Trend Micro Security

TROJ_MADIH.SM

2012年7月20日
 解析者: Jed Valderama   

 別名:

TrojanDownloader:Win32/Delf.QR (Microsoft); Trojan.Win32.Upof.c (Kaspersky); W32/Pinkslipbot (NAI)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

このマルウェアは、メディアやセキュリティ企業からの注目を集めています。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 279,040 bytes
タイプ EXE, DOC
メモリ常駐 なし
発見日 2012年7月19日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルの作成

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のコンポーネントファイルを作成します。

  • %User Profile%\PrintHood\pangtip.bat

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %User Profile%\UpBackup\UpdateOffice.exe
  • %User Profile%\PrintHood\UpdateOffice.exe

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Shell Folders
Startup = "%User Profile%\UpBackup"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%Start Menu%\Program\Startup」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
User Shell Folders
Startup = "%User Profile%\UpBackup"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「%Start Menu%\Program\Startup (in hex values) 」となります。)

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.57.28
  • http://www.{BLOCKED}l.in/ASLK/khaki/Abi/UUUU.htm

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Profile%\PrintHood\{ten letter random file names).TMP
  • %User Profile%\PrintHood\{~20 letter random file names}.PRI
  • %User Profile%\PrintHood\{abbreviated malware file name}.exe.pkxm
  • %User Profile%\PrintHood\{ten letter random file names).dll
  • %User Profile%\Templates\nam.dll
  • %User Profile%\PrintHood\mahdi.txt

(註:%User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)


  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 9.272.02
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年7月19日
VSAPI OPR パターンバージョン 9.273.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年7月20日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TROJ_MADIH.SM」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

「TROJ_MADIH.SM」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは Process Explorer に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Shell Folders
    • From: Startup = "%User Profile%\UpBackup"
      To: Startup = "%Start Menu%\Program\Startup"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\User Shell Folders
    • From: Startup = "%User Profile%\UpBackup"
      To: Startup = "%Start Menu%\Program\Startup"

手順 5

TROJ_MADIH.SM として検出されたファイルを検索し削除します。

註:このファイルは、隠しファイルとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

不正なコンポーネントファイルの手動削除:

  1. [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
    註:Windowsのバージョンによって異なります。
  2. [ファイル名のすべてまたは一部]に、上記で検出されたファイル名を入力してください。
  3. [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
  4. 検索が終了したら、ファイルを選択し、SHIFT+DELETEを押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
  5. 以下のファイルに対して、この不正なコンポーネントファイルの削除の手順2.)から4.)を繰り返してください。

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Profile%\PrintHood\mahdi.txt
  • %User Profile%\PrintHood\pangtip.bat
  • %User Profile%\PrintHood\{abbreviated malware file name}.exe.pkxm
  • %User Profile%\PrintHood\{ten letter random file names).dll
  • %User Profile%\PrintHood\{ten letter random file names).TMP
  • %User Profile%\PrintHood\{~20 letter random file names}.PRI
  • %User Profile%\Templates\nam.dll

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_MADIH.SM」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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