Trend Micro Security

TROJ_KRAP.AB

2013年11月26日
 更新者 : Michael Cabel

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。 マルウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、フォルダを作成し、このフォルダ内に自身のファイルを作成します。 マルウェアは、プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

マルウェアは、Internet Explorer(IE)のゾーン設定を変更します。

マルウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。 マルウェアは、特定の銀行および金融機関のWebサイトで利用されるユーザ名やパスワードなどの個人情報を収集します。


  詳細

ファイルサイズ 不定
タイプ PE
メモリ常駐 はい
発見日 2010年9月13日
ペイロード 情報収集, ファイルの作成

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、以下のリモートサイトからダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

  • http://{BLOCKED}line.com/f_32thg2ihfloeil/pxbot.exe

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Application Data%\{random1}\{random}.exe - copy of itself
  • %Application Data%\{random2}\{random}.{3 random alpha character extension name} - encrypted file

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。)

マルウェアは、フォルダを作成し、このフォルダ内に自身のファイルを作成します。

マルウェアは、以下のプロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

  • ctfmon.exe
  • dwm.exe
  • explorer.exe
  • rdpclip.exe
  • taskeng.exe
  • taskhost.exe
  • wscntfy.exe

マルウェアは、プロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{GUID} = {malware path and file name}

他のシステム変更

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Privacy
CleanCookies = 0

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
%Windows%\EXPLORER.EXE = %Windows%\EXPLORER.EXE:*:Enabled:Windows Explorer

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

マルウェアは、IEのゾーン設定を変更します。

情報漏えい

マルウェアは、感染したコンピュータ上でInternet Explorer(IE)の使用状況を監視します。マルウェアは、特にIEのアドレスバーまたはタイトルバー情報を監視しますが、ユーザが銀行関連Webサイトを閲覧しそのサイトのアドレスバーまたはタイトルバーに以下の文字列が含まれていた場合、正規Webサイトを装った偽のログインページを作成します。

  • !http://*
  • !*.microsoft.com/*
  • !http://*myspace.com*
  • !http://*odnoklassniki.ru/*
  • !http://vkontakte.ru/*
  • @*/login.osmp.ru/*
  • @*/atl.osmp.ru/*
  • http://www.hsbc.co.uk/1/2*
  • https://www.hsbc.co.uk/1/2*
  • http://www.halifax.co.uk/onlineservices/login.asp*
  • https://www.halifax-online.co.uk/*
  • https://banking.halifax-online.co.uk/*
  • http://www.bankofscotlandhalifax-online.co.uk/
  • https://www.bankofscotlandhalifax-online.co.uk/*
  • https://banking.bankofscotlandhalifax-online.co.uk/*
  • https://ibank.barclays.co.uk/*

マルウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、自身の環境設定ファイルをダウンロードします。

  • http://{BLOCKED}line.com/ups/dcfg1.bin

ダウンロードされたファイルには、自身のコピーの更新版ファイルのダウンロード元および収集した情報の送信先が記載されています。

マルウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • Barclays
  • HSBC
  • Halifax
  • Microsoft
  • Myspace
  • OSPM
  • Odnoklassniki
  • Vkontakte

情報の送信先

収集された情報は、以下のWebサイトにアップロードされます。

  • http://{BLOCKED}line.com/f_32thg2ihfloeil/yif3hj373959fd/gate_38g72fugh32ufi.php

ハッシュ値情報

マルウェアは、以下のMD5ハッシュ値を含んでいます。

  • 6e55898aae6ac1a9fb23c1d8046d77d1
  • f0118c4e79b3189a37ee198a3a3ca557

マルウェアは、以下のSHA1ハッシュ値を含んでいます

  • 45f29fc210ad146d4a21ad00160827faa7318938
  • b5f8b7c6596b31c3424999adc8ee4be764e99cc9


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
VSAPI パターンファイル: 07.458.04
VSAPI パターンリリース日: 2010年9月13日
VSAPI パターンリリース日: 9/13/2010 12:00:00 AM

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TROJ_KRAP.AB」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Privacy
    • CleanCookies = 0
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {GUID} = {malware path and file name}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • %Windows%\EXPLORER.EXE = %Windows%\EXPLORER.EXE:*:Enabled:Windows Explorer

手順 5

Internet Explorer(IE)のセキュリティ設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_KRAP.AB」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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