Trend Micro Security

TROJ_CRYPTWALL.YYV

2015年8月7日
 解析者: David John Agni   

 別名:

Win32/Filecoder.CO trojan (ESET-NOD32)

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化:  
  • 感染報告の有無: はい

  概要


マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェア マルウェアは、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。


  詳細

ファイルサイズ 242,180 bytes
タイプ EXE
メモリ常駐 はい
発見日 2015年7月3日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System Root%\{Random 8 Characters}\{Random 8 Characters}.exe
  • %Application Data%\{Random 8 Characters}.exe

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.. %Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.)

マルウェアは、以下のフォルダを作成します。

  • %System Root%\{Random 8 Characters}

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{Random 8 Characters} = "%Application Data%\{Random 8 Characters}.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{First 7 Characters of {Random 8 Characters}} = "%System Root%\{Random 8 Characters}\{Random 8 Characters}.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
*{Second to the Sixth Characters {Random 8 Characters}} = "%System Root%\{Random 8 Characters}\{Random 8 Characters}.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\RunOnce
*{Last Seven Characters of {Random 8 Characters}} = "%Application Data%\{Random 8 Characters}.exe"

マルウェアは、Windows起動時に自動実行されるよう<スタートアップ>フォルダ内に以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\{Random 8 Characters}.exe

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\{random string}

HKEY_CURRENT_USER\Software\{random string}\
{random string 2}

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\WindowsUpdate\
Auto Update\UAS
UpdateCount = "0"

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\SystemRestore
DisableSR = "1"

HKEY_CURRENT_USER\Software\{random string}
0v = "[DEFAULT]BASEURL={data}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\{random string}
1u = "{Notes}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\{random string}
br = "{html code}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\{random string}
fk = "{hex value}"

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\wscsvc
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\WinDefend
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\wuauserv
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\
services\WerSvc
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「3」となります。)

その他

マルウェアは、以下の不正なWebサイトにアクセスします。

  • http://{BLOCKED}meryfoodconsulting.com/wp-content/uploads/2015/03/update-b20ca6f3cf022a826b32ab34eb9cdbfb/tmp/e5.php?

マルウェア は、自身(コンピュータに侵入して最初に自身のコピーを作成した マルウェア )を削除します。

マルウェアは、感染コンピュータ内のファイルを暗号化する機能を備えています。マルウェアは、暗号化されたファイルの存在するすべてのフォルダへ、"HELP_DECRYPT.HTML"、 "HELP_DECRYPT.PNG"、 "HELP_DECRYPT.TXT" と "HELP_DECRYPT.URL" を作成します。


  対応方法

対応検索エンジン: 9.750
VSAPI OPR パターンバージョン 11.769.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年7月4日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {Random 8 Characters} = "%Application Data%\{Random 8 Characters}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {First 7 Characters of {Random 8 Characters}} = "%System Root%\{Random 8 Characters}\{Random 8 Characters}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • *{Second to the Sixth Characters {Random 8 Characters}} = "%System Root%\{Random 8 Characters}\{Random 8 Characters}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\RunOnce
    • *{Last Seven Characters of {Random 8 Characters}} = "%Application Data%\{Random 8 Characters}.exe"

手順 5

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\SystemRestore
    • From: DisableSR = "1"
      To: DisableSR = "{User Defined}"
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\services\wscsvc
    • From: Start = "4"
      To: Start = 2
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\services\WinDefend
    • From: Start = "4"
      To: Start = 2
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\services\wuauserv
    • From: Start = "4"
      To: Start = 2
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\ControlSet001\services\WerSvc
    • From: Start = "4"
      To: Start = 3

手順 6

不明なレジストリキーを削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software
    • {random string}

手順 7

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性の場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %User Startup%\{Random 8 Characters}.exe

手順 8

以下のフォルダを検索し削除します。

[ 詳細 ]
註:このフォルダは、隠しフォルダとして設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System Root%\{Random 8 Characters}

手順 9

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_CRYPTWALL.YYV」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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