Trend Micro Security

TROJ_CRYPTOWALL.SM

2015年1月17日
 解析者: Cris Nowell Pantanilla   

 別名:

Ransom:Win32/Crowti (Microsoft); Trojan.Cryptodefense (Symantec); Trojan-Ransom.CryptoWall3 (Ikarus);

 プラットフォーム:

Windows

 危険度:
 ダメージ度:
 感染力:
 感染確認数:
 情報漏えい:


  • マルウェアタイプ: トロイの木馬型
  • 破壊活動の有無: なし
  • 暗号化: はい
  • 感染報告の有無: はい

  概要

感染経路 インターネットからのダウンロード, 他のマルウェアからの作成

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

マルウェアは、レジストリ値を変更し、複数のシステムサービスを無効にします。これにより、システムに必要な機能が起動しません。

マルウェアは、特定のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。


  詳細

ファイルサイズ 不定
メモリ常駐 はい
発見日 2014年1月14日

侵入方法

マルウェアは、他のマルウェアに作成されるか、悪意あるWebサイトからユーザが誤ってダウンロードすることによりコンピュータに侵入します。

インストール

マルウェアは、感染したコンピュータ内に以下のように自身のコピーを作成します。

  • %System Root%\{random 8 characters}\{random 8 characters}.exe
  • %Application Data%\{random 8 characters}.exe
  • %User Startup%\{random 8 characters}.exe

(註:%System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.. %Application Data%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Local Settings\Application Data"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming" です。.. %User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.)

マルウェアは、以下のファイルを作成します。

  • %User Startup%\HELP_DECRYPT.HTML
  • %User Startup%\HELP_DECRYPT.PNG
  • %User Startup%\HELP_DECRYPT.TXT
  • %User Startup%\HELP_DECRYPT.URL
  • %System Root%\out.png

(註:%User Startup%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常、"C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Start Menu\Programs\Startup" 、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、" C:\Users\<ユーザ名>\AppData\Roaming\Microsoft\Windows\Start Menu\Programs\Startup" です。.. %System Root%フォルダは、オペレーティングシステム(OS)が存在する場所で、いずれのOSでも通常、 "C:" です。.)

マルウェアは、以下のファイルを作成し実行します。

  • %Desktop%\HELP_DECRYPT.HTML
  • %Desktop%\HELP_DECRYPT.PNG
  • %Desktop%\HELP_DECRYPT.TXT
  • %Desktop%\HELP_DECRYPT.URL

(註:%Desktop%フォルダは、Windows 2000、XP および Server 2003 の場合、通常 "C:\Documents and Settings\<ユーザ名>\Desktop"、Windows Vista 、 7 、8、8.1 、Server 2008 および Server 2012の場合、"C:\Users\<ユーザ名>\Desktop" です。.)

マルウェアは、以下のプロセスを追加します。

  • explorer.exe
  • svchost.exe

マルウェアは、以下のプロセスに組み込まれ、システムのプロセスに常駐します。

  • created explorer.exe
  • created svchost.exe

自動実行方法

マルウェアは、自身のコピーがWindows起動時に自動実行されるよう以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random 7 characters} = "%System Root%\{random 8 characters}\{random 8 characters}.exe"

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\
Windows\CurrentVersion\Run
{random 8 characters} = "%Application Data%\{random 8 characters}.exe"

他のシステム変更

マルウェアは、以下のレジストリキーを追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\{UID}

マルウェアは、以下のレジストリ値を追加します。

HKEY_CURRENT_USER\Software\{UID}
{random 2 characters} = "{RSA PUBLIC KEY} "

HKEY_CURRENT_USER\Software\{UID}
{random 2 characters} = "{contents of HELP_DECRYPT.TXT}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\{UID}
{random 2 characters} = "{contents of HELP_DECRYPT.HTML}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\{UID}
{random 2 characters} = "{contents of HELP_DECRYPT.URL}"

HKEY_CURRENT_USER\Software\{UID}\
{random key}
{Path and file of encrypted file} = "{hex values}"

マルウェアは、以下のレジストリ値を変更します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\
Windows NT\CurrentVersion\SystemRestore
DisableSR = "1"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「0」となります。)

マルウェアは、レジストリ値を変更し、以下のシステムサービスを無効化します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\ERSvc
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\wscsvc
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\BITS
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\
Services\wuauserv
Start = "4"

(註:変更前の上記レジストリ値は、「2」となります。)

その他

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスして感染コンピュータのIPアドレスを収集します。

  • http://{BLOCKED}r.es
  • http://{BLOCKED}rnalip.com/raw
  • http://{BLOCKED}ip.com

