TROJ_DYER.BMC
Windows
- マルウェアタイプ: トロイの木馬型
- 破壊活動の有無: なし
- 暗号化:
- 感染報告の有無: はい
概要
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
マルウェアは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。
マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。
詳細
侵入方法
マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。
インストール
マルウェアは、異なるファイル名を用いて以下のフォルダ内に自身のコピーを作成します。
- %Application Data%\Microsoft\Inhovn\inhov.exe
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)
マルウェアは、以下のファイルを作成します。
- %Application Data%\Microsoft\inhov.wpl
- %Application Data%\Microsoft\Inhovn\inho.dll
(註:%Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)
マルウェアは、以下のプロセスを追加します。
- C:\Windows\explorer.exe
マルウェアは、Windowsのタスクスケジューラを用いて、「スケジュールされたタスク」を作成します。これにより、作成されたコピーが実行されます。
自動実行方法
マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random characters} = "%Application Data%\Microsoft\Inhovn\inhov.exe"
HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
ctfmon.exe = "%Application Data%\Microsoft\Inhovn\inhov.exe"
この「スケジュールされたタスク」により、以下の時間になるとマルウェアが実行されます。
- Daily-every 7 hours from the time of creation
他のシステム変更
マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。
HKEY_CURRENT_USER\{randomly selected key}\{randomly produced key name}
HKEY_CURRENT_USER\{randomly selected key}\{randomly produced key name}\
Certificates
HKEY_CURRENT_USER\{randomly selected key}\{randomly produced key name}\
CRLs
HKEY_CURRENT_USER\{randomly selected key}\{randomly produced key name}\
CTLs
HKEY_LOCAL_MACHINE\{randomly selected key}\{randomly produced key name}
HKEY_LOCAL_MACHINE\{randomly selected key}\{randomly produced key name}\
Certificates
HKEY_LOCAL_MACHINE\{randomly selected key}\{randomly produced key name}\
CRLs
HKEY_LOCAL_MACHINE\{randomly selected key}\{randomly produced key name}\
CTLs
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
ESENT\Process\1\
DEBUG
Trace Level = ""
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\
ESENT\Process\inhov\
DEBUG
Trace Level = ""
その他
マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。
対応方法
手順 1
このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。
手順 2
Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。
手順 3
このレジストリ値を削除します。
警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- {random characters} = "%Application Data%\Microsoft\Inhovn\inhov.exe"
- {random characters} = "%Application Data%\Microsoft\Inhovn\inhov.exe"
- In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
- ctfmon.exe = "%Application Data%\Microsoft\Inhovn\inhov.exe"
- ctfmon.exe = "%Application Data%\Microsoft\Inhovn\inhov.exe"
手順 4
インストールの過程で追加された以下のファイル/フォルダ/レジストリキーや値には、参照可能な値が存在しないため、ユーザの手動検索によって確認することができません。そのため、ユーザがシステム情報のバックアップを行なっている場合にのみ、保存されている前のデータと比較することで追加されたファイル/フォルダ/レジストリキーや値を確認することが可能となります。なお、追加されたコンポーネントは、コンピュータに悪影響を与えるものではないため、削除する必要はありません。
- In HKEY_CURRENT_USER\{randomly selected key}\{randomly produced key name}
- = ""
- = ""
- In HKEY_CURRENT_USER\{randomly selected key}\{randomly produced key name}\Certificates
- = ""
- = ""
- In HKEY_CURRENT_USER\{randomly selected key}\{randomly produced key name}\CRLs
- = ""
- = ""
- In HKEY_CURRENT_USER\{randomly selected key}\{randomly produced key name}\CTLs
- = ""
- = ""
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\{randomly selected key}\{randomly produced key name}
- = ""
- = ""
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\{randomly selected key}\{randomly produced key name}\Certificates
- = ""
- = ""
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\{randomly selected key}\{randomly produced key name}\CRLs
- = ""
- = ""
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\{randomly selected key}\{randomly produced key name}\CTLs
- = ""
- = ""
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\ESENT\Process\1\DEBUG
- Trace Level = ""
- Trace Level = ""
- In HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\ESENT\Process\inhov\DEBUG
- Trace Level = ""
- Trace Level = ""
手順 5
マルウェアが追加したスケジュールタスクを削除します。
手順 6
コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_DYER.BMC」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。
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