Trend Micro Security

TROJ_FAKEAV.KAX

2012年10月8日
 解析者: Karl Dominguez   

 プラットフォーム:

Windows 2000, XP, Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

マルウェアは、偽のセキュリティソフトを装った不正活動をします。マルウェアは、偽の警告およびスキャン結果を表示し、また、自身をインストールする際、他のアプリケーションもインストールします。このインストールされたアプリケーションもこのマルウェアとして検出されます。 マルウェアは、ユーザの感染を通知する偽の警告を表示します。また、感染したコンピュータの偽のスキャン結果を表示します。スキャンが完了すると、ユーザに製品の購入を要求します。ユーザが偽の製品を購入しようとすると、ユーザを特定のWebサイトに誘導してクレジットカード番号といった個人情報を要求します。


  詳細

ファイルサイズ 113,486 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2010年9月6日

侵入方法

マルウェアは、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることにより、コンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %Program Files%\Win7 AV

(註:%Program Files%は、標準設定では "C:\Program Files" です。)

マルウェアは、以下のプロセスにコードを組み込みます。

  • Chrome.exe
  • firefox.exe
  • IExplore.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身をシステムサービスとして登録し、Windows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\windiskdefend
Type = 10

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\windiskdefend
Start = 2

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\windiskdefend
ErrorControl = 1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\windiskdefend
ImagePath = %System%\windiskdefend.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\windiskdefend
DisplayName = Windows Disk Defender

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\windiskdefend
ObjectName = LocalSystem

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
services\windiskdefend
Description = Provides hard disk defend and error check.

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
Win7 AV = %Program Files%\Win7 AV\Win7 AV.exe

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Win7 AV

マルウェアは、インストールの過程で以下のレジストリキーまたはレジストリ値を変更します。

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{C9C42510-9B41-42c1-9DCD-7282A2D07C61}
(Default) = Windows Defendor Web-module

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{C9C42510-9B41-42c1-9DCD-7282A2D07C61}\
InProcServer32
(Default) = %System%\windefWebModule.dll

HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID\{C9C42510-9B41-42c1-9DCD-7282A2D07C61}\
InProcServer32
ThreadingModel = Apartment

ダウンロード活動

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして自身のコンポーネントファイルをダウンロードします。

  • http://initrd.{BLOCKED}v.com/ins/w7avf/0.000/35073951E80010002B1C20V30I7NA/NI/0000/1daf86729ab7e428aed65d56ae6b33d8d0377fb0
  • http://initrd.{BLOCKED}v.com/ins/w7avf/0.000/35073951E80010002B1C20V30I7NA/FL/0000/33ca75c798ceffa5693c41287e19cb6f364a9bc1

その他

このマルウェアのコードから、マルウェアは、以下の機能を備えています。

  • It injects codes to web browsers to display fake infection warnings.

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %Program Files%\\\\Win7 AV\\\\AxInterop.SHDocVw.dll
  • %Program Files%\\\\Win7 AV\\\\base001.dat
  • %Program Files%\\\\Win7 AV\\\\base002.dat
  • %Program Files%\\\\Win7 AV\\\\base003.dat
  • %Program Files%\\\\Win7 AV\\\\Interop.SHDocVw.dll
  • %Program Files%\\\\Win7 AV\\\\Win7 AV.exe
  • %Program Files%\\\\Win7 AV\\\\Win7Browser.exe
  • %Program Files%\\\\Win7 AV\\\\svhostqt.dll
  • %Program Files%\\\\Win7 AV\\\\svhostesl.dll
  • %Program Files%\\\\Win7 AV\\\\sbhostcl.dll
  • %System%\\\\msxml.dll
  • %System%\\\\windefWebModule.dll
  • %System%\\\\windiskdefend.exe
  • %System%\\\\windiskdefend.InstallState
  • %User Profile%\\Desktop\\Win7 AV.lnk

(註:%Program Files%は、標準設定では "C:\Program Files" です。. %System%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\System"、Windows NT および 2000 の場合、"C:\WinNT\System32"、Windows XP および Server 2003 の場合、"C:\Windows\System32" です。. %User Profile% フォルダは、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Profiles\<ユーザ名>"、Windows NTでは、"C:\WINNT\Profiles\<ユーザ名>"、Windows 2000, XP, Server 2003の場合は、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>" です。)

偽セキュリティソフト型不正プログラムによる不正活動

マルウェアは、偽のセキュリティソフトを装った不正活動をします。マルウェアは、偽の警告およびスキャン結果を表示し、また、自身をインストールする際、他のアプリケーションもインストールします。このインストールされたアプリケーションもこのマルウェアとして検出されます。

マルウェアは、ユーザの感染を通知する偽の警告を表示します。また、感染したコンピュータの偽のスキャン結果を表示します。スキャンが完了すると、ユーザに製品の購入を要求します。ユーザが偽の製品を購入しようとすると、ユーザを特定のWebサイトに誘導してクレジットカード番号といった個人情報を要求します。


  対応方法

対応検索エンジン: 8.900
VSAPI パターンファイル: 7.440.07
VSAPI パターンリリース日: 2010年9月6日
VSAPI パターンリリース日: 9/6/2010 12:00:00 AM

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • Win7 AV = %Program Files%\Win7 AV\Win7 AV.exe

手順 3

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CLASSES_ROOT\CLSID
    • {C9C42510-9B41-42c1-9DCD-7282A2D07C61}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Browser Helper Objects
    • {C9C42510-9B41-42c1-9DCD-7282A2D07C61}
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE
    • Win7 AV

手順 4

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
フォルダが隠しフォルダ属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。 %Program Files%\Win7 AV

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。 %System%\msxml.dll
%System%\windefWebModule.dll
%System%\windiskdefend.exe
%System%\windiskdefend.InstallState
%User Profile%\Desktop\Win7 AV.lnk

手順 6

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_FAKEAV.KAX」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

手順 7

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_FAKEAV.KAX」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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