとともにコンポーネントとして、コンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\Microsoft\Windows\{file name}.exe
    - where as the file name can be similar name in any exe file located in system directory

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %AppDataLocal%\Temp\{file name 2}.exe
    - where as the file name 2 can be similar name in any exe file located in system directory
    - detected as TROJ_ROPEST.B

(註:%AppDataLocal%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local" です。)

マルウェアは、以下の Mutex を作成し、メモリ上で自身の重複実行を避けます。

  • shell.{GUID}

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{file name} = "%Application Data%\Microsoft\Windows\{file name}.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
{file name} = "%Application Data%\Microsoft\Windows\{file name}.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
Run = "%Application Data%\Microsoft\Windows\{file name}.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Command Processor
AutoRun = "%Application Data%\Microsoft\Windows\{file name}.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
SCRNSAVE.EXE = "%Application Data%\Microsoft\Windows\{file name}.exe"

マルウェアは、<User Startup>フォルダ内に、自身のコピーに誘導する以下のショートカットを作成します。これにより、Windows起動時に自身のコピーが自動実行されます。

  • %User Startup%\{file name}.lnk

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 98 および ME の場合、通常、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup"、Windows NT の場合、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" および "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" です。)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
VisualEffects\TooltipShadow

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Internet Explorer\Main
NoProtectedModeBanner = 1

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main\FeatureControl\
FEATURE_BROWSER_EMULATION
"{filename}.exe" = 8000

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Main\FeatureControl\
FEATURE_GPU_RENDERING
"{filename}.exe" = 1

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
VisualEffects\TooltipShadow
{random} = "{encrypted data}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
VisualEffects\TooltipShadow
DefaultApplied = 108

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
VisualEffects\TooltipShadow
DefaultValue = 1

バックドア活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、不正リモートユーザからのコマンドを送受信します。

  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.220.23:8080
  • {BLOCKED}.{BLOCKED}.141.72.8080

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

マルウェアは、IEのゾーン設定を変更します。

情報収集

マルウェアは、HTTPポスト を介して、収集した情報を以下のURLに送信します。

  • http://{url}:8080/pgt/?ver={BUILD_VERSION}&id={GROUP_ID}&r={DATE_OF_INFECTION}&os={OS}|{INT_1}|{IE_VERSION}&res={INT_2}|{RAM}|{INT_3}
    ver = Build version
    id = Group ID
    r = Current infection date/time
    os = Windows version | {integer} | IE version | Service pack version
    res = {integer} | RAM | {integer}

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスしてインターネット接続を確認します。

  • www.livejournal.com

マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 10.928.03
初回 VSAPI パターンリリース日 2014年7月17日
VSAPI OPR パターンバージョン 10.929.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2014年7月17日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsの検索機能([スタート] → [検索] → [ファイルとフォルダすべて] を選択)などを使用して、この「TROJ_ROPEST.A」が作成、あるいは、ダウンロードした以下のファイルを検索し、検索した場合は削除してください。

    • TROJ_ROPEST.B 

手順 4

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 5

以下のレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\VisualEffects
    • TooltipShadow

手順 6

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {file name} = "%Application Data%\Microsoft\Windows\{file name}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • {file name} = "%Application Data%\Microsoft\Windows\{file name}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • Run = "%Application Data%\Microsoft\Windows\{file name}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Command Processor
    • AutoRun = "%Application Data%\Microsoft\Windows\{file name}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Desktop
    • SCRNSAVE.EXE = "%Application Data%\Microsoft\Windows\{file name}.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Internet Explorer\Main
    • NoProtectedModeBanner = 1
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main\FeatureControl\FEATURE_BROWSER_EMULATION
    • "{filename}.exe" = 8000
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Main\FeatureControl\FEATURE_GPU_RENDERING
    • "{filename}.exe" = 1

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Startup%\{file name}.lnk
  • %AppDataLocal%\Temp\{file name 2}.exe

手順 8

Internet Explorer(IE)のスタートページおよび検索ページの設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 9

起動中ブラウザのウインドウを全て閉じてください。

手順 10

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_ROPEST.A」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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