マルウェアは、以下のWebサイトにアクセスし、情報を送受信します。

  • http://{BLOCKED}-1-1.i2phttp://proxy1-1-1.i2p/{random}
  • http://{BLOCKED}-2-2.i2phttp://proxy2-2-2.i2p/{random}
  • http://{BLOCKED}-3-3.i2phttp://proxy3-3-3.i2p/{random}
  • http://{BLOCKED}-4-4.i2phttp://proxy4-4-4.i2p/{random}
  • http://{BLOCKED}-5-5.i2phttp://proxy5-5-5.i2p/{random}

マルウェアは、以下の拡張子をもつファイルを暗号化します。

  • pdf
  • pot
  • xlt
  • pps
  • xlw
  • dot
  • rtf
  • ppt
  • xls
  • doc
  • xml
  • htm
  • html
  • hta
  • zip
  • dvr-ms
  • wvx
  • wmx
  • wmv
  • wm
  • mpv2
  • mpg
  • mpeg
  • mpe
  • mpa
  • mp2v
  • mp2
  • m1v
  • IVF
  • asx
  • asf
  • wax
  • snd
  • rmi
  • m3u
  • au
  • aiff
  • aifc
  • aif
  • midi
  • mid
  • wma
  • wav
  • mp3
  • wmf
  • tiff
  • tif
  • rle
  • png
  • jpeg
  • jpe
  • jpg
  • jfif
  • ico
  • gif
  • emf
  • dib
  • bmp


  対応方法

対応検索エンジン: 9.700
初回 VSAPI パターンバージョン 11.412.08
初回 VSAPI パターンリリース日 2015年1月14日
VSAPI OPR パターンバージョン 11.413.00
VSAPI OPR パターンリリース日 2015年1月14日

手順 1

Windows XP、Windows Vista および Windows 7 のユーザは、コンピュータからマルウェアもしくはアドウェア等を完全に削除するために、ウイルス検索の実行前には必ず「システムの復元」を無効にしてください。

手順 2

このマルウェアもしくはアドウェア等の実行により、手順中に記載されたすべてのファイル、フォルダおよびレジストリキーや値がコンピュータにインストールされるとは限りません。インストールが不完全である場合の他、オペレーティングシステム(OS)の条件によりインストールがされない場合が考えられます。手順中に記載されたファイル/フォルダ/レジストリ情報が確認されない場合、該当の手順の操作は不要ですので、次の手順に進んでください。

手順 3

Windowsをセーフモードで再起動します。

[ 詳細 ]

手順 4

このレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

 
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random 7 characters} = "%System Root%\{random 8 characters}\{random 8 characters}.exe"
  • In HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run
    • {random 8 characters} = "%Application Data%\{random 8 characters}.exe"

手順 5

不明なレジストリ値を削除します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
レジストリの編集はお客様の責任で行っていただくようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_CURRENT_USER\Software
    • {UID}

手順 6

以下のファイルを検索し削除します。

[ 詳細 ]
コンポーネントファイルが隠しファイル属性に設定されている場合があります。[詳細設定オプション]をクリックし、[隠しファイルとフォルダの検索]のチェックボックスをオンにし、検索結果に隠しファイルとフォルダが含まれるようにしてください。
  • %System Root%\out.png
  • HELP_DECRYPT.HTML
  • HELP_DECRYPT.PNG
  • HELP_DECRYPT.TXT
  • HELP_DECRYPT.URL

手順 7

変更されたレジストリ値を修正します。

[ 詳細 ]

警告:レジストリはWindowsの構成情報が格納されているデータベースであり、レジストリの編集内容に問題があると、システムが正常に動作しなくなる場合があります。
事前に意図的に対象の設定を変更していた場合は、意図するオリジナルの設定に戻してください。変更する値が分からない場合は、システム管理者にお尋ねいただき、レジストリの編集はお客様の責任として行なって頂くようお願いいたします。弊社ではレジストリの編集による如何なる問題に対しても補償いたしかねます。
レジストリの編集前にこちらをご参照ください。

  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion\SystemRestore
    • From: DisableSR = "1"
      To: DisableSR = 0
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\ERSvc
    • From: Start = "4"
      To: Start = 2
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\wscsvc
    • From: Start = "4"
      To: Start = 2
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\BITS
    • From: Start = "4"
      To: Start = 2
  • In HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\wuauserv
    • From: Start = "4"
      To: Start = 2

手順 8

コンピュータを通常モードで再起動し、最新のバージョン(エンジン、パターンファイル)を導入したウイルス対策製品を用い、「TROJ_CRYPTOWALL.SM」と検出したファイルの検索を実行してください。 検出されたファイルが、弊社ウイルス対策製品により既に駆除、隔離またはファイル削除の処理が実行された場合、ウイルスの処理は完了しており、他の削除手順は特にありません。


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