Trend Micro Security

TROJ_RANSOM.CQIO

2013年5月6日
 解析者: Roland Marco Dela Paz   
 更新者 : Sabrina Lei Sioting

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows Server 2003, Windows XP (32-bit, 64-bit), Windows Vista (32-bit, 64-bit), Windows 7 (32-bit, 64-bit)

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、タスクマネージャやレジストリエディタ、フォルダオプションを無効にします。


  詳細

ファイルサイズ 67,072 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年6月8日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Application Data%\Realtec\Realtecdriver.exe
  • %Application Data%\{random}\{random}.exe
  • %System%\{random}.exe

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。. %System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Application Data%\Realtec
  • %Application Data%\{random}

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Realtecdriver = "%Application Data%\Realtec\Realtecdriver.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
B0B2D6E3 = "%Application Data%\{random}\{random}.exe"

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Userinit = "%System%\userinit.exe,%System%\{random}.exe,"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「 %System%\userinit.exe,」となります。)

マルウェアは、特定のアプリケーションの起動時に自身が自動実行されるよう、「Image File Execution Options」キーを用いて以下のレジストリキーおよびレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
{application name}
Debugger = "P9KDMF.EXE"

他のシステム変更

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
{application name}

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加し、タスクマネージャやレジストリエディタ、フォルダオプションを無効にします。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableRegistryTools = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableRegedit = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
system
DisableRegedit = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
system
DisableTaskMgr = "1"

マルウェアは、以下のレジストリキーを削除します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\SafeBoot

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\SafeBoot\Minimal

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Control\SafeBoot\Network

<アプリケーション名>には以下のいずれかが該当します。

  • msconfig.exe
  • regedit.exe
  • taskmgr.exe

その他

マルウェアは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • http://{BLOCKED}om/a.php?id={random}&cmd=img
  • http://{BLOCKED}fo.com/a.php?id={random}&cmd=img


  対応方法

対応検索エンジン: 9.300
初回 VSAPI パターンバージョン 9.178.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年6月8日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

スタートアップディスク、または、回復コンソールを用いて、「TROJ_RANSOM.CQIO」として検出されたファイルを確認し削除します。

[ 詳細 ]

手順 3

レジストリエディタ、タスクマネージャおよびフォルダオプションの機能を修復します。

On Error Resume Next Set shl = WScript.CreateObject("WScript.Shell") shl.RegWrite "HKEY_CURRENT_USER\\Software\\Microsoft\\Windows\\CurrentVersion\\Policies\\System\\DisableRegistryTools", "0", "REG_DWORD" shl.RegWrite "HKEY_CURRENT_USER\\Software\\Microsoft\\Windows\\CurrentVersion\\Policies\\System\\DisableTaskMgr", "0", "REG_DWORD" shl.RegWrite "HKEY_LOCAL_MACHINE\\Software\\Microsoft\\Windows\\CurrentVersion\\Policies\\System\\DisableRegistryTools", "0", "REG_DWORD" shl.RegWrite "HKEY_LOCAL_MACHINE\\Software\\Microsoft\\Windows\\CurrentVersion\\Policies\\System\\DisableTaskMgr", "0", "REG_DWORD"
  1. メモ帳などのテキストエディタを開きます。
    • Windows 2000、 XP および Server 2003 の場合
      [スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、notepad と入力し、Enter を押します。
    • Windows Vista および 7 の場合
      [スタート]をクリックし、[プログラムとファイルの検索]にnotepad と入力し、Enter を押します。
      ※"notepad" は半角英数字で入力する必要があります(大文字/小文字は区別されません)。
  2. 以下の文字列をテキストエディタにコピーしてください。
  3. "C:RESTORE.VBS" のファイル名でこのファイルを保存してください。
  4. ファイル "C:RESTORE.VBS" を開きます。
    • Windows 2000、 XP および Server 2003 の場合
      [スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、C:RESTORE.VBS と入力し、Enter を押します。
    • Windows Vista および 7 の場合
      [スタート]をクリックし、[プログラムとファイルの検索]に C:RESTORE.VBS と入力し、Enter を押します。
  5. 確認画面が表示されたら[はい]を選択し、このファイルを実行してください。

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options
    • {application name}

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Realtecdriver = "%Application Data%\Realtec\Realtecdriver.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • B0B2D6E3 = "%Application Data%\{random}\{random}.exe"

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Userinit = "%System%\userinit.exe,%System%\{random}.exe,"
      To: Userinit = %System%\userinit.exe,

手順 7

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\Realtec
  • %Application Data%\{random}

手順 8

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_RANSOM.CQIO」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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