Trend Micro Security

TROJ_DROPPER.UOY

2013年4月3日
 解析者: Abraham Latimer Camba   

 プラットフォーム:

Windows 2000, Windows XP, Windows Server 2003

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、実行後、自身を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 73,216 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2012年3月7日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %Program Files%\Trusteer\Rapport\bin\RapportService.exe
  • %Windows%\RPService.exe

(註:%Program Files%フォルダは、Windows 2000、Server 2003、XP (32ビット)、通常 Vista (32ビット) および 7 (32ビット) の場合、通常 "C:\Program Files"、Windows XP (64ビット)、Vista (64ビット) および 7 (64ビット) の場合、通常 "C:\Program Files (x86)" です。. %Windows%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、"C:\Windows" です。)

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System%\{random hex value}.exe
  • %User Temp%\{random hex value}.exe

(註:%System%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では "C:\Windows\System32" です。. %User Temp%フォルダはWindowsの種類とインストール時の設定などにより異なります。標準設定では、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、"C:\Documents and Settings\<ユーザー名>\Local Settings\Temp"、Windows Vista および 7 の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Local\Temp" です。)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Windows
load = "%User Temp%\{random hex value}.exe,"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random hex value} = "%System%\{random hex value}.exe,"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
Userinit = "%System%\userinit.exe,%System%\{random hex value}.exe,"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「"%System%\userinit.exe,"」となります。)

他のシステム変更

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\.eze
@ = "MyEze.1"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
RapportMgmtService.exe
Debugger = "RPService.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
RapportService.exe
Debugger = "RPService.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
RapportSetup.exe
Debugger = "RPXService.exe"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
RapportSetup-Full.exe
Debugger = "RPXService.exe"

HKEY_CLASSES_ROOT\MyEze.1\shell\
open\command
@ = "%System%\RPService.exe %0 %1 %2"

マルウェアは、インストールの過程で、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CLASSES_ROOT\MyEze.1

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\RapportCerberus_29574

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\RapportEI

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\RapportKELL

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\RapportMgmtService

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\RapportPG

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
RapportMgmtService.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
RapportService.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
RapportSetup.exe

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options\
RapportSetup-Full.exe

HKEY_CLASSES_ROOT\.eze

その他

マルウェアは、実行後、自身を削除します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.200
初回 VSAPI パターンバージョン 8.820.06
初回 VSAPI パターンリリース日 2012年3月7日
VSAPI OPR パターンバージョン 8.821.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2012年3月7日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアのパス名およびファイル名を確認します。
最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用いてウイルス検索を実行してください。「TROJ_DROPPER.UOY」で検出したパス名およびファイル名を確認し、メモ等をとってください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • RapportCerberus_29574
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • RapportEI
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • RapportKELL
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • RapportMgmtService
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services
    • RapportPG
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options
    • RapportMgmtService.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options
    • RapportService.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options
    • RapportSetup.exe
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Image File Execution Options
    • RapportSetup-Full.exe
  • In HKEY_CLASSES_ROOT
    • .eze
  • In HKEY_CLASSES_ROOT
    • MyEze.1

手順 5

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Windows
    • load = "%User Temp%\{random hex value}.exe,"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random hex value} = "%System%\{random hex value}.exe,"

手順 6

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\Winlogon
    • From: Userinit = "%System%\userinit.exe,%System%\{random hex value}.exe,"
      To: Userinit = "%System%\userinit.exe,"

手順 7

TROJ_DROPPER.UOY として検出されたファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]

註:このファイルは、隠しファイルとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。

マルウェアのファイルの手動削除::

  • Windows 2000、XP および Server 2003 の場合:

    1. [スタート]-[検索]-[ファイルとフォルダすべて]を選択します。
    2. [ファイル名のすべてまたは一部]に上記で確認したファイル名を入力してください。
    3. [探す場所]の一覧から[マイコンピュータ]を選択し、[検索]を押します。
    4. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    5. 残りのファイルに対して、この不正なコンポーネントファイルの上記の手順 2.)から 4.)を繰り返してください。

  • Windows Vista および 7 の場合:

    1. [スタート]をクリックします。
    2. [プログラムとファイルの検索]に、上記で確認したファイル名を入力します。
    3. ファイルが表示されたら、そのファイルを選択し、SHIFT+DELETE を押します。これにより、ファイルが完全に削除されます。
    4. 残りのファイルに対して、この不正なコンポーネントファイルの上記の手順 2.)から 3.)を繰り返してください。
      註:Windows 7 において上記の手順が正しく行われない場合、マイクロソフトのWebサイトをご確認ください。
  • 手順 8

    以下のファイルを検索し削除します。

    [ 詳細 ]
    コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
    • %Program Files%\Trusteer\Rapport\bin\RapportService.exe
    • %Windows%\RPService.exe

    手順 9

    コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_DROPPER.UOY」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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