Trend Micro Security

TROJ_KILIM.EFLD

2015年5月26日
 解析者: Miguel Carlo Ang   

 別名:

Trojan:MSIL/Kilim(Microsoft);Trojan-Notifier.MSIL.Agent.ax(Kaspersky);Atros.AGPA(AVG)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

トレンドマイクロは、このマルウェアをNoteworthy(要注意)に分類しました。

マルウェアは、動画再生に必要なChromeのブラウザプラグインを装います。ユーザは、ソーシャル・ネットワーキング・サイト「Facebook」でリンクが記載されたメッセージを受信します。リンクをクリックすると、Facebookに見えるページに誘導されます。そのため、ユーザは偽のChromeのブラウザプラグインがダウンロードされることに不審を待ちません。

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 419,840 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2015年5月14日
ペイロード URLまたはIPアドレスに接続, ファイルのダウンロード

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System%\Tasks\winspt - scheduled task(Windows Vista above)

(註:%System%フォルダは、システムフォルダで、いずれのオペレーティングシステム(OS)でも通常、"C:\Windows\System32" です。.)

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %Application Data%\startupbt.bat - used to create scheduled task
  • %Application Data%\winsner.exe - contains main routine (also detected as TROJ_KILIM.EFLD)

(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

マルウェアは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。

自動実行方法

この「スケジュールされたタスク」により、以下の時間ごとにマルウェアが実行されます。

  • ONLOGON (at user login)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Schedule\
TaskCache\Tree\winspt

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Schedule\
TaskCache\Logon\{ID of created scheduled task}

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Schedule\
TaskCache\Tree\winspt
Id = "{ID of created scheduled task}"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Schedule\
TaskCache\Tree\winspt
Index = 2

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Schedule\
TaskCache\Logon\{ID of created scheduled task}
Path = "\winspt"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Schedule\
TaskCache\Tasks\{ID of created scheduled task}
Triggers = {data}

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Schedule\
TaskCache\Tasks\{ID of created scheduled task}
DynamicInfo = {data}

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}s.{BLOCKED}g.us/pingjs/?k=sanerdown
  • http://{BLOCKED}i.{BLOCKED}e/saner.php
  • http://{BLOCKED}s.{BLOCKED}g.us/pingjs/?k=sanerindi

マルウェアは、自動起動としてスケジュールされたタスクをタスクネーム"winspt"で作成し、目的としたファイル"%Application Data%\winsner.exe"を作成します。

マルウェアは、"http://fei.{BLOCKED}e/saner.php"に接続して以下を取得します。

  • ファイルをダウンロードするためのURLのリスト 
  • ダウンロードに利用されるパスおよびファイル名

マルウェアは、特定のパス名およびファイル名を利用してURLからファイルをダウンロードし、実行します。結果、ダウンロードされたファイルの不正活動が感染コンピュータ上で確認されます。

URLの取得に成功すると、マルウェアは、"http://whos.{BLOCKED}g.us/pingjs/?k=sanerindi"に接続して、ファイルの実行が成功したか否かを伝えます。ダウンロードされたファイルが実行された後、マルウェアはダウンロードされたファイルの実行状態(成功したか失敗したか)を自身のコマンド&コントロール(C&C)サーバに報告します。

マルウェアは、以下の情報をC&Cサーバに送信します。

  • オペレーティングシステム(OS)のバージョン


  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
初回 VSAPI パターンバージョン 11.668.09
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年5月10日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.669.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年5月11日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

マルウェアが追加したスケジュールタスクを削除します。

[ 詳細 ]

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %Application Data%\startupbt.bat

手順 6

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Schedule\TaskCache\Logon
    • {ID of created scheduled task}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Schedule\TaskCache\Tree
    • winspt

手順 7

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_KILIM.EFLD」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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