Trend Micro Security

TROJ_FAKEAL.ZVQA

2012年10月9日
 解析者: Kathleen Notario   

 別名:

Trojan:Win32/FakeSysdef (Microsoft); W32/Krap.AON!tr (Fortinet); Trojan W32/FakeAV.AEPB (Norman)

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: なし
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 453,120 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2011年8月31日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %System Root%\Documents and Settings\All Users\Application Data\{random filename2}.exe
  • %System Root%\Documents and Settings\All Users\Application Data\{random filename2}

(註:%System Root%は、標準設定では "C:" です。また、オペレーティングシステムが存在する場所です。)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System Root%\Documents and Settings\All Users\Application Data\{random filename1}.exe

(註:%System Root%は、標準設定では "C:" です。また、オペレーティングシステムが存在する場所です。)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %User Temp%\smtmp
  • %User Temp%\smtmp\1
  • %User Temp%\smtmp\2
  • %User Temp%\smtmp\3
  • %User Temp%\smtmp\4

(註:%User Temp%はWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 98 および MEの場合、"C:\Windows\Temp"、Windows NT の場合、"C:\Profiles\<ユーザー名>\TEMP"、Windows 2000、XP、Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\TEMP" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random file name1} = "%System Root%\Documents and Settings\All Users\Application Data\{random file name1}.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
ActiveDesktop
NoChangingWallpaper = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Associations
LowRiskFileTypes = "/{hq:/s`s:/ogn:/uyu:/dyd:/c`u:/bnl:/ble:/sdf:/lrh:/iul:/iulm:/fhg:/clq:/kqf:/`wh:/lqf:/lqdf:/lnw:/lq2:/l2t:/v`w:/rbs:"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Attachments
SaveZoneInformation = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
System
DisableTaskMgr = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Policies\
Explorer
NoDesktop = "1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\policies\
system
DisableTaskMgr = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software
75fa38b7-8b94-4995-ad32-52e938867954 = "{blank}"

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Internet Explorer\Download
CheckExeSIgnatures = "no"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「yes」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
Hidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Explorer\
Advanced
ShowSuperHidden = "0"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「1」となります。)

その他

マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

マルウェアは、以下のディレクトリ内の特定のファイルを移動させます。

  • オペレーティングシステム(OS)のメジャーバージョンが「5」(Windows XP、2000、2003)の場合

  • From: %System Root%\Documents and Settings\All Users\Start Menu\
    To: %User Temp%\smtmp\1\

    From: %User Profile%\Application Data\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch\
    To: %User Temp%\smtmp\2\

    From: %System Root%\Documents and Settings\All Users\Desktop\
    To: %User Temp%\smtmp\4\

  • OSのメジャーバージョンが「6」(Windows Vista、2008、7)の場合

  • From: %System Root%\ProgramData\Start Menu\
    To: %User Temp%\smtmp\1\

    From: %User Profile%\Application Data\Roaming\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch\
    To: %User Temp%\smtmp\2\

    From: %User Profile%\Application Data\Roaming\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch\User Pinned\TaskBar\
    To: %User Temp%\smtmp\3\

    From: %System Root%\ProgramData\Desktop\
    To: %User Temp%\smtmp\4\

マルウェアは、侵入したコンピュータ内で確認したファイルの属性を「隠しファイル」に設定します。これにより、ユーザにファイルが削除されたかのように錯覚させます。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 8.392.06
初回 VSAPI パターンリリース日 2011年8月31日

手順 1

Windows XP および Windows Server 2003 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

「TROJ_FAKEAL.ZVQA」で検出したファイル名を確認し、そのファイルを終了します。

[ 詳細 ]

  • 検出ファイルが、Windows のタスクマネージャまたは Process Explorer に表示されるものの、削除できない場合があります。この場合、コンピュータをセーフモードで再起動してください。
    セーフモードについては、こちらをご参照下さい。
  • 検出ファイルがタスクマネージャ上で表示されない場合、次の手順にお進みください。

手順 3

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random file name1} = "%System Root%\Documents and Settings\All Users\Application Data\{random file name1}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\ActiveDesktop
    • NoChangingWallpaper = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Associations
    • LowRiskFileTypes = "/{hq:/s`s:/ogn:/uyu:/dyd:/c`u:/bnl:/ble:/sdf:/lrh:/iul:/iulm:/fhg:/clq:/kqf:/`wh:/lqf:/lqdf:/lnw:/lq2:/l2t:/v`w:/rbs:"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Attachments
    • SaveZoneInformation = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\System
    • DisableTaskMgr = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Policies\Explorer
    • NoDesktop = "1"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\policies\system
    • DisableTaskMgr = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software
    • 75fa38b7-8b94-4995-ad32-52e938867954 = "{blank}"

手順 4

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Internet Explorer\Download
    • From: CheckExeSIgnatures = "no"
      To: CheckExeSIgnatures = "yes"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: Hidden = "0"
      To: Hidden = "1"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Explorer\Advanced
    • From: ShowSuperHidden = "0"
      To: ShowSuperHidden = "1"

手順 5

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System Root%\Documents and Settings\All Users\Application Data\{random filename2}.exe
  • %System Root%\Documents and Settings\All Users\Application Data\{random filename2}

手順 6

最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、ウイルス検索を実行してください。「TROJ_FAKEAL.ZVQA」と検出したファイルはすべて削除してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。

マルウェアによって隠しファイルの属性に変更されたファイル属性の修正手順

手順1,コマンドプロンプトを起動します。

  • Windows 2000 および Windows XP、Windows Server 2003の場合
    [スタート] ボタンをクリックし、[ファイル名を指定して実行] をクリックします。「cmd」と入力し、Enter キーを押します。
  • Windows Vista および Windows 7の場合
    [スタート] ボタンをクリックします。[プログラムとファイルの検索]に「cmd」と入力し、Enter キーを押します。

手順2,コンソールウィンドウに以下を入力します。

  • attrib -h {drive letter}:\*.* /s /d

手順3,「exit」と入力し、Enter キーを押します。

マルウェアが変更したファイルの復元

手順1,フォルダ "<TEMPフォルダ>\smtmp" を開き、以下としてファイルをコピーします。

  • オペレーティングシステム(OS)のメジャーバージョンが「5」(Windows XP、2000、2003)の場合
  • From: %User Temp%\smtmp\1\
    To: %System Root%\Documents and Settings\All Users\Start Menu\

    From: %User Temp%\smtmp\2\
    To: %User Profile%\Application Data\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch\

    From: %User Temp%\smtmp\4\
    To: %System Root%\Documents and Settings\All Users\Desktop\

  • OSのメジャーバージョンが「6」(Windows Vista、2008、7)の場合
  • From: %User Temp%\smtmp\1\
    To: %System Root%\ProgramData\Start Menu\

    From: %User Temp%\smtmp\2\
    To: %User Profile%\Application Data\Roaming\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch\

    From: %User Temp%\smtmp\3\
    To: %User Profile%\Application Data\Roaming\Microsoft\Internet Explorer\Quick Launch\User Pinned\TaskBar\

    From: %User Temp%\smtmp\4\
    To: %System Root%\ProgramData\Desktop\

手順2,すべてのファイルを移動した後、フォルダ "<TEMPフォルダ>\smtmp" を削除します。


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